スウェーデンのバイクメーカー『Husqvarna(ハスクバーナ)』から新型モデル『ヴィットピレン401』および『スヴァルトピレン401』が登場しました。両車両は、オフロードバイクばかり作ってきたハスクバーナが、久しぶりに販売するロードスポーツモデルということで注目を浴びています。長らくロードスポーツモデルを開発していなかったハスクバーナが送り出したロードスポーツモデルは、一体どんなバイクに仕上がっているのでしょうか。
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普通自動二輪免許で乗車可能!ハスクバーナ・ヴィットピレン401/スヴァルトピレン401が登場
『Husqvarna(ハスクバーナ)』といえばオフロードバイクをメインに製造しているスウェーデンのバイクメーカーですが、今回紹介する『ヴィットピレン401(VITPILEN 401)』は、ロードスポーツモデルです。
そして、兄弟車となる『スヴァルトピレン401(SVARTPILEN 401)』はブロックタイヤとアップハンドルを装着したデュアルパーパスモデル。
車名にある”401″は排気量を示している訳ではなく、実際は排気量373ccで普通自動二輪免許でも乗ることが可能です。
そのため日本の免許制度にも適合しており、軽量コンパクトな車体は日本の道にもぴったりなモデルといえるでしょう。
ハスクバーナは最古のオフロードバイクメーカー
ハスクバーナというメーカーの歴史はとても古く、スウェーデン王室におさめるマスケット銃のメーカーとして1689年に設立されました。
日本であれば江戸時代、徳川綱吉の時代です。
社名のハスクバーナは、工場がハスクバーナ川の辺りに建てられたことが由来で、その後、ミシンや自転車の製造を開始し、1903年にオートバイの製造をスタート。
さらに、チェーンソー及びエンジン搭載芝刈り機の製造も行うようになり、日本でも農林/造園に関わる人々には定番メーカーの1社!
また、ハスクバーナ製ミシン『ハスクバーナ・バイキング』は高級品とされ、日本でも株式会社ベビーロックが正規輸入代理店として販売を行っています。
1900年代前半レース活動の他に小型のモペット開発にも着手
1903年に製造を開始したハスクバーナ製バイクは、1930年代に入ると350ccと500ccのロードレースに出場するようになり、マン島TTレースのジュニアTTクラスでは3位に入るほどの活躍を見せます。
そして積極的にレース活動も行い、高性能なバイクを次々と開発。
また、1935年には小型2ストロークエンジンを搭載したモペットの販売に乗り出し、生産台数を伸ばしていきました。
高性能2ストモトクロッサーで世界最強のモトクロスバイクメーカーに
1960年代には2ストロークエンジン搭載の高性能なオフロードバイクを次々と送り出し、1960年代から70年代にかけて、125cc、250cc、500ccの各クラスで14回のモトクロス世界選手権チャンピオンを獲得。
24回のエンデュロ世界選手権と11回のバハ1000の優勝を飾り、モトクロスやエンデューロ、ラリーにおいては圧倒的な速さを誇っていました。
カジバ・BMW・KTMによる買収
1987年、ハスクバーナの二輪車部門は、イタリアのバイクメーカー・カジバに買収されます。
しかし、カジバの経営状態が悪化し、2007年にハスクバーナの経営権をBMWが買収するも、わずか6年で手放し、紆余曲折あって現在はKTMの傘下でハスクバーナの二輪車部門は運営されています。
ハスクバーナ・ヴィットピレン401/スヴァルトピレン401とはどんなバイク
ヴィットピレン(VITILEN)とスヴァルトピレン(SVARTPILEN)は、スウェーデン語でそれぞれ白い矢(ヴィットピレン)と黒い矢(スヴァルトピレン)を意味します。
そんなヴィットピレンのデザインを手がけたのは、オーストリアの工業デザイン会社『Kiska』。
2015年のミラノショーでコンセプトモデルを発表し、多くの反響があったのか、そのままのかたちで市販化に至りました。
実はKTM390デュークとベースは同じ
『ヴィットピレン401/スヴァルトピレン401』は『KTM 390 DUKE』をベースに開発され、フレームやエンジンは共通。
だた、ベース車両の『KTM 390 DUKE』よりエンジンパワーは2馬力アップされており、足回りやデザインもハスクバーナ独自の味付けがされています。
その為、ストリートファイタースタイルの『KTM 390 DUKE』と、カフェレーサースタイルの『ヴィットピレン401』、スクランブラースタイルの『スヴァルトピレン401』という3兄弟がここに誕生し、ネイキッドバイク好きには選択の幅が広がったと言えるのではないでしょうか。
カフェレーサーのヴィットピレン401とスクランブラーのスヴァルトピレン401
ヴィットピレン401はカフェレーサースタイルを全面に出した、ロードスポーツモデルです。
スポークホイールが足回りにレトロな味を出しつつ、タンクからシートまで一体になったサイドカバーが近代的なデザインを演出。
欧州メーカーらしいスタイリッシュなネオクラシックカフェレーサーとなっています。
そして、フロント足回りはWP製の倒立フォークとリアモノサスに、ブレンボのグループ企業であるBYBRE製のラジアルマウントキャリパーが装着され、タイヤはメッツラー製のラジアルタイヤなど、かなり高価なパーツが多数採用されています。
また、スヴァルトピレン401はアップアンドとブロックタイヤを装着し、スクランブラースタイルに仕上げられています。
サスペンションとブレーキはヴィットピレンと共通で、タイヤはピレリ・スコーピオン!。
ヴィットピレンはタイトなポジションで、長距離でのライディングは疲れてしまいそうですが、スヴァルトピレンはアップハンドルで上半身があまり前傾にならないため、長距離でのクルージングに向いていると思われます。
ヴィットピレン401/スヴァルトピレン401のスペック&価格
ヴィットピレン401 | スヴァルトピレン401 | ||
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 未公開 | 未公開 | |
軸間(mm) | 1,335 | 1,335 | |
シート高(mm) | 835 | 835 | |
車両乾燥重量(kg) | 155 | 157 | |
エンジン種類 | 水冷4ストローク単気筒DOHC | 水冷4ストローク単気筒DOHC | |
排気量(cc) | 373 | 373 | |
内径×行程(mm) | 89×60 | 89×60 | |
圧縮比 | 12.6 | 12.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 30.8[42]/9,000 | 30.8[42]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf-m]/rpm) | 37.2[3.8]/6,750 | 37.2[3.8]/6,750 | |
トランスミッション | 6速リターン | 6速リターン | |
タンク容量(L) | 約9.5 | 約9.5 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70R17 | 110/70R17 |
後 | 150/60R17 | 150/60R17 | |
車両価格(円) | 777,000 | 777,000 |
まとめ
老舗バイクメーカー、ハスクバーナが生み出したヴィットピレン401/スヴァルトピレン401は新興メーカーが作り出したと思わせる新鮮さを感じさせてくれます。
特にヴィットピレン401は、カフェレーサーとされていながら今まで見てきたカフェレーサーとは一線を画すほど斬新かつスタイリッシュ。
チューニングショップがカスタムを施したバイクのようでもあります。
ハスクバーナが培ってきたモトクロスバイクのノウハウが注入され、今までに見たことないようなスタイルの全く新しいモデル!
ヴィットピレン401/スヴァルトピレン401から目が離せません。
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