カワサキは新型Z400/Z250を発表。昨年8月に登場した新型ニンジャ400をベースにストリートファイター仕様のネイキッドに仕上げ、販売終了となったZ300より大幅に戦闘力がアップしています。さらにZ1000やZ650と同じ『Sugomiデザイン』が採用され、顔つきは凛々しく全体的にアグレッシブなデザインとなりました。
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Z300から排気量アップの新型Z400と6年ぶりフルモデルチェンジのZ250が発売!
カワサキから新たなスポーツモデル、Z400とZ250が発売されました。
中身は去年8月にフルモデルチェンジされたニンジャ400と同等ですが、外観は今どきのストリートファイタースタイルに。
さらに、250ccクラスのZ250も6年ぶりのフルモデルチェンジが施され、Z400と共通のスタイルを採用しながら250ccの利点を生かし、多くのバイクファンから注目を集めています。
カワサキ・Z400/250とは
カワサキ Z400/250は、スーパースポーツモデルのニンジャ400とニンジャ250がベースのネイキッドモデル仕様モデルです。
カワサキはZ400/250を『スーパーネイキッド』としていますが、異形のアッパーカウルやサイドカウルを装着しているあたりはストリートファイタースタイルを意識しているとみられます。
もともとは、296cc水冷4ストローク並列2気筒DOHC8バルブエンジンを搭載したZ300を海外向けに販売していましたが、2018年をもって生産終了。
ニンジャ400が発売されてからネイキッドスポーツモデルを求める声が多かったため、それに応えるべくZ300を400ccまでスケールアップさせたZ400が発売されました。
また、Z250は初代モデルが2013年に登場し、今回の新型Z250は6年ぶりのフルモデルチェンジ。
中身は3代目ニンジャ250と同等ですが、外装はZ400と共通化されています。
Z400には上級グレードのZ400SEが設定される事がアナウンスされていますが、まだWebカタログにラインナップされていません。
そんなZ400SEには、LEDウィンカー、メーターカバー、アンダーカウル、フレームスライダー、ロングスクリーン、タンク、ニーパッドといったアクセサリーパーツが装備される予定です。
カワサキZシリーズ共通の『Sugomiデザイン』を採用
Z400/250のデザインはカワサキのデザインコンセプト『Sugomiデザイン』を採用しています。
2019年モデルZ650のデザインをZ400/250にも応用し、Sugomiデザイン独自の力感を内包した、緊張感と迫力を感じさせるデザインで、アグレッシブなイメージのアッパーカウルに埋め込まれたLEDヘッドランプは夜間走行時の高い視認性と広い照射範囲、輝度の大幅な向上を果たしました。
さらにサイドカウルは従来がよりコンパクトになり、トラスフレームのパイプ部分、エンジンのシリンダーヘッド、ラジエターなどが目視できるスッキリとした形状になっています。
エッジを効かせたデザインの燃料タンクはニーグリップ時のホールド感が高く、跳ね上がったシートカウルは現行のSSバイクを思わせるシルエット。
マシン前方への凝縮されたエキゾーストパイプや、排気口へ向けて段々と太くなるサイレンサーは、現在のトレンドに合わせたスタイルといえるでしょう。
エンジンにはニューアシスト&スリッパークラッチが採用され、従来よりも小径化したクラッチプレートと剛性を最適化したオペレーションプレートが搭載されたことによって、クラッチレバーが軽く、シフトダウン時の強烈なエンジンブレーキを抑制し、後輪でのトラクション低減を極力なくした減速が可能となりました。
ブレーキはZ1000から踏襲!
Z400/250のブレーキはZ1000と同サイズのφ310mmセミフローティングペタルディスクが装備され、シングルディスクでも十分な制動力を発揮します。
さらに新型ニンジャ400/250に搭載されたブレーキマスターシリンダー径や材質を最適化したブレーキホース、ABSシステムなど最新のブレーキパーツをZ400/250にも継承しているため、リニアなブレーキ操作を実現するだけでなく、急ブレーキや滑りやすい路面でのブレーキロックを防ぎ、安心感の高いブレーキ操作を可能にしました。
ハイパワーパラレルツインエンジンとH2譲りのトラスフレーム
Z400はZ300と比べて4.4kW[6PS]アップの33.4kW[45PS]、Z250では従来比4.5kW[6PS]アップの27.5kW[37PS]までパワーアップを果たしています。
これほどパワーアップできたのは、ダウンドラフト構造の吸気レイアウトの採用により吸気効率を向上させたことや、鍛造カムシャフトの採用、ギア類の肉抜き、クランクの軽量化、冷却経路の簡素化など、エンジン内の部品を軽量化した恩恵。
また、ニンジャH2にも搭載されるトラス形状のフレームの採用によりフレーム剛性の最適化と軽量化を実現し、Z400はZ300よりも3kg、Z250は従来より5kg軽くなっています。
さらに新型フレームではエンジン搭載位置を高くしたことで、ロングスイングアーム化をしつつもショートホイールベースとなっているため、Z300に比べても軽快なハンドリングが失われていない事もトピックです。
新型Z400とZ300を比較 | 新型Z250と従来型Z250比較 | |||
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新型Z400 | Z300 | 新型Z250 | 従来型Z250 | |
全長×全幅×全高(mm) | 1,990×800×1,055 | 2,015×750×1,025 | 1,990×800×1,060 | 2,015×750×1,025 |
ホイールベース(mm) | 1,370 | 1,405 | 1,370 | 1,410 |
シート高(mm) | 785 | 785 | 795 | 785 |
ライバル車とスペック比較
400ccツインのネイキッドスポーツモデルは、Z400以外には国産車で存在しません。
同カテゴリーモデルであったグラディウス400は生産終了となり、400Xはデュアルパーパスモデルのため、Z400は国産モデル唯一のツインネイキッドスポーツ。
また、Z400はライバルと価格で比較しても143,640~164,160円と安価で、一番軽量。
取り回しが楽で、魅力的なモデルです。
カワサキ・Z400 | スズキ・グラディウス400 | ホンダ・400X | ||
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最高出力(kW[PS]/rpm) | 35[48]/10,000 | 41[55]/11,000 | 34[46]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 38[3.9]/8,000 | 41[4.1]/8,500 | 38[3.9]/7,500 | |
車重(kg) | 167 | 206 | 196 | |
燃費(km/L) | 国土交通省届出値:定地燃費値[2名乗車時] | 32.0 | 40.0 | 41.0 |
WMTCモード値 | 24.8 | – | 28.3 | |
価格(円) | 667,440 | 831,600 | 811,080 |
400㏄とは対象的に、250ccツインエンジン搭載車はヤマハ、スズキから販売されており、ホンダの単気筒エンジンを搭載したCB250Rも加えれば激戦クラス。
値段も同価格帯ではありますが、Z250が高回転型エンジンで最も高い出力・トルクを発揮するため、一番スポーティーなモデルです。
カワサキ・Z250 | スズキ・GSR250 | ホンダ・CB250R | ヤマハ・MT25 | ||
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最高出力(kW[PS]/rpm) | 27[37]/12,500 | 18[24]/8,500 | 20[27]/9,000 | 26[35]/12,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 23[2.3]/10,500 | 22[2.2]/6,500 | 23[2.3]/8,000 | 23[2.3]/10,000 | |
車重(kg) | 164 | 183 | 142【ABS仕様は144】 | 166 | |
燃費(km/L) | 国土交通省届出値:定地燃費値[2名乗車時] | 37.0 | 40.0 | 44.5 | 37.7 |
WMTCモード値 | 27.2 | 29.2 | 33.7 | 27.2 | |
価格(円) | 597,240 | 456,840 | 503,280 | 534,600 |
まとめ
400ccクラスであれば4気筒モデルに注目しがちですが、ホンダ CB400とスズキ GSR400は約90万円とZ400に比べて高価格。
たしかに4気筒の力強い加速感とドッシリした安定感は乗っていて楽しく、安心感もあしますが、2気筒ならではの軽量コンパクトな操作感はZ400でしか味わえません。
数年前から125~250ccと251~400ccクラスで2気筒エンジンが勢力を高め、それをカワサキが先導していく構図が続いています。
それを考えれば、Z400/250はこれから購入しようとしているかたの期待を裏切ることはないでしょう。
むしろ想像以上の性能を、十分体感できる2台のはずです。
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