欧州や日本に比べて、排ガス規制がゆるいアメリカとインドでは継続販売されていた現行モデルの隼は、全世界で完全に生産・販売終了になる流れです。そこで気になるのは3代目となる新型 隼がいつデビューするかということ。ここではそんな3代目隼がどうなるのか、現在出回っている情報を整理しながら紹介します。
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2019年スズ菌感染者が唖然!カタナ復活の裏側で隼が生産終了
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— MotoJournal (@moto_journal) February 7, 2018
2019年、スズキは名車カタナのリバイバルモデルの発売や、東京モーターショー2019での油冷エンジンを復活させたジクサー250の発表など、スズ菌感染者にとって嬉しいニュースが続きました。
しかし、嬉しい発表の裏でスズキのフラグシップツアラースポーツ『隼(はやぶさ)』の国内仕様の生産終了が発表され、購入できるのは現在店頭販売されている在庫のみになっています。
2代目モデルが生産終了となりましたが、果たして3代目モデルは登場するのでしょうか?
生産終了となった理由
ちなみに隼が生産終了となった理由は、世界的に厳しくなった排ガス規制に対応できなくなったからです。
この排ガス規制というのは2020年に適応されるEURO5(ユーロ5)で、2016年以降のEURO4と比べると、CO(一酸化炭素)、THC(全炭化水素)、NOx(窒素酸化物)を大幅に減らす内容となっています。
これにより、隼だけでなく多くのモデルが生産終了に追い込まれました。
スズキ・隼とは
隼は、1990年代後半にスズキが世界最高速の座を勝ち取るために開発したスポーツツアラーバイクです。
1998年9月に開催されたドイル インターモト1998で発表され、流線型でボリューム感あふれるスタイリングが話題になりました。
発売時には、世界最高速を目指したアルティメット(ultimate|「究極の」)スポーツというイメージが全面に打ち出され、1999年の発売から世界中のメディアがこぞって隼での最高速アタックに挑戦します。
初代のモデル名は『GSX1300R Hayabusa』で最高速312km/hを記録し。
前人未到の300キロの領域に入ったことで、世界中のライダーを驚愕させました。
北米ではドラッグレースの定番ベース車両になり、ヨシムラは隼をベースに作り上げたハヤブサX-1で8耐の総合6位、Xフォーミュラークラス1位、全日本ロードレース選手権Xフォーミュラークラスで年間チャンピオンを獲得しています。
2007年のフルモデルチェンジに伴い、デザインの意匠変更と排気量アップ、馬力/トルクアップを果たし、2014年にはそれまで国内販売は逆輸入車のみだったのを、馬力規制の廃止により国内仕様が登場。
海外・国内仕様ともに197馬力を発揮し、国内仕様のモデル名は漢字表記の『隼』となりました。
初代・2代目スペック
初代モデル 1999年型GSX1300R |
2代目モデル 2008年型HAYABUSA1300 |
日本仕様 2014年型 隼 | |
---|---|---|---|
全長×全幅×全高(mm) | 2,140×740×1,155 | 2,190×740×1,165 | 2,190×740×1,165 |
ホイールベース(mm) | 1,485 | 1,480 | 1,480 |
乾燥重量(kg) | 215 | 220 | – |
エンジン種類 | 水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ | 水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ | 水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ |
排気量(cc) | 1298.6 | 1,340 | 1,339 |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 128.7[175]/9,800 | 145[197]/9,500 | 145[197]/9,500 |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 138[14.1]/7,000 | 155[15.8]/7,200 | 155[15.8]/7,200 |
特許出願から新型・隼の全貌が明らかになった!?
スズキは2015年にコンセプトGSXを公開し、そのディテールから3代目隼ではないかと噂されました。
しかし、特徴的なヘッドランプの形状はGSX-R250や今年のTMS2019で発表されたジクサーSF250に搭載。
今後、スズキがこのヘッドランプデザインで統一感を図ろうとするのであれば、新型 隼のヘッドランプに採用される可能性は強いと思われます。
2月に出願した特許は新型・隼!?ライバルはカワサキ・H2
スズキは2019年2月に、新型 隼と思わしき二輪車の特許出願を行っています。
車両の図では、これまでの隼よりフレームのパイプが細くなっており従来モデルより軽量化されていることが期待できる
形状です。
また、スイングアームが長くなり、軸間距離を延長させたことで直線走行性能が向上。
一部の情報によると、エンジンは1,400~1,450ccの間での排気量アップが予想されており、今まで通りカワサキ ZZ-R1400やH2をライバルとして視野に入れているのでしょう。
ライバルのカワサキ Ninja H2は、米ボンネビル ソルトフラッツで開催されたボンネビル スピードウィークにおいて、カワサキの社内チーム『チーム38』によって337km/hを記録。
さすがにトラックモデルであるH2Rのように400km/hとはいかないと思いますが、H2を上回る最高速度350km/h付近を見込める仕様になることを期待したいところです。
ターボ搭載はあるのか
新型 隼について出回っている情報のひとつに、ターボの搭載があります。
スズキが2013年に公開したコンセプトモデル『Recursion(リカージョン)』は、588cc水冷並列2気筒エンジンにインタークーラー付きターボを組み合わせたマシンでした。
このリカージョンは、2気筒ターボエンジンを搭載したモデル名『GSX-700T』としてアメリカの特許庁に特が出願されていますが、これが大排気量向けの特許出願という情報は出ていません。
そのためターボは4気筒エンジンベースで開発が進められておらず、新型 隼へのターボ搭載は現実的ではないと考えられます。
MotoGPマシンGSX-RRのテクノロジーをフルで注入
隼には、GSX-R1000と同様にMotoGPマシン GSX-RRの技術がフィードバックされることが考えらます。
そのため、新型モデルに当然のように搭載されている多機能インストルメントパネルは、高い確率で採用されるでしょう。
サスペンションは前にSHOWA BFF®(Balance Free Frontfork)とリアにSHOWA BFRC® lite(Balance Free Rear Cushion lite)。
制御システムは、10段階のトラクションコントロールと5軸慣性計測ユニットIMUにより、バンク角に応じてブレーキの作動配分を行うモーショントラックブレーキシステムを搭載。
トランスミッションはクラッチ操作なしでシフト操作可能なシームレストランスミッションを搭載。
さらにエアロダイナミクス向上のために、サイドカウルにウィングが装着されることが期待できます。
新型・隼登場はスズキ創業100周年となる2020年
隼は登場直後から大ヒットして、2013年までに16万5千台が生産されました。
そんな隼はスズキのフラグシップモデルとして、新型が登場するとなれば記念すべき日がふさわしいでしょう。
そう考えると、スズキがに創業100周年を迎える2020年。
このタイミングで、新型 隼が登場するとみられます。
お披露目の場は、初代 隼や刀が発表されたドイツ ケルンで開催されるインターモト2020が有力です。
まとめ
排ガス規制により、惜しまれつつも生産終了となった隼ですが、3代目モデルは2代目よりもさらにパワーアップし、最高速記録を更新するバイクになることが十分に考えられます。
来年のスズキは、モーターサイクル部門で何かしらサプライズを発表してくれるはず!
その中で生まれ変わった隼がお披露目されることに期待しましょう。
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