スズキ、往年の名車『カタナ』が、現代のテクノロジーをもって復活!2019年春から、欧州を中心に先行発売されていましたが、遂に5月31日より日本でも正規販売が開始されました。見た目のカッコよさはもちろん、決して見た目倒しではなく、現代のスポーツバイクとしてトップクラスの性能やスペックを誇ります!先代同様に、憧れのバイクとなる事必至です。

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伝説のバイク再来!スズキ新型カタナの国内販売がスタート

© SUZUKI MOTOR CORPORATION.

かつて高い人気を誇った往年の絶版車たちが、近年、続々と復刻し、話題を呼んでいます。

ホンダは、CB750フォアを彷彿とさせる『CB1100/EX/RS』を2017年に発売。

カワサキは、キング・オブ・絶版車ともいわれるZ1をイメージして作られた『Z900RS』を登場させ、爆発的な大ヒットで251cc以上クラスの国内年間販売台数1位を獲得しています。

このように現在、大型バイクの市場はネオ・クラシックブームの真っただ中なのです。

そして、スズキも負けじと、伝説の名車『GSX1100Sカタナ』を現代に蘇らせた『スズキ・カタナ』を5月30日から国内で正規販売を開始しました。

カタナは国産二輪車の歴史上、不動の名声を得ており、以前からカタナ復活説は時折うわさされ続けていました!

オリジナルのカタナは中古車市場で年々価格が高騰し、ファンから新型カタナの発売を望む声が多くスズキへ寄せられていました。

しかし、カタナを復活させるうえで、そっくりそのままレプリカを出しては、排ガス規制をクリアできず、現行モデルに比べ、圧倒的に性能が劣ります。

オリジナルの良さを表現しながら、現行のスポーツバイクと同等、もしくはそれ以上の性能がなければカタナのファンだけでなく、新型カタナに興味を持った新規ユーザーをもガッカリさせることになるでしょう。

そこでスズキが出した答えは、既存のコンポーネントに新たなカタナのデザインを施すことでした。

そんなの手抜きじゃないかと思われるかもしれませんが、知れば知るほどカタナを現代に復活させる最良の選択だったと思えます。

スズキ・カタナとは

1983年式 スズキ・GSX1100S カタナ / Photo by Paul Horn

新型カタナは、1981年から2000年まで生産された『GSX1100Sカタナ』をコンセプトイメージに製作され、2018年10月2日にドイツ・ケルンで開催されたインターモト2018で発表されました。

発表前には2017年11月にイタリア・ミラノで行われたEICMA(国際モーターサイクルショー)で、新型カタナの基本デザインとなる『カタナ3.0』が公開され、世界中から大反響を呼んだことで、カタナの市販化が決定しました。

デザインはイタリア人工業デザイナー、ロドルフォ・フラスコーリ氏で、実機制作はエンジンズ エンジニアリング社が担当。

フラスコーリ氏は、少年時代にGSX1100Sカタナの発表を間近で見て、衝撃を受けたと語っています。

また、彼自身も熱狂的なカタナファンであることから、新型カタナは熱心なファンの手にって、ファンのために生み出されたバイクとなりました。

GSX-S1000をベースに製作、乗りやすさを探求したストリートバイク

スズキ・GSX-S1000 / © SUZUKI MOTOR CORPORATION.

新型カタナの市販化が決定してから発表までは、わずか1年しかなかったため、新型カタナはすべてが新しく開発されたわけではなく、大まかにいえばネイキッドスポーツのGSX-S1000をベースに、カタナ3.0のデザインを被せたようなモデルです。

ちなみにGSX-S1000は、スズキが長年開発を続けてきたスーパースポーツモデルGSX-R1000をベースにしたスポーツネイキッドモデルなので、元々の完成度が非常に高い1台。

高い完成度をもったベースモデルから新型カタナを製作したほうが、コストもかからず理にかなっており、もしフレームやエンジンなどをイチから作っていれば、希望小売価格151万円に収まることはなかったでしょう。

これはスズキの開発陣が下した妥協ではなく、新型カタナをより良いバイクにするためのベストな選択なのです。

新型カタナのエンジンは、GSX-R1000の中で高い評価を得たK5と呼ばれるものがベースとなっており、ストリートで扱いやすい出力特性にセッティングされています。

また、乗りやすさを追求するために、ワンプッシュでエンジンが始動する『スズキイージースタートシステム』や停車時からクラッチミートを補助し、スムーズな発進を実現させる『ローRPMアシスト機能』を搭載。

見た目とは裏腹に、ユーザーフレンドリーなバイクを目指して設計されているため、大型二輪車免許を取得したばかりのビギナーやバイクライフを復活させたいリターンライダーにもおすすめできるモデルです。

エンジンは2005年式GSX-R1000(K5)をベースに出力を欧州仕様で150馬力、日本仕様では148馬力にセッティングされています。 / © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

フレームはGSX-R1000をベースにしたGSX-S1000と同じツインスパーフレーム。スイングアームは2016年式GSX-R1000を流用しています。/ © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

メーターは黒背景に白文字の液晶で『刀』のロゴが出現。メーター内にはギアポジション、瞬間&平均燃費計、オドメーター、ツイントリップメーターなどが装着されています。 / © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

シートはライダー側が大きくえぐられ、傾斜はやや前傾。最近のスポーツネイキッドらしく、肉薄でショートシートになっているのが特徴で、マシン全体のマスの集中化を狙っています。 / © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

ブレーキはブレンボ製4ポットラジアルマウントキャリパーとΦ310mmローターの組み合わせ。フロントフォークはKYB製Φ43mm倒立フォーうで減衰力調整可能です。 / © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

ショックユニットは、伸び側ダンピングとプリロードの調整機構を備え、ブレーキはシングルポットキャリパーとΦ250mmのディスクでABSが標準装備されます。また、スズキ初のスイングアームマウントリヤフェンダーが搭載されました。 / © 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

スズキ・カタナのスペック

ミスティックシルバーメタリック(YMD)/ © SUZUKI MOTOR CORPORATION.

グラススパークルブラック(YVB)/ © SUZUKI MOTOR CORPORATION.

カタナ
型式 2BL-GT79B
全長×全幅×全高(mm) 2,130×835×1,110
軸間距離(mm) 1,460
シート高(mm) 825
装備重量(kg) 215
燃料消費率(km/L) 国土交通省届出値:定地燃費値 23.8 (60.0km/h定速走行) 2名乗車時
WMTCモード値 19.1 (クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時
最小回転半径(m) 3.4
エンジン型式 T719
エンジン種類 水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ
総排気量(cm3) 998
内径×行程(mm) 73.4×59.0
圧縮比 12.2
最高出力(kW[PS]/rpm) 109[148]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 107[10.9]/9,500
燃料タンク容量(L) 12
変速機形式 常時噛合式6段リターン
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C(58W)
190/50ZR17M/C(73W)
メーカー希望小売価格(消費税8%込み) 1,512,000円

まとめ

© 2006-2019 Suzuki Australia Pty. Ltd.

現代に蘇った新型カタナは、日本刀のように鋭く流れるラインのデザインと角型LEDヘッドランプで先代カタナを忠実に表現。

ノスタルジックな中に最新のトレンドを取り入れ、公開される諸元や性能から、ホンダ CB1000Rやカワサキ Z1000といったストリートファイター的なスポーツバイクと同等で、絶版モデルの復刻版であることを疑うほどです。

令和になって間もなく発売された新型カタナにより、第二のカタナ伝説の幕開けとなりました。

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