GT300編
Renault Sport Spider
1997年シーズンに突如として現れたオープンタイプのレーシングマシン。
ルノー・クリオの輸入販売を手掛けていたSiFo(シーフォ)がワンメイクレース用のスピダーを改良してJGTCに挑みました。
「ソットバン」と呼ばれるタイプをベースとしており、フロントウィンドウの無いスタイルが特徴的です。
2リッター直列4気筒エンジンを後方に搭載し、しかもこれは当時WRCを走っていたクリオF2キットカーのF7Rという高回転型自然吸気エンジンを転用したものだとか。
結局は第6戦SUGOのみの出場となりましたが、今でもGTファンに「GTに出てた珍しいマシンは?」と質問すると高確率で回答に挙がるマシンです。
まさに記録よりも記憶に残るマシンといったところでしょうか。
ドライバー:玉本秀幸・砂子智彦・おくやま道子・吉富章
Toyota Cavalier
JGTCに出場していたFFマシンと言えば三菱FTOのイメージが強いのですが、実はトヨタ キャバリエも走っていたんです。
スーパーツーリング規定のマシンをクラフトがリメイクし、1997年の第4戦富士から投入しました。
エンジンは自然吸気の2リッター直列4気筒、3S-GE。
自然吸気でも約300馬力を絞り出してしまうあたりは、JTCCからのノウハウが注ぎ込まれていたのでしょう。
女性ドライバーの佐藤久美選手が駆った事でも話題を集めましたが、第5戦富士では4位入賞を果す等、そこそこ速さを見せたキャバリエ。
2年目の1998年には三原じゅん子選手と佐藤久美選手の女性コンビも誕生しました。
ドライバー:佐藤久実・田中実(1997)/佐藤久美・三原じゅん子(1998)
Toyota Sprinter Trueno (AE86型)
こちらもクラフトが製作したAE86トレノのJGTC仕様。
市販車の販売終了から12年が経過した1999年にGTデビューを果たしました。
当時爆発的人気を誇っていたコミック「頭文字D」の影響もあり、参戦に際しては注目度抜群!
86トレノの皮を被った最新レーシングマシンとも言われ、各所に専用開発のパーツが盛り込まれています。
特にリアセクションに関してはフォーミュラカーのような構造となっており、市販車の面影は一切なし。
実際にサスペンションはF3マシンの物を流用していました。
エンジンはGT500クラスでも使用されている2リッター直列4気筒ターボの3S-GTを搭載し、330馬力を発生。
ドライバー:田中実・雨宮栄城(1999)/田中実・松田晃司(2000)
Mitsubishi Mirage
1996年の第2戦富士に「ポールリカール・エイメイ・ミラージュ」として出場した三菱ミラージュ。
ランサーエボリューションの4G63(2リッター直列4気筒ターボエンジン)を搭載しており、駆動方式はFF。
ベースとなっているのはワンメイクレース用のカップカーです。
あまりにもレアすぎて詳細なデータが残っていないようですが、予選タイムはトップから4秒ほどのギャップで、決勝は7周でリタイアしています。
FFのGTカーとしてはラリーアートが開発に携わったFTOですら操縦性の向上に苦戦していた事を考えると、プライベートチームから出走したミラージュはいったいどんな乗り味だったのでしょうか?
ドライバー:永井明・小粥高茂(1996)
まとめ
長い歴史の中で点々と登場する珍しいレーシングマシンたち。
今回ご紹介した中に「こんなの知らなかった!」というマシンはありましたでしょうか?
必ずしも良い結果を残しているわけではありませんが、なぜかとてつもなく気になってしまうんですよね。
JGTCには他にもご紹介出来なかったマニアックなマシンがたくさん参戦していたので、是非皆さんで探してみてください。
きっと当時の思い出が色々と蘇ってきますよ!
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