ついに、あの伝説のバイクが復活!スズキは新型バイク『KATANA』を発表しました。これはスズキの名車であるGSX1100Sカタナの復刻モデルであり、今最も注目を集めている新型バイクといえる1台。元祖カタナには世界中に熱狂的なファンがいますが、現代に蘇った新型カタナが、そのファン層を納得させ、好セールスを記録できるか注目です。
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ケルンの衝撃が再び!!現代に蘇ったカタナに世界中が注目
2018年10月2日にドイツで開催された『ケルン インターモト2018』で、スズキは新型モデルの『KATANA』を発表し、2000年まで生産されていた名車 スズキGSX1100Sカタナの復刻版として鮮烈なデビューを飾りました。
そんなGSX1100Sカタナが発表されたのも1980年のケルンショーだったため、38年の時を経て再び『ケルンの衝撃』が起こったと大きな話題となっています。
また、GSX1100Sカタナは1981年に海外向けの輸出車としてデビューするも、その反響は国内でも大きく、1100cc以外に750cc、400cc、250ccを販売。
生産終了する2000年まで大幅なモデルチェンジをすることはなかったため、基本設計はかなり古いものでした。
オリジナルのカタナがデビューしてから38年が経った現在、新形のデザインはオリジナルを強く彷彿させますが、中身は全くの別物でパワーや操作性も格段に向上。
現代に蘇ったカタナは、現行のハイスペックスポーツバイクと同等の速さを手に入れました。
スズキ・カタナとは
カタナは1981年1月に発売された『GSX1100Sカタナ』の通称で、その他『GSX750Sカタナ』、『GSX400Sカタナ』、『GSX250Sカタナ』などカタナシリーズの多くが『カタナ』と呼ばれています。
そんなGSX1100Sカタナのスタイルは、BMWのバイク部門に所属していたハンス・ムート氏によるもので、その名の通り日本刀をモチーフにデザインされました。
また、当初はヨーロッパ向けの輸入販売のみの予定でしたが、爆発的な大ヒット。
北米や日本にも正式に発売してほしいという声がスズキに多数よせられます。
しかし当時、日本では国内販売向け二輪車種の排気量は750ccが上限という規制があり、1982年2月に国内向けの『GSX750Sカタナ』が発売される事に。
日本国内の車両保安基準に適応させるためにGSX1100Sカタナとは異なるアップハンドルやスクリーン無装着のヘッドライトケース、さらに”刀”の文字が狂気を連想させるとして、本来あるはずの刀ロゴステッカーも貼られていませんでした。
そのためGSX1100Sカタナを知るユーザーからは支持されず、GSX750Sカタナオーナーの多くは1100cc用のセパハン(セパレートハンドル)を取り付けて走行。
これが違法改造だと判断されて警察官から取り締まられることが多く、『カタナ狩り』と呼ばれて敬遠される事に。
その影響が大きかったのか、同年11月にはスクリーンが装着され、1983年3月に発売されたモデルからはアルミ鍛造セパレートハンドルが取り付けられました。
ちなみに、1983年から1991年までの間『週刊少年マガジン』で連載された大ヒット漫画『バリバリ伝説』で、主人公 巨摩 郡(こま ぐん)のライバル聖 秀吉(ひじり ひでよし)が乗っていたマシンがGSX750Sカタナで、スクリーンとセパハンが装着されている事から1983年以降のモデルだと考えられます。
ほかにもバイク漫画『キリン』で主人公が乗っていたのがGSX1100Sカタナだったことなど、漫画にも多く登場したことで人気に拍車がかかり、カタナはスズキを代表する名車となりました。
ベースは型落ちのGSX-R1000、大幅改良と最新電子制御も豊富
GSX-R1000 K5,K6か。この色最高。 pic.twitter.com/xZTUUxX04z
— あきら店長 (@akiracb11) 2015年4月18日
新型カタナの商品コンセプトは、『ストリートでの新たな伝説の始まり』。
もちろん、その伝説とはGSX1100Sカタナのことを指し、偉大な祖先を現代版にアレンジしたモデルです。
また、新型はイチからの新設計ではなく、2005年モデルのGSX-R1000(K5)をベースに開発されました。
12年前のバイクがベースと聞くと、新車でも中身は古いんじゃないかと感じる方も多いと思いますが、ストリートでも扱いやすくするための大幅改良を実施。
ABSやトラクションコントロールなど制御系には最新装備が採用されています。
新型カタナの外観
新型カタナはフロントカウルからタンクまで、GSX1100Sカタナのデザインを継承。『刀』のロゴはフロントカウルに貼られ、シートもどことなくGSX1100Sカタナを意識しているように思えます。
また、ヘッドランプは四角目を上下二つに分けたデザインで、フロント、リアランプだけでなくフロントポジションライトまでLED化。
スイングアームにサテライトリヤフェンダーが装着されているところは、昨今スタンダードになりつつあるストリートファイター系ではあるものの、アッパーハンドルは旧カタナのファンからは賛否両論あると思います。
新型カタナのエンジン
エンジンはGSX-R1000(K5)の999cc水冷並列4気筒DOHC16バルブを採用。
最高出力150ps/10,000rpm、最大トルク108Nm/9500rpmを発揮します。
また、2005年モデルのGSX-R1000(K5)が178ps/11,000rpm、最大トルク:117Nm/9000rpmであったため、新型カタナはGSX-R1000のエンジントルクを高めるチューニングが施されていると思われます。
新型カタナの足回り
新型カタナのサスペンションはフロントにφ43mmKYB製倒立フォーク、リアに63mmストロークタイプのリンク式を採用。
フロントブレーキにはブレンボ製4ピストン(φ32mmピストン)のラジアルマウント式モノブロックキャリパーとφ310mmのブレーキディスクを採用し、BOSCH製のABSコントロールユニットが搭載されています。
タイヤは軽量で高剛性の17インチ鋳造アルミニウムタイプにダンロップ製ラジアルタイヤ『ロードポート2』を装着。
タイヤサイズはフロントが120/70-17、リヤが190/50-17となっています。
足回りだけ見ても、かなりの豪華装備ではないでしょうか。
新型カタナの制御系
新型カタナにはスズキが開発した『3モード トラクションコントロールシステム』が搭載されています。
これはGSX-S1000にも採用されており、速度センサー、スロットルポジションセンサー、クランクポジションセンサーおよびギアポジションセンサーの情報を解析し、リヤタイヤのホイールスピンを感知した場合、エンジン出力を低減。
1秒間に約250回のきめ細かいエンジン制御を行うため、かなりきめ細かい制御による滑らかな発進・走行を可能とします。
その他に、ライダーがハンドル右側に設置されたスターターボタンをワンプッシュすればエンジンが始動する『スズキ イージースタートシステム』も装備。
安全性の確保と乗りやすさを高める電子制御はかなり充実しています。
新型カタナのスペック
スズキ新型カタナ | ||
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,125×830×1,110 | |
ホイールベース(mm) | 1,460 | |
シート高(mm) | 825 | |
重量(kg) | 215 | |
エンジン型式 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒 | |
ボア×ストローク(mm) | 73.4×59.0 | |
排気量(cc) | 999 | |
圧縮比 | 12.2:1 | |
最高出力(kw[ps]/rpm) | 110[150]/10,000 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 108[11.2]/9,500 | |
ミッション | 6速 | |
燃料タンク容量(L) | 12.0 | |
タイヤ | 前 | 120/70ZR17M/C(58W) |
後 | 190/50ZR17M/C(73W) |
まとめ
新型カタナが発表される以前の2017年11月のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)に、バイク雑誌『MOTOCICLSMO(モトチクリスモ)』誌のブースに『Katana3.0コンセプト』が公開され、とうとうカタナの復活が現実味をおびてきたのではないかとメディアの間で囁かれました。
そんな新型カタナの発表はEICMAからわずか1年で実現し、かなり前から開発が進められてたと思われます。
スズキは偉大なる名車を復活させファンの期待に応えましたが、これからは旧カタナファン、さらにカタナをあまり知らない若い世代のライダー達に新型カタナを受け入れてもらう事ができるのか。
スズキがカタナにかける熱い思いは、必ずライダーの心を掴む事を信じずにはいられません。
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