国の治安維持に欠かせないパトカー。世界を見渡せば、ポルシェやランボルギーニ、さらには億越えハイパーカーまでさまざまなスーパーカーがパトカーとして採用されていて、警察官が羨ましく思えるほどです。今回はそんな世界中で走っている高性能パトカーをご紹介します。
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国内最強のパトカーが経済効果を生み出した
日本のパトカーは、大半がトヨタ・クラウンで、最近はスバル・レガシィも増えてきましたが、どれも同じような雰囲気でパッとしない印象です。
といっても、警視庁がウン千万円もするスーパーカーを導入すれば「税金の無駄遣いだ!」と国民から批判されてしまいます。
しかし、オーバースペックの高額車両を警察車両に導入することは、税金の無駄遣いとは言い切れないのです。
国内最強のパトカーといっても過言ではない、栃木県警が配備した日産 GT-Rのパトカーは多くの寄付金により導入が実現した1台でしたが、GT-Rのパトカーがお披露目されたイベントには、多くのメディアが取材に訪れたり栃木県以外の遠方から観客が訪れるなど、県のPRと経済効果をもたらしました。
また、過去にはホンダ NSXや三菱 GTO、最近では警視庁の高速機動隊にフェアレディZを導入することで、地方自治体や警視庁にとってのPRになっています。
億越えスーパーカーが目白押し!UAEのパトカー
UAEは『United Arab Emirates』の略で、アラブ首長国連邦です。
UAEは7つの首長国で構成され、そのなかでもドバイは高級リゾートや高層ビル、大型ショッピングモールが立ち並ぶ、”お金持ちの国”。
そんなドバイの警察が導入するパトカーはスーパーカーの宝庫で、取締りのためというよりは国のPRや観光客を楽しませるための導入となっています。
ブガッティ・ヴェイロン[ドバイ]
The police acquiring super cars as such is more of a publicity stunt & tourist attraction gimmick than an absolute need for speed. pic.twitter.com/xDwon4GFt0
— Muzukulu Wa Bosiko (@mokawooya) August 2, 2017
ドバイ警察はこれまで、新型スーパーカーが出るたびに導入し、パトカーにしてきた過去を持つ、世界一お金を持っている警察組織と言えるでしょう。
2013年には、当時世界最速のハイパーカー、ブガッティ・ヴェイロンを導入。
ドバイの大金持ちが所有する車はどれも超高額のスーパーカーばかりなので、速度違反車両の取り締まりも世界最速なら追跡可能と言うことなのでしょうか。
ライカン・ハイパースポーツ[アブダビ]
日本でUAEといえばドバイが話題になりがちですが、首長国のひとつであるアブダビのラグジュアリーさも負けていません。
アブダビ警察がパトカーに導入したクルマは、Wモーターズ ライカン ハイパースポーツ。
聞きなれないメーカーですが、Wモーターズは2012年にレバノンのベイルーイで設立された新興スーパーカーメーカーで、現在はドバイへ本拠地を移しています。
ポルシェのチューニングメーカーRUFにより製造される水平対向6気筒ツインターボエンジンをリアミッドシップに搭載し、最高出力760馬力、最大トルク101.7kgを発揮。
最高速は395km/hに達するハイパーカーです。
映画『ワイルドスピード・スカイ・ミッション』のなかでも、ライカン・ハイパースポーツのレプリカが仕様されていました。
価格は340万ドルで、日本円にして約3億7,000万円する超高額ハイパーカーです。
アメリカのパトカー
アメリカは自動車メーカーのビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)を擁するため、パトカーにも3メーカーのモデルが採用されることがほとんどです。
ドイツやイタリア、イギリスなどのスーパーカーが導入されることはかなり稀ですが、ロサンゼルス市警察ではBMW i8やガヤルドが高速道路部隊のパトカーとして活躍しています。
テスラ・モデルS[米国]
The Fremont Police Department dropped $61,000 on a Tesla Model S as part of its pilot program to test how an electric vehicle would function out in the field. It'll replace their old 2007 Dodge Charger cop car https://t.co/kLIKHQ1k73 pic.twitter.com/ASQ1qJPckI
— Joel Franco (@OfficialJoelF) January 27, 2019
近年、パトカーに電気自動車やプラグインハイブリッドを導入する国が徐々に増えており、カリフォルニア警察はテスラ モデルSを導入しました。
テスラならカタログ上で約500kmの走行が可能ですが、国土の広いアメリカだけに、日本のパトカーよりも遥かに長距離を走るはず。
また、電気自動車は高速で逃げる犯行車両を追い続けるとバッテリーの消耗が激しく、カリフォルニア警察は犯人追跡中にバッテリー切れになって犯人を取り逃がすことも。
そのため、パトカーには航続距離を延長させるための予備バッテリーを搭載するなど、何かしらチューニングを施さなければならないようです。
ダッジ・バイパー
Police Car – 2000 Dodge Viper – Illinois – USA pic.twitter.com/D2cxT5QMqc
— Rubens Custodio (@CustodioRubens) April 1, 2016
このダッジ バイパーのパトカーは、かつて違反者が乗っていた車両でした。
2006年3月、米国 イリオイ州の警察は、最高速度35マイル(約56km/h)の道で127マイル(204km/h)で走行していたダッジ バイパーを検挙し、車両を没収。
そして、このバイパーは警察がパトカーに改造し、ハイウェイパトロールに使っているのです。
日本では考えられない話ですが、愛車を没収された違反者も複雑な気持ちでしょう。
スーパーカーの宝庫!欧州のパトカー
@fastlanedaily #FLDQoftheD My town's Subaru WRX STi police car is pretty cool. Itasca, IL pic.twitter.com/5FFO3cDbKm
— Jose Llenos (@Jllenos) April 12, 2016
欧州各国の警察も、多くのスーパーカーをパトカーに採用しています。
特に自動車メーカーが多いイタリアやドイツ、イギリスでは、高性能スポーツカーベースのパトカーが多数走行してます。
また、イギリス警察は三菱 ランエボXやスバル WRX STiもパトカーに導入し、日本製スポーツカーの活躍も目立ちます。
ランボルギーニ・ガヤルド[イタリア]
イタリア国家警察は、2004年にローマ警察、2005年にボローニャ警察にランボルギーニ ガヤルドをパトカーとして配備。
高速道路のパトカーとして任務を果たし、走行距離はそれぞれ13万9,000km、9万9,000kmに達しています。
イタリア車は壊れやすいというイメージがあるかもしれませんが、ランボルギーニはアウディ傘下になったことからガヤルドはランボルギーニとアウディの共同開発により生み出され、耐久性が向上。
しっかり整備をすれば、ランボルギーニでも10万km以上は走行できることをイタリア国家警察は証明してくれました。
Porsche 918 Spyder[オランダ]
オランダは、長年ポルシェを警察車両に導入し、911の先代モデルである365から国家警備隊のパトカーに使用してきました。
そんなオランダ国家警察が導入した最新のパトカーが、ポルシェ 918スパイダーです。
ポルシェ918は、4.6リッターV型8気筒エンジンとモーター、バッテリーを搭載したプラグインハイブリッド車両で、0-100km/h加速2.8秒、最高速度345km/hを発揮。
販売台数は918台限定で稀少価値が高く、価格も日本円で約1億円もするプレミアムスパーカーです。
そんな車をパトカーにするなんて、オランダ警察はポルシェを愛してやまないのでしょう。
まとめ
パトカーは運転していて一番出くわしたくないクルマですが、今回紹介したパトカーを見ると興奮してしまいます。
しかし、後ろにつかれたら最後。逃げきれないことは確実です。
これら海外のパトカーに比べたら、GT-Rはまだ可愛いものかも?!(笑)
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