ホンダは軽二輪の新型CB250Rを5月22日(火)に発売しました。このモデルは、ホンダから生み出された新世代CBシリーズ3モデルのひとつであり、250cc単気筒エンジンを搭載した軽量ネイキッドロードスポーツです。そんな、新世代CBシリーズのミドルクラスモデルは、いったいどんなバイクなのでしょうか。
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新世代CBシリーズの次男坊・ホンダCB250Rとは
ホンダはこれまでに多くの4ストローク250ccネイキッドロードスポーツを送りだし、その主流は2気筒か4気筒のエンジンを搭載したモデルでした。
また、250cc・4ストローク単気筒のネイキッドといえばCB250RS/CB250RS-ZやGB250クラブマンなどが名車といわれており、最近では2014年7月にCB250Fが登場。
CB250Fは2017年8月31日に生産を終了し、それに代わるようにして250cc単気筒のネイキットロードスポーツ、CB250Rが今年の5月22日に発売されました。
そして今後、CB250RS/CB250RS-ZやGB250クラブマンのような名車となるべく、注目を集めています。
ホンダは、伝統のCBシリーズに新たなモデルを追加するために、『ネオ・スポーツ・カフェ』をデザインテーマに新世代CBシリーズの3台をEICMA2017(ミラノショー)で世界初公開。
大型バイクのCB1000R、原付二種のCB125R、そして2台の間に入るCB300Rを出展し、2018年に順次発売を開始。
CB300Rについては、海外で250ccよりも300ccがメジャーなため、欧州や北米ではCB300Rを販売し、日本など一部地域向けに250ccのCB250Rが販売されています。
軽量化とマスの集中化を狙った理想の車体構成
ホンダはCB250Rのねらいを『開発日常の移動をアソビに変える ”SPORTS ROADSTER”』としています。
そして、ストリートをフィールドにファンライドを満喫できるバイクをイメージしてデザイン・設計され、ライダー自身がうまく操れていることを実感できるようなパッケージに。
車体全体は軽量化とマスの集中化を追って、比較的重い部品をエンジン付近に配置。
リアフェンダーステーを樹脂製にすることで軽量化し、さらにリアカウルの廃止やヘッドライトを薄型にするなど、理想的なマスの集中化を実現しています。
スイングアームはクロスメンバーまわりを太く、板厚を上げることで剛性を向上させ、リアアクスルに向かって細くなる形状に。
右側をガルアーム型、左側はストレート型として、左右非対称形状で最適な板厚を組み合わせて、剛性バランスを最良のものにしています。
足回りは豪華部品を多数装着
足回りのパーツには、ハイスペックなものが多数装着されています。
フロントフォークは、CBR600RRと同サイズのφ41mm倒立フォーク。
フロント懸架系(トップブリッジ、ボトムブリッジ、ステムパイプ)も併せて専用設計に!
リアサスペンションには ユニット内のガスとオイル室を分けた分離加圧式リアサスペンションユニットを採用。
ガスとオイル室を分けたとこでオイルとガスが混ざって起こるエア噛みを防止でき、リアサスペンション搭載位置の自由度も高くなるため、マスの集中化に貢献しています。
そしてブレーキは、フロントにラジアルマウント式4ポットキャリパーとφ296mmのウエーブ形状のフローティングディスク、リアに2ポットキャリパーとφ220mmのウエーブ形状ディスクを採用。
ABS仕様は従来型のABSとは異なり、IMU付前後独立アンチロックブレーキングシステムが装着されています。
これは急制動時の後輪浮き上がり(リアリフト)を効果的に抑制し、安心感のあるブレーキ操作を行える仕組みとなっています。
250cc単気筒バイクには少しチープなイメージがあるかもしれませんが、ここまでスポーティーなサスペンション、ブレーキが搭載されていればストリートだけでなくワイディングやサーキットの走行会でも十分な性能を発揮できるのではないでしょうか。
力強い加速とリニアなレスポンスを実現する高性能単気筒エンジン
エンジンの出力は、アクセルを開けたら開けた分だけ発揮できるようにセッティングされています。
そして吸気はシート下に吸気ダクトが設けられ、この吸気ダクトからエアクリーナーを通ってエンジン内部までつながる吸気の流れをストレート化。
これにより、空気を取り入れるときの吸気抵抗を軽減させ、出力向上に貢献しています。
また、排気効率を向上させるためにマフラー内部をシンプルな2室構造とし、エンジンからのストレスを少なくして排気までの抵抗を減らしています。
新しいCB250Rは、これらのセッティングにより、ライダーのスロットル操作に対するリニアなレスポンスを実現し、250cc単気筒エンジンとは思えないほどパワフルなエンジンになっているのです。
高性能デジタルメーターが走りのやる気にさせてくれる
CB250Rのメーターには、フルデジタル液晶メーターが搭載されています。
タコメーターは標準表示と過去0.7秒間の最高回転数を保持するピークホールド機能を搭載し、エンジン回転数ごとに点滅周期が可変するシフトアップインジケーターも装備。
コンパクトなデジタルメーターでありながら必要な情報はすべて表示してくれ、それでいてデザインもかっこいいので、ライディングのテンションも上がります。
ホンダCB250Rのスペック&価格
モデル・型式 | ホンダCB250R・2BK-MC52 | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 (mm) | 2,020×805×1,050 | |
軸距 (mm) | 1,355 | |
シート高 (mm) | 800 | |
車両重量 (kg) | 142【144】 | |
乗車定員 (人) | 2 | |
エンジン型式・種類 | MC52E・水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | |
総排気量 (cc) | 249 | |
内径×行程 (mm) | 76.0×55.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力 (kW[PS]/rpm) | 20[27]/9,000 | |
最大トルク (N・m[kgf・m]/rpm) | 23[2.3]/8,000 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17M/C 54H |
後 | 150/60R17M/C 66H | |
燃料消費率(km/L) | 国土交通省届出値 定地燃費値(km/h) |
44.5(60)<2名乗車時> |
WMTCモード値(クラス) | 33.7(クラス3-1)<1名乗車時> |
【 】内はABS搭載モデル
メーカー希望小売価格(税別) | |
---|---|
CB250R | 503,280円 |
CB250R<ABS> | 554,040円 |
まとめ
CB250R開発の狙いとしては、『根源的な楽しさ』を持ったスポーツバイクの具体化と、現代の若者達が好奇心を持って乗ってくれるバイクを生み出す事でした。
スマホやネット環境が普及した現代において、ネットからバイクの情報を簡単に得たり、SNSや口コミでバイクの評価もわかる時代になったため、バイクビギナーでもさまざまな観点から厳しい評価するようになっています。
一方で、開発側もバイク離れが叫ばれる若者達を対象に、若年層ユーザーの意見を取り入れたバイク製作に取り組んでいる事も事実。
CB250Rも走行性能を重視しつつ、デザインは『イマドキッ!』を感じさせるスタイルになり、デジタルメーターやLED製の小型なヘッドランプなど最新のトレンドやデザインを多く取り入れています!
そういった意味でCB250Rは、ホンダの開発陣が本気で若年層のバイク人気を取り戻そうと一心発起した気持ちと努力が注ぎ込まれているバイクとなっているのです。
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