今年も残すところ後5戦となったロードレース世界選手権(MotoGP)。ヤマハ、ホンダ、スズキ、ドゥカティ、アプリリアの5メーカーと、ワークスマシンの貸与等を受けられるサテライトチームが切磋琢磨し開発した4ストローク1000ccのマシンを使い、しのぎを削りあうこの世界最高峰ロードレースでいったいどんなマシンが使われているのか。各メーカー、そしてチームが開発したプロトタイプ(レース専用)マシンを紹介していきたいと思います。
レギュレーションでの共通項目は、全車への共通ECU(エンジン・コントロール・ユニット)の搭載。
そして年間使用エンジン数は7基(2013年以降参戦のメーカーは条件付きで9基)。
最低車体重量は157kgで、燃料タンク容量は22リットル。
タイヤはミシュランの17インチとなっています。
CONTENTS
現在ランキングトップ!Repsol Honda Team:RC213V
現在223pointでランキングトップ!Repsol Honda Teamから参戦中の#93 Marc Marquez(マルク・マルケス)が駆るRC213V。
RC213Vのスペック
全長×全幅×全高(mm):2052×645×1110
エンジン:水冷4ストローク V型4気筒 DOHC4バルブ
重量:157kg以上
最大出力:244ps以上
サスペンション(前):テレスコピックフォーク
サスペンション(後):プロリンク
ホイール(前):17インチ
ホイール(後):17インチ
フレーム:アルミツインチューブ
2016年仕様のシャーシは、その剛性バランスを修正し、旋回性と安定性を最大限生かせるよう設計されました。
また、車体には超軽量と高剛性を両立する、軽量カーボンファイバーを採用。
そしてフロントとリアのサスペンションにはオーリンズ、フロントブレーキにはブレンボ製のカーボンブレーキが装着されているのです。
HONDA RC213VでMotoGPに参戦中のライダー
#26 ダニ・ペドロサ(ランキング5位)
#35 カル・クラッチロー(ランキング8位)
#43 ジャック・ミラー(ランキング17位)
#53 エステべ・ラバト(ランキング20位)
#93 マルク・マルケス(ランキング1位)
やっぱり気になる!Movistar Yamaha MotoGP:YZR-M1
現在ランキング2位。
MotoGP参戦通算20年中優勝数は112勝という進化し続ける伝説のライダー!ヴァレンティーノ・ロッシが駆るYAMAHA YZR-M1。
YZR-M1のスペック
全長×全幅×全高(mm): –
エンジン:水冷4気筒クロスプーンエンジン
重量:157kg
最大出力:240ps以上
サスペンション(前):テレスコピックフォーク
サスペンション(後):プロリンク
ホイール(前):17インチ(鍛造マグネシウム)
ホイール(後):17インチ(鍛造マグネシウム)
フレーム:アルミニウムツインチューブ デルタボックス
開幕時点では2015年度のM1から大きな変更点は無かったが、今年からレギュレーション変更となったECUの共通化やミシュランタイヤの使用に合わせ少しずつ進化してきた2016モデル。
サスペンションはフロント、リア共オーリンズ製を採用、ブレーキはブレンボ製のフロントカーボンディスクを使用しています。
YAMAHA YZR-M1でMotoGPに参戦中のライダー
#99 ホルヘ・ロレンソ(ランキング3位)
#46 バレンティーノ・ロッシ(ランキング2位)
#38 ブラッドリー・スミス(ランキング18位)
#44 ポル・エスパルガロ(ランキング9位)
MotoGP復活2年目!SUZUKI:GSX-RR
MotoGP復活2年目にして、現在マーベリック・ビニャーレスが駆りランキング5位。
休止していたブランクを全く感じさせない走りで周を圧巻し続けているGSX-RR。
GSX-RRのスペック
全長×全幅×全高(mm):2096×720×1140
エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
重量:157kg以上
最大出力:240ps以上
サスペンション(前):オーリンズ製倒立フォーク
サスペンション(後):オーリンズ製
ホイール(前):17インチ
ホイール(後):17インチ
フレーム:アルミニウムツインスパー
前年と大きな変更点は無いものの、トランスミッションにはライダー達の強い要望により6速シームレスギアボックスが装備されました。
SUZUKI GSX-RRでMotoGPに参戦中のライダー
#25 マーベリック・ビニャーレス(ランキング5位)
#41 アレイシ・エスパルガロ(ランキング12位)
※ランキングは2016年9月19日現在
目が離せないダークホース!DUCATI:Desmosedici GP
フロントから突き出した羽(ウィングレット)が象徴的だったDesmosedici GP。
16年モデルはレギュレーションでウイングレットの先端を尖らせる事が禁止となった為、よりいっそう航空機のようなシルエットとなりました。
Desmosedici GPのスペック
全長×全幅×全高(mm):-
エンジン:水冷4ストローク90度V型4気筒DOHC4バルブ
重量:157kg以上
最大出力:245ps以上
サスペンション(前):オーリンズ製
サスペンション(後):オーリンズ製
ホイール(前):17インチ
ホイール(後):17インチ
フレーム:アルミニウムツインスパー※ミッションにはDucati Seamless Transmission (DST_EVO).を搭載
Desmosedici GPでMotoGPに参戦中のライダー
#04 アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ランキング6位)
#29 アンドレア・イアンノーネ(ランキング7位)
根強い人気!aprilia:RS-GP
2015年モデルより10kg近く軽量化された今季のRS-GP。
細かい仕様は公開されていませんが、75度V4エンジン・逆回転クランクシャフトが採用されているそうです。
aprilia RS-GPでMotoGPに参戦中のライダー
#19 アルバロ・バウティスタ(ランキング15位)
#6 ステファン・ブラドル(ランキング16位)
まとめ
ECUソフトウエアの共通化やタイヤサプライヤーの変更という大きなレギュレーション変更が適応された1年目。
開幕前に予想されていた程の大きな順位の入れ替えは起こらなかったものの、各メーカー手探り状態でまだまだ開発途中である2016年モデルのGPマシン達。
ここ数年間のHONDA(RC213V)とYAMAHA(YZR-M1)の快進撃にSUZUKI(GSX-RR)がどこまで食い込んでいけるのでしょうか。
残り5戦も目が離せない戦いとなる事間違いなしです。
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