デビュー時からスポーツ走行を楽しむオーナーが多かったZC33S型のスイフトスポーツですが、神奈川県横浜市のパーツメーカー『レイル』もスイフトスポーツのチューニングに、いち早く取り掛かったメーカーのひとつです。腕自慢がこぞって筑波サーキットコース2000でそのタイムを競い合い、切磋琢磨しています。そんな中、新型スイスポをラジアルタイヤで1分4秒台に突入させたのが、レイルでした。今回はそんなレイルが所有するデモカーをご紹介。レイル流の走れるスイスポづくりを学んでみましょう。

text:Masamichi Okutsu / photo:Takanori Arima

筑波1分4秒台に踏み込んだデモカー

ZC33S型のスイフトスポーツが発売されてから、1年が経とうとしています。

そのたった1年で、スイフトスポーツは、手掛けるショップやメーカーの精力的な開発により、驚くほどの速さを身に付けるに至っています。

現在、筑波サーキットコース2000では、ラジアルタイヤで1分4秒台を記録するデモカーが何台かおり、ここで紹介するレイルのデモカーもその1台。

それどころか、初期段階で1分4秒台に突入したのが、このクルマでした。

各部ディテール紹介

そんな速さを生み出すクルマの仕様は、足まわり、LSD、ブレーキ、ECU、そしてレイルならではのボルトオン補強パーツなどが主な変更点。

足まわりは、KYBベースのオリジナル車高調で、スプリングはフロント14㎏/㎜、リア12㎏/㎜とサーキットを見越したややハードなレートセットとなっています。

さらに、ロアアームの補強や、ブッシュ類はピロブッシュに変更されるなど、サーキット走行に必要な部分には、しっかりと手が入れられています。

エンジンはオリジナルのエアクリーナー、フジツボのマフラーなどの吸排気系強化に加え、ECUによるブーストアップを実施。出力は実測で、160psに達しています。

そして、やはりレイルと言えば見逃せないのが補強バーの存在。

前後のタワーバーや、フロアバー、ピラーバーなど、全部で7種類が装着されていますが、これらはもちろん、補強によって高い効果が得られる部分に設定されています。

また、ZC33スイフトスポーツは驚くほどの軽さが自慢ですが、反面、競技などで使うには、剛性が不足気味な部分もあり、簡単に取り付けられる補強バーでも体感できるほどの効果が得られると言われています。

そんななか、レイルではZC33でダートトライアルに参戦しており、競技車両の製作、競技への参戦で得られたノウハウをベースに、こうしたパーツの開発が行われているので、さらに効果が体感できるパーツと言えるでしょう。

タイヤは、タイムアタックの定番銘柄、ヨコハマタイヤの『ADVAN A052』にAPレーシングのキャリパーでストンピングパワーを強化。

補強パーツは高い効果が得られますが、強度が高まったボディに合わせて足まわりやLSDをセッティングしていることも、このクルマの速さの要因です。

さらに、とりわけ厳しいといわれる最終コーナー対策に、リアのスプリングレートをアップ。

ウイングの装着なども検討されていますが、それらの追加変更で3秒台突入は確実で、さらなるタイムアップをはかるために、ターボをブリッツ製のキットへ変更。

ECUのセッティングがまだなので、取材時点では本領が発揮できる状態にはなかったものの、セッティングが終われば180ps程度のパワーとなる予定で、どれだけのタイムが刻まれるのか、要注目です。

そんなレイルの製品は、サーキットでの速さをひとつの指標に開発が続けられてきましたが、ユーザーからかけ離れたクルマになっては意味がないので、タービン交換で大きいチューンアップはひと段落の予定。

しかし、開発の手は止まらず、継続して商品開発をおこなうとのこと。
このクルマが歩んだステップを真似すれば、同じ速さが得られる模範的な1台です。
(※2019年3/17に筑波サーキット・コース2000でおこなわれた「ハイパーミーティング」内走行枠にて1分3秒396というレコードを記録。)

取材後、タービン交換や足回りのセッティングの見直し、空力パーツも導入してのタイムですが、ZC33Sの公式記録にて3秒台に突破したのは、レイル初の快挙です。

また、インテリアパーツが充実しているのもレイルの特徴の一つで、現在ZC32S用として発売しているリバースノブも、実はZC33Sにも流用が可能となっています。
(※純正シフトノブとの併用はできないためシフトノブもレイル製に変更する必要があります。)

ショップ情報

レイル

住所:神奈川県横浜市戸塚区平戸町335
TEL:045-824-1835
FAX:045-824-1652
E-mail:customer@laile.co.jp
HP:http://laile.co.jp/

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