カワサキ ZX-10Rがモデルチェンジ!新型ZX-10RシリーズはZX-10R/ZX-10R ABS/ZX-10RR/ZX-10R SEの4モデルを登場させ、サーキットからワイディングまでユーザーのさまざまなニーズに応えるモデルとなりました。WSBKで4年連続タイトルを獲得したモンスターマシンは、いったいどんな進化を遂げたのでしょうか。

Ninja ZX-10RR / © 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.
WSBK4連覇のNinja ZX-10Rがパワーアップ!カワサキ新型Ninja ZX-10Rに4モデルが登場

ジョナサン・レイ選手 / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.
ここ数年、サーキットでのカワサキ スーパースポーツバイクが速すぎる!
“速すぎ”というのは大袈裟かもしれませんが、WSBK(ワールドスーパーバイク選手権)でカワサキワークスライダーのジョナサン・レイ選手がシリーズチャンピオンを獲得。
なんと2015~18年まで4年連続で、シリーズチャンピオンを手にしています。
しかも、ジョナサン・レイ選手のチームメイトであるトム・サイクス選手も2013年にチャンピオンを獲得。
ここ数年はレイ選手に続く2位または3位を獲得し続け、カワサキは2015~2018年までの4年連続コンストラクターズチャンピオンに輝きました。
そんなレイ選手とサイクス選手が乗っているバイクが Ninja ZX-10RR。
事実上、スプリントレースでは世界で最も速い市販バイクです。
カワサキは、ZX-10Rの2019年モデルでモデルチェンジを行い、エンジンを改良したことでパワーアップを実現。
新型ZX-10RにはトラックモデルのZX-10RR以外にZX-10R ABSやZX-10 SEなど全4モデルを登場させ、最高出力はZX-10RRで204馬力、ZX-10R/ZX-10R ABS/ZX-10R SEで203馬力を発揮します。
カワサキ・Ninja ZX-10Rとは

© 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.
カワサキ Ninja ZX-10Rは2004年から生産・販売されている大型バイクです。
当時、MotoGPに参戦していたカワサキのワークスマシン ZX-RRの技術をフィードバックし、モノコックフレームやバックトルクリミッターを装備。
カワサキがMotoGPから撤退した後、WSBKにZX-10Rを投入していましたが導入直後はしばらく苦戦し、2011年モデルでのフルモデルチェンジでモノコックフレームからツインチューブフレームへ変更。
これが現行型ZX-10Rの基礎となり、2011年モデルから今回紹介する2019年モデルまで排ガス規制への対応やレース専用モデルのZX-10RRの登場などマイナーチェンジを繰り返してきました。
また、レースでは2012年WSBKでトム・サイクス選手がシーズン2位となり、翌2013年にはシリーズチャンピオンを獲得。
2015年からは、カワサキワークスチームに加入したジョナサン・レイ選手が今シーズンまで4年連続シリーズチャンピオンを獲得し、同時にカワサキはコンストラクターズチャンピオンも4年連続獲得。
ZX-10Rは激戦の1000ccスーパースポーツクラスで、最強との呼び声も高いモデルです。
2019年モデルのカワサキ新型Ninja ZX-10Rの速さの秘密は

Ninja ZX-10R ABS | カラー:パールストーングレイ×メタリックフラットスパークブラック / © 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.

Ninja ZX-10RR|カラー:ライムグリーン / © 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.

Ninja ZX-10R SE|カラー:メタルフラットスパークブラック×メタルマットグラファイトグレー / © 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.
新型ZX-10Rはベースモデルの『ZX-10R ABS』、サーキット走行を見据えた『ZX-10RR』、唯一KECSを搭載した『ZX-10R SE』をラインナップ。
ZX-10R とZX-10RRは、ABS非搭載モデルも選択可能です。
それでは、2019年モデルの改良点をご紹介していきます。
バランスフリーフォーク

ショーワ BFF ™/BFRC-lite ™ / Copyright © SHOWA Corporation. All rights reserved.
モーターサイクルのサスペンションといえば、『オーリンズ(ohlins)』が高級ブランドとして知られていますが、国産ブランド『ショーワ(SHOWA)』もトップブランドの一つ。
そんなショーワが開発したのが、ZX-10Rに搭載されている『バランスフリーサスペンション』です。
バイクが走行する際に、S字やシケインなどのカーブで車体を切り返したときに一瞬でダンパーから圧が抜け再び圧がかかります。
その油圧の変化はライダーによっては”ダンパーの遊び”のような感覚になり、サスペンションの応答性が希薄に感じてしまう事も。
そこで今回バランスフリーテクノロジーを採用。
ショックにカートリッジ式を含むダンパーを設けることで、ダンパーの圧とカートリッジ内の油圧を活用でき、ダンパー内のピストンの動きに左右されることなくほぼ一定にトラクションを保つことができるようになりました。
パワーアップしたエンジンの秘密は

2019年モデル NinjaZX-10RR エンジン / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.
WSBKのレギュレーションでは改造範囲が厳しく制限されるため、勝てるマシンを製作するには市販バイクそのもののエンジン性能が重要です。
そのため最も高いスポーツ性を誇るZX-10RRには、レーシングカーや航空宇宙関連のエンジン部品を製作するパンクル社が手がけたチタン二ウム製コンロッドを標準装備。
それは、ZX-10Rに装着されるスチール製コンロッドより、1本あたり120gもの軽量化に成功しています。
また、新型ZX-10R全モデルのバルブ駆動方式は、フィンガーフォローロッカーアームが採用され、カムシャフトから直打されるよりメカニカルロスを低減。
これによりエンジンの高回転化に対応しています。
クラッチ操作なしでシフト操作できるKQS

2019年モデル Ninja ZX-10R のバッグステップ / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.
ZX-10Rはクラッチ操作不要でシフトアップとシフトダウンが可能なデュアルディレクションKQS(カワサキクイックシフター)を採用。
従来モデルにもRRとR SEに装備されていましたが、2019年モデルからは全モデル標準装備となっています。
それにより、シフトアップ/ダウンを行えば、瞬間的に点火をカットしてクラッチレバーを握ることなくミッションに負担を掛けないシフト操作が可能に。
今までより素早いシフトアップとシフトダウンができるようになり、シフトアップ時に減速する事のないスムーズな走行性を実現させました。
SEに搭載される電子制御サスペンションKECSとは

Ninja ZX-10R / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.
ZX-10Rに昨年からZX-10R SEが追加され、シリーズの中で最も豪華な装備のモデルとなっています。
そして、SEに唯一搭載されているサスペンションKECS(Kawasaki Electronic Control Suspension)は、ショーワが開発したバランスフリーフォークをベースに電子制御化を進めたサスペンション。
バランスフリーサスペンション専用の電子制御式油圧バルブを搭載し、ストロークセンサーを内蔵して正確に走行状況をリアルタイムで把握。
車速やサスペンションのストロークスピードに合わせて最適な減衰力を自動で調整してくれます。
また、サスペンションセッティングを『マニュアル』、『ロード』、『トラック』の3モードから選択できるのも魅力的なポイントとなっています。
Ninja ZX-10R/10R ABS/10RR/10R SEのスペック

2019年モデル Ninja ZX-10RR / © 2018 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.
Ninja ZX-10R ABS Ninja ZX-10R Ninja ZX-10RR Ninja ZX-10R SE |
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---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,085×740×1,145 | |
ホイールベース(mm) | 1,440 | |
最低地上高(mm) | 145 | |
シート高(mm) | 835 | |
乾燥重量(kg) | Ninja ZX-10R ABS:206 Ninja ZX-10R:204 Ninja ZX-10RR:206 Ninja ZX-10R SE:208 |
|
エンジン種類 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブ | |
排気量 | 998 | |
ボア×ストローク(mm) | 76×55 | |
圧縮比 | 13.0 | |
トランスミッション | 6速リターン | |
タンク容量(ℓ) | 17 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17 |
後 | 190/55ZR17 | |
ブレーキ形式 | 前 | Φ330mmダブルディスク |
後 | Φ220mmディスク |
まとめ

2019年モデル NinjaZX-10RRにはシリアルナンバーが刻まれています。 / © 2018 Kawasaki Motors Europe N.V.
新型ZX-10Rは、2018年10月から導入国で順次発売されています。
輸入モデルの価格は現在わかっているもので、ZX-10R(ABS非搭載)15,399ドル(約174万円)、ZX-10R ABS 16,399ドル(約185万円)、ZX-10RR 24,899ドル(約281万円)、ZX-10R SE 21,899ドル(約247万円)です。
なお、ZX-10RRは500台の限定生産となっており、トップブリッジにはシリアルナンバーを刻印。
まだ、日本にどれだけ入荷するのかは未定となっています。
日本導入時期についても公式な発表は出ていませんが、国内販売となれば2019年1月あたりではないでしょうか。
数々のタイトルを獲得してきたカワサキの最新モンスターマシン、カワサキ好きのみならずスーパースポーツバイク好きなら一度でいいから乗ってみたい1台です。
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