1980年代からのRVブームで『パジェロ』を大ヒットさせた三菱は、一度当たったブランドはなかなか手放さない体質もあり、大小各ジャンルで『パジェロ』シリーズを展開します。コンパクト部門には初代パジェロミニの小型車版パジェロJrが登場しましたが、その後継として1998年にパジェロイオが登場。日本やヨーロッパでの販売が終わった後もブラジルで長らく生産されていました。

 

三菱 パジェロイオ 3ドア / ©MITSUBISHI MOTORS CORPORATION. All rights reserved.

 

パジェロJr後継は軽自動車ベースから脱皮!新シャシーの『パジェロイオ』

 

三菱 パジェロイオ(画像はイタリア生産型ショーグン ピニン) / 出典:https://www.favcars.com/mitsubishi-shogun-pinin-images-290705-800×600.htm

 

三菱というメーカーは、一度ウケるとユーザーが望む限りひたすらその路線で新型車を出し続けるクセがあります。

それはある意味『2匹目のドジョウを狙い続ける保守的な体質』とも言えますが、ユーザーの希望はどうあれ後継車を開発せず、サッサと次の世代へ駒を進めてしまうメーカーもある中で、本当に買いたい車種を決め打ちで熱望するユーザーにとってはありがたいメーカーです。

80年代RVブームの起爆剤であり、パリ~ダカールラリーなどで三菱自動車のブランドイメージ向上へ大いに貢献したヘビーデューティ-4WD『パジェロ』もそんな1台で、1994年に軽自動車版の『パジェロミニ』を発売して以降、『パジェロシリーズ』を拡大し続けています。

 

三菱 パジェロイオ 5ドア ソレント/ 出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/innovation/history/year/1990/90_38.html

 

1995年にはパジェロミニをベースに1.1リッターエンジンを搭載した小型車版『パジェロジュニア』を発売。

翌1996年には『パジェロルーキー発売!』とCMが流れ、またパジェロシリーズかと思いきや、本家パジェロのショートボディにルーキーという新グレードが設定されただけだった、というちょっとした空騒ぎもあったほどです。

しかしその裏でパジェロジュニア後継として、本家パジェロよりはコンパクトな専用シャシーと新たなボディを得た『パジェロイオ』が実際に開発されており、1998年6月に発売されました。

なお、パジェロイオについて、かつては『2代目(新規格)パジェロミニがベース』と記載された文献が散見されましたが、三菱自動車公式『三菱車の歴史-年表-パジェロイオ』によれば明確に「軽自動車ベースではない。」と否定されています。

 

イオは1.8~2リッターエンジン搭載のパワフルな本格4WDとして誕生

 

三菱 パジェロイオ(画像はイタリア生産型パジェロ ピニン)  / Photo by mmphotography.it

 

パジェロイオは先代に当たるジュニアからシャシーもボディも一新。

3ドアショートボディだけでなく5ドアロングボディが設定可能となり、エンジンは当初1.8リッター自然吸気のGDI(直噴)、後にGDIターボや2リッター自然吸気GDIを搭載しています。

また、4WDシステム『スーパーセレクト4WD-i』はパジェロのスーパーセレクト4WDを簡略化したビスカスカップリング式フルタイム4WDシステムで、2WDモード(2H)も選べる事やフルタイム4WDモード(4H)ではスタンバイ4WDに近い感覚。

ただし悪路用4WDモード(4HLcか4LLc)を選択すると本格4WDとしての威力を発揮し、筆者が実際に砂地で試乗した際には、簡易的システムと言いつつスタックしにくい実力は確かにありました。

その後2002年9月に5ドア4WD車に仕様統一された際、1.8リッター自然吸気エンジンのみビスカスカップリング付きセンターデフ式フルタイム4WDへ変更されましたが、1.8リッターターボ/2リッター自然吸気エンジン車は最後までスーパーセレクト4WD-iが使われています。

 

三菱 パジェロイオ(画像はブラジルで継続生産されたパジェロTR4 ER2010年モデル)  / 出典:
https://www.favcars.com/photos-mitsubishi-pajero-tr4-er-2010-107276-800×600.htm

 

パジェロイオの大きな特徴は販売国近くで生産されたことで、ヨーロッパでイタリアのピニン ファリーナが生産を担当した関係で、販売国により『パジェロピニン』『ショーグンピニン』あるいは単に『ピニン』と呼ばれています。

なお、『モンテロイオ』など日本名と同じサブネームを使った例もありましたが、その場合『io(イオ)』が数字の『1.0』と紛らわしかったという逸話も。

ヨーロッパでの評判はイマイチだったのか、日本より早い2004年に生産を終了してしまい、日本国内版パジェロイオにピニンファリーナ仕様フロントグリルなどを装着した『ソレント』グレードもその年限りになってしまいました。

その一方で、2002年に生産を開始したブラジルでは『パジェロTR4』の名でかなり好評だったようで、なんと2014年までの12年間にわたり生産。

2010年モデル以降はオリビエ・ブーレイデザインの『ブーレイ マスク』が採用されて印象がかなり変わっています。

 

主なスペックと中古車相場

 

三菱 パジェロイオ 5ドア /  出典:https://www.favcars.com/mitsubishi-pajero-io-5-door-2000-07-wallpapers-290659-800×600.htm

 

三菱 H76W パジェロイオ 5ドアTR 2000年式

全長×全幅×全高(mm):3,975×1,680×1,690

ホイールベース(mm):2,450

車両重量(kg):1,410

エンジン仕様・型式:4G93 水冷直列4気筒DOHC16バルブGDI ICターボ

総排気量(cc):1,834

最高出力:118kw(160ps)/5,200rpm

最大トルク:220N・m(22.4kgm)/3,500rpm

トランスミッション:4AT

駆動方式:フルタイム4WD

中古車相場:11.9万~123万円

 

まとめ

 

三菱 パジェロイオ 3ドア / 出典:https://www.mitsubishi-motors.com/jp/innovation/history/year/1990/90_38.html

 

かつてあれほどあった『パジェロ』シリーズも次々と消え、現在日本国内で販売されているのは本家パジェロのロングボディのみとなってしまいました。

結局、コンパクトな本格4WDは日本市場で継続的な需要が無かったとはいえ、新型ジムニーシエラを見ながら「5ドアがあればな…。」と考えるユーザーは意外と多いのでは無いでしょうか。

今はまだパジェロイオの販売終了から5年あまりなので、大事にしているユーザーは乗り続けているかと思いますが、あと5年もすると『小型5ドアヘビーデューティー4WD』需要が出てきそうな気がします。

 

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