2018年3月9日にホンダから発売されたCB125Rは、17インチタイヤを履いたフルサイズの原付二種であり、125ccバイクとは思えないほど大きく存在感のあるバイクです。車体を大きくしたからといって単なるデザイン重視ではなく、徹底した軽量化と軽快なハンドリング、そして十分なパワーのあるエンジンを搭載し、CB125Rを高く評価するユーザーは多数。そんなCB125Rの魅力に迫ってみました。
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豪華装備の原付二種、新型ホンダ・CB125R誕生
125ccフルサイズロードスポーツは、ホンダ・CB125R以外にスズキ・GSX-S125、KTM・125デューク、そしてEU市場で販売されているヤマハ・MT-125などライバル車の多い激戦カテゴリーになっています。
日本では125ccのバイクは原付二種にあたり、高速道路での走行はできませんが、一般道では原付一種のように二段階右折をする必要がなく、二人乗りや時速60キロ以下での走行が可能。
さらに低燃費で維持費も格安なため、通勤・通学やちょっとした移動に最適で、需要の高い人気カテゴリーです!
また、狭い道路の多いEU諸国でもコンパクトで小排気量のバイクは人気があり、CB125Rはヨーロッパでも販売されています。
そんなCB125Rは、実用性重視というよりスポーツ走行を楽しむ事を重視した作りとなっており、車体価格は44万円と原付二種にしては比較的高価な価格設定。
IMU(イナーシャル・メジャーメント・ユニット)付きABSやφ41の倒立フォークなど、スーパースポーツと同等の豪華装備が搭載されていますが、125ccでそこまでの装備が必要なのかと疑問にも思うかもしれません。
しかし、CB125Rは44万円という大金を支払っても、誰もが納得できるバイクになっているのです。
新世代CBシリーズの末っ子モデル、新型ホンダ・CB125Rとは
CB125Rは2017年11月にイタリア・ミラノで行われた『EICMA2017』で公開され、2018年3月9日に発売されました。
EICMA2017での公開時には『CB1000R』、『CB300R』と共に出展され、ホンダが提案する新世代CBのエントリーモデルの1台としての位置付けされたモデルです。
そんなCB125Rの開発コンセプトは『 “SPORTS ROADSTER” Prologue バイク本来の乗る楽しさを』とされており、運動性能を追求した上質な走りの手応えを感じる乗り味を目標に製作されました。
また、新世代CBとなる3車種は共通のデザインとなっており、125ccとは思えないほど大きくダイナミックなプロポーションやメカニカルな機能美などから、登場以降高い評判を得ています。
原付二種であることを疑うほど大きな車体がカッコいい
CB125Rを実際に見ると、91~125ccの排気量を示すピンク色のナンバープレートを隠せば、250ccまたは400ccといわれても疑われないほど大きくてダイナミックなビジュアルとなっています。
実際に全長×全幅×全高(mm)のサイズで比較すれば、CB400SFで2,080×745×1,080、CB250Rで2,020×805×1,050な事に対し、CB125Rは2,040×820×1,055とほとんど変わりません。
また、タイヤサイズはCB125RとCB250Rで同サイズとなっており、前:110/70R17、後:150/60R17。
リアタイヤにおいては、CBR250RRより太いタイヤが装着されています。
そのため搭載しているエンジンの排気量を除けば、どこからどう見てもミドルクラスのスポーツバイクであり、知らない人がピンク色のナンバーを見れば思わず驚いて二度見してしまうレベルなのです。
マスの集中化を図り、マフラーのサイレンサーはトランスミッションの下部に収められ、ピボットプレート部がないメインフレームは小型で軽量となって後輪荷重の軽減に貢献しています。
また、スイングアームはクランクケースに直接取り付けられており、エンジンを中心にギュッと詰まった、バランスの美しいデザインとなっています。
それに加え、トラディショナルなバイクをイメージし、ヘッドライトは丸型となっていますが、ライト部分は小さくフロントフォークの間に埋め込まれるように収められています。
タンクとフロントフォークの間にサイドカバーが装着されているあたりからも、ドゥカティ・モンスターやMVアグスタ・ブルターレを思わせるデザインで、とてもスタイリッシュです。
サスペンションは前に大径Φ41mmの倒立フロントフォーク、リアにダンパー室内のオイルとガスが混ざることを防止する『分離加圧式リアサスペンションユニット』を採用。
これに軽量アルミホイールとダンロップ製ラジアルタイヤを装着しています。
ブレーキは前にラジアルマウント式のNISSIN製4ポットキャリパーと296mmブレーキディスク、後ろにシングルピストンキャリパーと220mmブレーキディスクを装着。
前後共にウェーブ形状のブレーキディスクというのが、イマドキと言えるところ。
さらに、急制動時に後輪が浮き上がるのを効果的に抑制するIMU(車体姿勢推定システム)付ABSも装備され、足回りは高価なパーツが多数装着されています。
エンジンは124ccの水冷4ストローク単気筒エンジンで、13馬力を発揮。
いくつかの試乗レビューを見ると、250ccと言われてもわからないぐらいにパワー感があるという意見が多く、街乗りであれば不自由感じさせないパワー域を実現しています。
ホンダ・CB125Rとライバル車を比較、ライバルにない魅力はどこだ?
CB125Rをライバル車となるスズキ・GSX-S125ABS及びKTM・125デュークと比較してみました。
最高出力&最大トルクで比較
最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | |
---|---|---|
ホンダ・CB125R | 9.8[13]/10,000 | 10[1.0]/8,000 |
スズキ・GSX-S125ABS | 11[15]/10,000 | 11[1.1]/8,000 |
KTM・125デューク | 11[15]/10,000 | 12[1.2]/7,500 |
GSX-S125と125デュークはエンジンにDOHCを採用していますが、CB125RのみSOHCを採用している事が、最高出力、最大トルクの差となっています。
シート高&車重で比較
車重(kg) | シート高(mm) | |
---|---|---|
ホンダ・CB125R | 127 | 815 |
スズキ・GSX-S125ABS | 133 | 785 |
KTM・125デューク | 137 | 830 |
CB125Rは3台中最軽量で、軽量化とマスの集中化にこだわった設計が、唯一の車重120kg台を実現しています。
しかし、シート高はGSX-S125ABSより3センチも高く、125デュークといい勝負という結果に。
車重は軽く取り回しもしやすいですが、マスの集中化によるシート高のアップで、背の低い方には足つき性がネックになるところではないでしょうか。
燃費値で比較
国土交通省届出値 60km/h 定地燃費値・2名乗車時(km/ℓ) |
WMTCモード値 (km/ℓ) |
|
---|---|---|
ホンダ・CB125R | 53.0 | 47.2 |
スズキ・GSX-S125ABS | 48.2 | 44.7 |
KTM・125デューク | – | – |
125デュークは外車のため燃費値が未公開ですが、最もハイパワーで車重もあることからGSX-S125ABSより悪いと考えられます。
そのため燃費値の比較では、CB125Rがダントツ良く、DOHCよりも燃費の良いSOHCエンジンの採用や最も軽量な車体であることが低燃費に貢献しているのではないでしょうか。
同時に、維持費が最も安いのもCB125Rということになります。
車両価格で比較
価格(税込) | |
---|---|
ホンダ・CB125R | 448,200円 |
スズキ・GSX-S125ABS | 354,240円 |
KTM・125デューク | 510,000円 |
CB125Rは最も安価なGSX-S125ABSより約9万円も高額です。
GSX-S125ABSは安っぽいというわけではありませんが、エンジンがハイスペックでも、CB125Rのほうがサスペンションやブレーキといったパーツや、軽量化が図られたフレーム・スイングアームなどで高額になっているとみられます。
ホンダ・CB125Rのスペック
CB125R | ||
---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,040×820×1,055 | |
軸間(mm) | 1,345 | |
シート高(mm) | 815 | |
車両重量(kg) | 127 | |
乗車定員(人) | 2 | |
エンジン型式・種類 | JC79E・水冷4ストロークOHC単気筒 | |
排気量(cc) | 124 | |
内径×行程(mm) | 58.0×47.2 | |
圧縮比(mm) | 11.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 9.8[13]/10,000 | |
最大トルク(N・m[kgf-m]/rpm) | 10[1.0]/8,000 | |
トランスミッション | 常時噛合式6段リターン | |
始動方式 | セルフ式 | |
タンク容量(L) | 10 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H |
後 | 150/60R17M/C 66H | |
燃料消費率(km/ℓ) | 国土交通省届出値 定地燃費値(km/h) |
53.0(60) 〈2名乗車時〉 |
WMTCモード値(クラス) | 47.2(クラス1) 〈1名乗車時〉 | |
メーカー希望小売価格(税込) | 448,200円 |
まとめ
今回紹介したCB125Rは、歴史あるCB125シリーズの最新モデルにあたります。
1964年に登場したベンリィCB125や2001年まで製造されていた、教習車でもおなじみのCB125Tまで、過去37年間に国内でCB125は販売されていました。
しかもベンリィCB125といえば、多くの国内レースに出場し勝利をおさめた名車であり、その血統を受け継ぐCB125Rは、歴代CB125シリーズを知るユーザーからの期待を一挙に集めるモデルです。
発売以降、バイクジャーナリストや一般ユーザーのレビューを見ると、なかなかの高評価が多く見受けられます。
きっと、街中で実車を見つけたり実際に試乗して見れば、欲しくなってしまう!そんな注目の1台です。
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