オーストラリア、ニューサウスウェールズ州ウロンゴン出身のロードレーサーで、ロードレース世界選手権500ccクラスの1987年チャンピオン!パワースライドを駆使した豪快なライディングスタイルとロスマンズ・ブルーのマシンカラーから「ブルー・サンダー」そして「8耐男」という異名を持つレジェンド、”ワイン・ガードナー”を知っていますか?

出典:http://ridertua.com/2015/10/19/inilah-gardner-straight-trek-lurus-yang-bantu-iannone-raih-podium/

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ワインガードナー:プロフィール

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名前:ワイン・ミシェル・ガードナー(Wayne Michael Gardner)

生年月日: 1959年10月11日

出身地:オーストラリア、ニューサウスウェールズ州ウロンゴン

17歳のときに、父親が経営する会社で働き、YAMAHA TZを購入。

21歳になる1980年、オーストラリア国内レースでモリワキエンジニアリングの代表である森脇護氏に才能を見出されます。

翌年1981年には、モリワキからイギリス国内のTT-F1に参戦するとともに、3月にはAMAのデイトナスーパーバイククラスに出場しZ1R-IIで4位入賞を獲得。

6月には全日本選手権の鈴鹿200kmレースで優勝。

この年の鈴鹿8時間耐久ロードレースでも、モリワキ・モンスターに乗り驚異的な予選タイムを記録し、決勝レースで60周回目に首位に立つが、同周回のスプーンカーブで転倒。

結果はリタイアとなってしまいますが、着々と周囲に実力を認知されていきます。

そして1983年、第8戦オランダGPでロードレース世界選手権(WGP)デビュー!

そんなWGP初参戦のレースで、前年度チャンピオンのフランコ・ウンチーニの転倒に巻き込まれてしまいます。

転倒したウンチーニと同じ方向に回避したガードナーのマシンの前輪がウンチーニのヘルメットを直撃し、意識不明で病院に搬送されてしまいます。

レース結果は転倒リタイアでした。

1984年は市販のホンダ・RS500を駆り、プライベーターとして再びWGPにスポット参戦。

ワークスチームに比べ戦闘力が劣るマシンながらシーズンランキング7位を獲得します。

そして1985年、UKホンダに起用され、3気筒のNS500に乗りセミワークスライダーとしてWGP本格参戦を開始します。

 

ワイン・ガードナー:レース戦歴

出典:http://japaneseclass.jp/trends/about/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%8A%E3%83%BC

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ロードレース世界選手権

1984年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 7位 (ホンダ・NS500)

1985年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 4位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1986年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 2位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1987年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 1位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1988年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 2位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1989年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 10位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1990年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 5位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1991年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 5位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

1992年 ロードレース世界選手権 500㏄クラス ランキング 6位 (ロスマンズ・ホンダ・NSR500)

 

鈴鹿8時間耐久レース

1981年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (モリワキ・レーシング・モリワキ・モンスター)

1984年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (ホンダ・RS750R)

1985年 鈴鹿8時間耐久レース 決勝 1位 (チームHRC・ホンダ・RVF750)

1986年 鈴鹿8時間耐久レース 決勝 1位 (チームHRC・ホンダ・RVF750)

1987年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (ロスマンズ・ホンダRT・ホンダ・RVF750)

1988年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (チームHRC・ホンダ・RVF750)

1989年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (チームHRC・ホンダ・RVF750)

1990年 鈴鹿8時間耐久レース リタイア (OKI ホンダRT・ホンダ・RVF750)

1991年 鈴鹿8時間耐久レース 決勝 1位 (OKI ホンダRT・ホンダ・RVF750)

1992年 鈴鹿8時間耐久レース 決勝 1位 (OKI ホンダRT・ホンダ・RVF750)

1987年のロードレース世界選手権 500㏄クラスチャンピオンであり、鈴鹿8時間耐久レースでも4度のタイトルを獲得。

パワースライドを駆使した攻撃的でアグレッシブな走りが人気のワイン・ガードナーは、その強さから、エディ・ローソン、ウェイン・レイニー、ケビン・シュワンツとともにロードレース界の「四強」と称されています。

 

ワイン・ガードナーのアグレッシブすぎるライディングスタイル

1989年鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権

1989年第2戦オーストラリアGP

https://youtu.be/aFpfVqjgHY8

1987年WGP500ccスペシャルドキュメンタリー

 

引退。そして4輪へ

1987年にシーズン7勝を挙げ、オーストラリア人初のWGP500ccクラスチャンピオンを獲得したワイン・ガードナー。

翌年1988年はシリーズ4勝を挙げるも、エディー・ローソンにタイトル奪還を許してしまいましたが、ランキングは2位。

誰もが翌シーズンのタイトル奪還を期待していたと思います。

しかし1989年、第2戦アメリカGPで右足骨折の重傷を負い、早々とタイトル争いから脱落してしまいます。

以後、この時の怪我がひびき、満足に戦えない状態が続いた事により、ホンダのエースの座を同郷の後輩マイケル・ドゥーハンに譲る事に。

その後1991年、鈴鹿8耐で5年ぶりに優勝を果たしますが、WGPでは未勝利に終わります。

翌年1992年、開幕戦日本GPでまたも右足を骨折し欠場。

そして遂に、そのシーズンの第11戦イギリスGPで、1992年シーズン終了後の引退を発表するのです。

 

出典:http://ms.toyota.co.jp/

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WGP引退後は四輪レースに転向します。母国でワイン・ガードナー・レーシングチームを結成し、V8スーパーカーやル・マン24時間レースに挑戦。

そして、1996年からは全日本GT選手権(現スーパーGT)にトヨタ・スープラで参戦し、1999年、2001年にそれぞれ1勝を挙げるも、2002年シーズンをもって現役レース活動を終了します。

 

まとめ

アグレッシブすぎる攻めた走りで全ての人を魅了させ続けたワイン・ガードナー。

念願のワールドタイトル獲得後、怪我が続き引退を余儀なくされてしまうが、その後も4輪レースに転向するなど、変わらない行動力とチャレンジ精神を示し続けてくれる彼の生き様に憧れずにはいられません。

出典:http://www.motogp.com/

出典:http://www.motogp.com/

そんな、ワイン・ガードナーは現在、息子のレミー・ガードナーをライダーとして育てるべく、彼の地元であるオーストラリアで「チームガードナーレーシング」を結成し、自らオーナー兼監督を務めているそうです。

そして、2013年に彼のレースキャリアの為にオーストラリアからスペインに家族で移住します。

偉大なる父親の英才教育のもと、レミー・ガードナーは2014年に世界選手権Moto3クラスに3回(ミザノ、フィリップアイランド、セパン)ワイルドカード参戦し、2015年は『CipMoto』から、チームのマヒンドラ機で同クラスにフル参戦をしました。

そしてついに、2016年は、『Tasca Racing Scuderia Moto2』チームから成績不振が続いていたアレッサンドロ・トヌッチの代役としてMoto2クラス第7戦カタルニアGP以降の参戦が決定!

初戦の結果は19位とMoto2クラス初参戦にして初のポイント獲得を達成しました。

ガードナーが育てるガードナー純血の後継者!これからのこの親子の活躍に大注目です!

 

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