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いすゞのピックアップトラックはワスプ以来主力乗用車のフロントマスクを流用した形で作られていましたが、初めて専用デザインとなったのが1980年にモデルチェンジした2代目ファスターでした。引き続きシボレーLUVとしてシボレーS-10まで北米のGM小型トラックとして販売されたほか、いすゞ版とオーストラリアのホールデン版が輸出されています。

2代目いすゞ ファスター(輸出型いすゞKB) / Photo by RL GNZLZ
いすゞ初の専用デザインが与えられた小型ピックアップトラック、2代目ファスター

2代目いすゞ ファスター(輸出型いすゞ パップ) / Photo by c5karl
いすゞの小型トラックはベレットのフロントマスクを持つワスプ(1963年発売)、フローリアンのマスクを持つ初代ファスター(1972年)と、構造こそ堅牢なラダーフレームにボディを載せたトラックそのものでしたが、外観は乗用車ルックでした。
特に初代ファスターはGMが独自の小型トラックを開発するまでのギャップを埋める車種として、シボレー LUVの名で販売された事もあり、主要市場の北米でスポーティな小型ピックアップトラックとして好評を得ます。
しかし1980年にモデルチェンジされた2代目ファスターではめぼしいベース車も無かったためか、角ばったオリジナルデザインを採用。
GMでは1982年から独自車種として一回り大きなシボレーS-10を販売したため、2代目ファスターは北米だと2代目シボレーLUVとしては短命で、その後は主にいすゞ P’up(パップ)の名で、南米では引き続き2代目シボレーLUVとして販売。
また、オーストラリアではGM系列の『ホールデン』ブランドでホールデン ロデオとして販売されたほか、その他の地域ではファスターやKB、ベドフォードKBなどさまざまな名前で販売されました。
GMグループらしいフロントマスクにスッキリした『エアロダイナミックスタイル』

2代目いすゞ ファスター(輸出型いすゞKB) /出典: https://www.favcars.com/photos-isuzu-pickup-double-cab-kb-1984-88-117504-800×600.htm
2代目ファスターの特徴は、何といってもいすゞ小型トラック初のオリジナルデザインでしたが、GMグループの世界戦略で北米以外の地域ではGMグループが販売する小型トラックの中核をなすためか、シボレーS-10を小型化したような共通項の多いデザインとなっています。
角ばってはいるものの凹凸の少ないスッキリとした『エアロダイナミックスタイル』に、四角い規格型ヘッドライトを採用しながら無骨というより絞り込まれたフロントマスクはどことなくスポーティ。
エンジンは当初1.6リッターガソリンエンジンと2リッターディーゼルからスタートし、後にガソリンエンジンは1.8/2.0/2.3リッターへ、ディーゼルも2.3リッターへと進化しています。
また、ファスターの駆動方式はFRでしたが、4WDの派生車『ファスターロデオ』も初代に引き続き設定。
日本でのファスターはあくまで商用車然としたシンプルなカラーリングでしたが、ファスターロデオでは3色で塗り分けたアメリカンテイストとも言える派手なカラーリングも存在し、SUV色を強めています。
主なスペックと中古車相場

2代目いすゞ ファスター(輸出型いすゞ パップ) / Photo by Greg Gjerdingen
いすゞ KB41 ファスター 1980年式
全長×全幅×全高(mm):4,425×1,600×-
ホイールベース(mm):2,650
車両重量(kg):-
エンジン仕様・型式:G161Z 水冷直列4気筒SOHC8バルブ
総排気量(cc):1,584
最高出力:-kw(-ps)/-rpm
最大トルク:-N・m(-kgm)/-rpm
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古車相場:皆無
まとめ

2代目いすゞ ファスター(輸出型いすゞ パップ) / Photo by Greg Gjerdingen
日本ではトヨタのハイラックスや日産のダットサントラックの陰であまり目立つ存在では無かったものの、2代目ファスターは北米など世界市場でGMグループの小型ピックアップトラックとして、主力のS-10より一回り小さい扱いやすいサイズが好評でした。
ただ、ピックアップトラック版も独立荷台を持つ小型ボンネットトラックとしてもデザインは保守的で、特に単色の地味なボディカラーを選ぶと地味な業務用車そのもの。
3代目でSUVルックの垢抜けたデザインが採用されたため、フローリアンのルックスを持つ初代とSUVルックな3代目に挟まれた2代目ファスターは、歴代でもっとも地味な存在かもしれません。
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