立川監督「国本の強い気持ちがチームを引っ張っていった」

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

2010年に全日本F3王者に輝き、2011年に国内トップフォーミュラにデビュー。直下のF3を制しているだけに周囲の期待も高かったが、それに反してなかなか結果が出ないレースが続いた。そんな中、1度目の主役となったのが2013年の富士スプリントカップ。予選、決勝ともに力強い走りを見せ優勝。ただシリーズ戦ではないため公式記録としては残らなかったが、彼にとっては次につながる非常に大きな勝利だった。

しかし、2014年からチームメイトとなった石浦が昨年チャンピオンを獲得。その一方で国本はなかなか結果が出ない苦しい日々を過ごすことになった。その悔しさが今年の原動力になっていたという。

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

「昨シーズンは石浦選手がチャンピオンをとって、自分は不甲斐ない結果で、すごく苦しいシーズンを過ごして、今年こそはと思ってシーズンオフから色んなことにトライして全てを変えなきゃいけないと思って挑んだ今シーズンでした。開幕戦から2位をとることができて、第5戦岡山の2レース目で優勝することができて、今年やってきたことが少しずつ結果に表れてきたことが実感としてもあったし、それもまた自分の中でも自信がつきました。最後も絶対にチャンピオンとってやるっていう強い気持ちで鈴鹿に入ったし、たくさんのことを準備してきました。第1レースでは最高のスタートができて、第2レースは上手くいかないレースだったんですけど、周りの状況を冷静に見ながら自分のレースをすることができました」

「昨年悔しい思いをした分、このシリーズタイトルが、すごく…重みがある感じがしますし、すごく嬉しいです。本当に……多分、昨シーズン最終戦が終わって来年誰がチャンピオンとるかなって予想すると思うんですけど、(その時は)誰も僕のことを予想している人はいなかったと思います。でも、自分は…絶対にとってやるんだという強い気持ちがあったから、こうやって獲得できたし、たくさんの方が常に支えてくれて応援してくれたので、この結果になったのかなとなったと思います。本当に長くてつらいシーズンでしたが、こうやって最後に勝つことができて嬉しいですし、ホッとしています。ありがとうございました」

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

また立川祐路監督は今年にかける国本の思い。そして昨年までには見られなかった積極的な部分など、変化が見られたという。

「昨年、チームメイトの石浦がチャンピオンをとって、国本としては今年も同じような結果だったらドライバー人生が終わるというくらいの想いだったと思います。その辺の意気込みは感じていたし、昨日の予選が終わった後も、石浦が1位で国本が2位という状況で、一番悔しがっていたし。スタートでは絶対負けないと言っていたので、そういう気持ちの部分がこっち(チーム側)に伝わってくることが強かったです。第1レースでもスタート決めて1周目帰ってきたら雄叫びをあげていましたかね。それだけチームに気持ちが伝わってくると、メカニックもそうだし僕たちも何とかしてやらなきゃと思ったし、チームが一丸となりました」

「そうやってドライバーが雰囲気を作るというのは、ものすごく大事なこと。昨年までは与えられた環境に沿って普通に乗っているようにも見えたんですが、今年は自分で何とかするという強い意識を持っていたので、それにみんなが引っ張られてチームのみんなが頑張るという相乗効果があったというのが、よかったです」

 

チャンピオン獲得の真の原動力は「国本自身の強い気持ち」

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

ご存知の通り、モータースポーツは人がマシンを操って一番を競うレース。カテゴリーによってはマシンの性能差で順位が決まることも少なくないため、ドライバーの技量に注目がいかない場面も少なからずある。

しかし、そのマシンを操っているのは“人”であり、そのマシンをメンテナンスしているのも“人”。レース戦略もチームを統率するのも、全て“人”なのだ。

その“人”たちを引っ張って、チャンピオン獲得に向けて限界まで頑張ろうという思いにさせた国本。「自分で何とかするんだ」という強い気持ちこそが、チャンピオンの原動力だったのかもしれない。

 

まとめ

Photo by Tomohiro Yoshita

Photo by Tomohiro Yoshita

これで、来年のカーナンバー1は国本の手に渡る。

まだ、これを語るのは時期尚早だが、来年はスーパーフォーミュラを代表するドライバーとして、どんな活躍をみせるのか。

シーズンが終わったばかりだが、早くも来年4月の開幕戦が楽しみだ。

[amazonjs asin=”B01LTHMOYW” locale=”JP” title=”スーパーフォーミュラ 2016総集編 DVD”]