ホンダはCBR650Fのフルモデルチェンジに伴い、新型CBR650Rを発売しました。ミドルクラスのクルーザーモデルなのですが、今回は従来よりもスポーティーな味付けがなされ、峠やサーキットでも限界付近まで攻めたくなってしまう仕上がりです。CBR650Fからの大きな変更点など、CBR好きにとっては気になるのところでしょう。

© Honda Motor Co., Ltd.

 

運動性能はRR並か!?スポーティー感がアップしたホンダ新型CBR650R発売

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ホンダはミドルスポーツモデルの新型、CBR650Rを2019年3月15日(金)に発売しました。

同時に発売された新型CB650Rにカウルを装着したようなデザインですが、実はそれだけではありません。

CBR650Rにはツインラムエアダクトが採用され、CB650Rとは違う特性のチューニングが施されています。

CBR650RのベースとなったCBR650Fは、ホンダが『Fコンセプト』と銘打ち、ツーリング・街乗り・サーキットなど、走るシチュエーションを選ばずに楽しめることを目指したバイクで、1987年に発売した初代CBR600F(PC19型)から続く長寿モデルです。

今回の新型からモデル名の最後につく”F”を”R”へ置きかえ、Racingを表すRを彷彿させるスポーツマインドの高いモデルへと進化しています。

とはいえ現在、スーパースポーツモデルであったCBR600RRは国内正規販売が終了しており、CBR600RRよりもツアラー向けではありますが、峠やサーキットにおける楽しさはCBR600RRに劣らないでしょう。

 

ファイヤーブレードとデザインを共有化することでスポーツイメージをアップ

左:CBR650R、右:CBR650F / © Honda Motor Co., Ltd.

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CBR650Rは、スタイルをCBR1000RRファイヤーブレードに似せており、フロントマスクだけを遠目で見れば、区別がつきにくいほどの出来栄えです。

また、個性的なスタイルのCBR650Fを、ホンダのフラグシップスーパースポーツと共通化させることで、スポーツイメージをより大きく増した事は、EICMA(ミラノモーターサイクルショー)で初めて公開されたときに、注目を集めた部分です。

ヘッドランプとテールランプは共にLEDを採用。

ウインカーやライセンスランプもLED化され、消費電力を抑えて視認性を向上させています。

 

軽快なハンドリングを約束する足回り

左:CBR650R、右:CBR650F / © Honda Motor Co., Ltd.

ホイールはCBR650Fの6本Y字型スポークから、5本Y字型スポークの新デザインとなり、フロントで440g、リアで530gの軽量化に成功。

さらに、フロントに新開発のクッションオイルを採用した倒立フォークを搭載し、フリクション低減を図るなど、軽量化されたホイールと共にバネ下重量の軽減を果たしています。

また、ブレーキはラジアルマウントキャリパーが採用され、ブレーキディスクはCBR650Fのφ320mmペータルディスクからΦ310mm真円ディスクに変更。

リニアなブレーキ操作ができるよう、改良されています。

スイングアームはクッション作動性を向上させて、締結部をピロボール化。

これは、路面に対する車体追従性の向上に寄与しています。

 

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ライディングポジションはCBR650Fよりもステップ位置を若干上げるとともに、後方へ移動させ、セパレートハンドルをトップリジット下側に取り付けて前傾姿勢を確保。

ワイディングやサーキットでの操作性を上げ、スポーティーなライディング姿勢となりました。

 

新開発エアクリーナーとツインラムエアダクトにより気持ち良い吹け上がりを実現

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エンジンは、CBR650Fから5PSアップの最高出力66kW[90PS]を発揮。

ピークパワーはエンジン回転数で1,000rpm高い12,000rpmで発揮されるため、高回転型のパワフルなエンジンになっています。

さらに、7,000rpmあたりからのふけ上がりの良さを追求し、低回転のトルクは若干薄まっていますが、グラフから谷がなくなったスムーズなトルクの出方となったのが注目のポイントです。

左:CBR650R、右:CBR650F / © Honda Motor Co., Ltd.

エンジンヘッド周りは、バルブタイミングやバルブスプリング諸元の最適化、さらにはカムチェーンの採用とバルブシートの材質変更により、耐久性を向上。

ピストン形状はピストン頭部形状を変更し、着火性能の高いイリジウムプラグを採用することで、混合気をより効率よく燃焼させるよう、図られています。

 

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そして、新設計のエアクリーナーを採用し、エアクリーナーエレメントを搭載する角度を水平から20°立てることで、吸気がよりスムーズにファンネル側に流れる構造になりました。

さらに、エアクリーナーエレメントの開口面積を約1.7倍拡大し、吸気ダクトからファンネルに至るまでの吸気抵抗を低減。

ストレスなく空気を取り入れられるよう、改良されています。

 

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吸気ダクトには、ツインラムエアダクトを採用し、走行時の風圧(ラム圧)を強制的にエアクリーナーボックス内に送り込んで、燃焼室への吸気充填効率を向上させました。

 

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マフラーはテールパイプ径を従来のΦ35mmからΦ38mmに拡大させ、排気の抜けを良くして吹け上がり感をアップ。

さらに、テールパイプの後端角度を従来からさらに35.4°上向きにすることで、ライダーが排気音を楽しめる構造になっています。

 

フレームはスチール製ツインスパーフレームは6kgの軽量化かつ高剛性化

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フレームはスチールを用いたツインスパー形状を採用。

ダウンドラフト式吸気レイアウトを可能にしました。

また、ピボットまわりは、CBR650Fでの鍛造プレートからプレス成型品を組み込んだボックス構造に変更し、モナカのように閉じた形状の閉断面にすることで、軽量化と高剛性化を高次元で両立。

エンジンハンガーは、CBR650Fでの別体締め付け構造に対し、CAE解析を活用したシュミレーションと走行テストを繰り返し、不快なエンジン振動の低減に寄与する構造に見直されて、軽量化も図られています。

さらに、シートレールはライダースペースをタイトな形状に絞り込み、ピボットプレートに接合される位置より上方に移動。

ステーの廃止やハーネスのコード類の短縮といった改良をおこない、従来から6kgの完成車重量低減を実現しました。

 

安全性能の充実の装備

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安全性能に関しては、ABSと56km/h以上で走行している時の急ブレーキで作動するエマージェンシーストップシグナルを搭載。

前後の車輪速度差を検知し、エンジントルクを最適化。

リアタイヤの駆動力を制御してスリップを抑制させる、HSTC(ホンダ セレクタブル トルク コントロール)も採用されました。

さらに、強烈なエンジンブレーキを緩和させるスリッパ―クラッチも搭載されているため、滑りやすい路面の走行や、ブレーキングによる後輪の挙動を安定させる設計がなされています。

 

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メーターは、CBR650Fでは2眼タイプでしたが、CBR650Rでは1画面にまとめられ、ギアポジションインジケーター、水温計、エンジン回転数のピークホールド表示、エンジン回転とリンクして変速タイミングを知らせるシフトアップインジケーターなどが追加されています。

 

ホンダ・CBR650Rのスペック

カラーラインナップはグランプリレッド(右)とマットバリスティックブラックメタリック(左)の二色 / © Honda Motor Co., Ltd.

CBR650R
車名・型式 ホンダ・2BL-RH03
全長×全幅×全高(mm) 2,130×750×1,150
ホイールベース(mm) 1,450
シート高(mm) 810
車両重量(kg) 207
タンク容量(ℓ) 15
エンジン型式 RH03H
エンジン種類 水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量(cc) 648
ボア×ストローク(mm) 67.0×46.0
圧縮比 11.6
最高出力(kW[PS]/rpm) 70[95]/12,000
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) 64[6.5]/8,500
トランスミッション 常時噛合式6段リターン
タイヤ 180/55ZR17M/C (73W)
180/55ZR17M/C (73W)
WMTCモード燃費値(km/L)【クラス】 21.3【クラス3-2】[1名乗車時]
車両価格(税込) グランプリレッド:¥1,036,800-
マットバリスティックブラックメタリック:¥1,036,800-

まとめ

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CBR600RRの国内モデルが販売終了になり、CBR600RRを逆輸入で購入する事を除けば、401~750ccクラスのスーパースポーツはCBR650Rが担うことになります。

元々、ネイキッドモデルをフルカウルにしたツアラーだと、がっかりした方もいるかもしれませんが、今回のフルモデルチェンジで、明確にスーパースポーツとしても遜色ないモデルへと進化しました。

街乗りやツーリング、そしてサーキットでの限界走行まで、フィールドを選ばず楽しめるスーパースポーツバイクです。

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