ダートラにはどのようなクルマが出場する?

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一口に「ダートラに出られるクルマ」といっても年代やイベントの格式で異なりますが、今回は2016年全日本ダートトライアル選手権のクラス区分からご紹介しましょう。
かつてスズキやダイハツ、さらにスバルまでが割って入って激しい軽自動車バトルが繰り広げられていた頃であれば、スズキアルトワークスRやスバルヴィヴィオRX-RA、ダイハツミラX4、ダイハツストーリアX4など安く購入可能なベース車がありました。
しかし、それらのメーカーが相次いでモータースポーツ活動から撤退してしまうと、ダイハツブーンX4を最後に安価な小排気量ベース車は参加者も減って、参加クラスごと無くなってしまっています。
とはいえ、今でもランエボを除けばバラエティ豊富なマシンが走っていますよ!
PN1クラス

出典:http://himaob7.kagebo-shi.com/
排気量1,600cc以下・2WDのPN車両。
なお、PN車両とは安全装備やデフ、タイヤ、ショックなど最低限の装備を除けばほぼノーマルです。
スズキの1,600cc新旧スイフトスポーツが主力車種で、加えて1,500ccのホンダ フィット、CR-Z、それにマツダ の新旧デミオ(1,500ccガソリン)が参戦しています。
全般的にはスズキスイフト(ZC32S)が有利ですが、旧型のZC31スイフトやCR-Zも勝利を挙げています。
PN2クラス

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排気量1,600ccを超える2WDのPN車両。
ただしFIA / JAF公認年、またはJAF登録年が2012年1月1日以降の車両。
主力は2リッターFRのトヨタ 86 / スバル BRZですが、そこにマツダの1,500ccディーゼルターボ現行デミオディーゼルターボと、こちらはガソリンの1,500ccターボである現行ヴィッツGRMNが絡むという面白い構図。
しかもデミオやヴィッツは幾度となく優勝・上位に来ていますから、軽量大トルクのFFがFRの86 / BRZを相手に大活躍です。
N1クラス

出典:http://mos.dunlop.co.jp/
2WDのN車両。
N車両はPNより若干改造範囲の広いスーパーノーマル的車両です。
1,800ccのホンダインテグラタイプR(DC2)がほぼワンメイク状態ですが、1,600ccの三菱ミラージュ(CJ4A)や日産パルサーVZ-R(JN15)、ホンダシビックタイプR(EK9)らテンロクスポーツ勢に、1,500ccターボの三菱コルトRも頑張っており、なんと日産パルサーが1勝を挙げています。
N2クラス

出典:http://katsu-taguchi.com/
4WDのN車両。
CT9AかCZ4Aの新旧ランエボ同士の戦いで、GDBなどスバルインプレッサが時々スポット参戦で絡む程度ですね。
ジムカーナでもそうですが、継続的に戦闘力を高めたランエボに対して、インプレッサはよほどこだわりのあるユーザー以外使わなくなりました。
エボも新しいエボXの方が有利と思いきや、軽量のエボIXもまだまだ戦闘力が高く、割合としては半々といったところです。
SA1クラス

出典:http://cmscsugar.web.fc2.com/
2WDのSA車両。
SA車両とはナンバー付き車両の中ではもっとも改造範囲が広く、タイヤ幅制限も無かった旧A車両時代には「公道を走るレーシングカー」とまで言われました。
改造範囲が広いという事はその車種が本来持つポテンシャルだけではなく、チューニング次第で本来劣る車両でも下克上が狙える面白さがあり、結果として車種も多彩です。
参加車両はホンダシビックタイプRが1,600ccのEK9と2,000ccのFD2、インテグラRが1,800ccのDC2 / DB8と2,000ccのDC5。
1,600ccのホンダシビック(EG6)と三菱ミラージュ(CJ4A)、1,800ccのトヨタセリカ(ZZT231)、2,000ccターボのトヨタMR2(SW20)。
86やミニクーパーSに、EV(電気自動車)の日産リーフまで参戦しています。
百花繚乱とはまさにこのクラスの事で、見ていて一番面白いと言う人も多いクラスです。
SA2クラス

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4WDのSA車両。
主な車両は三菱のランサーエボリューション。新旧問わず参戦しています。
理屈で言えばスバル勢がもっとエントリーしても良さそうなものですが、インプレッサはスポット参戦でチラチラという程度。
生産は先に終わってしまいましたが、こと競技車で2リッター4WDターボと言えば新旧ランエボという時代はしばらく続きそうです。
SC1クラス

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2WDのSC車両。
SC車両とはあくまでベース車両と比べて原型や駆動方式に変更が無い程度の競技専用車で、ナンバーをつけないため改造範囲はかなり広くなっている反面、自走ができないため積載車での運搬、練習のために走る事も制限があります。
ある意味ベース車はどうあれエンジンを載せ変えればいいだけなので、三菱ミラージュ(CJ4A)やホンダシビックタイプR(EK9)などの第1線車両だけでなく、同じミラージュでも古いCA4A、エボではない古いランサー、1,500ccのインプレッサなどが大改造されて走るのです。
SC2クラス

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4WDのSC車両。
SC車両も4WDになるとなぜか新旧ランサーばかりでインプレッサがほとんどいません。
実際、タマ数豊富で安価に手に入り、しかも競技車のお下がりも多いのでランサー以上適任のベース車が無いということも事実です。
Dクラス

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ある意味何でもアリのD車両で戦われるクラスで、かつてはキャロッセ・スーパーDやモンスターエスクードなどパイプフレームに軽量カウルを被せたオフロードフォーミュラ的なマシンもありました。
現在はそこまで過激ではなく、ベース車を大改造したというマシンがほとんどです。
ここでも参戦しているのはほとんど新旧ランサーですが、全日本チャンピオンは昔ながらのトラストカラーも懐かしさを感じる谷田川選手のスバルインプレッサWRX。
昔から切れ目なくトラストの看板を背負って走り続けている最古参のひとりです。
他にはトヨタ86やインプレッサ、そして珍しくも現行ミラージュなどが出走しています。
ダートラ見どころ&注意点

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先にも書いたように、ダートラは非常にマシンそのものやパーツの損耗が激しく、費用面での負担が大きいため、参加型モータースポーツではありますが万人向けとは言えません。
そのためレースやジムカーナのような入門者向けの「草イベント」もあまり開催されておらず、会場やイベントも減少の一途をたどっています。
そのため、見に行こうと思っても近場であまり開催されていない地域もあるでしょう。
まずは一番近場の会場とイベント日程のチェック。全日本戦はともかく、地域イベントは台数も少なく早めに終わりがちなので、出かけるのが遅れて着いた頃には終わっていた、という事が無いようにご注意を。
そして、程度の差こそあれ砂埃や砂利まで巻き上がる事が珍しくありませんから、汚れてもいい服装や(特に雨の日は)長靴などは忘れずに。
服や髪の毛をはらったら砂がバラバラ落ちるなど珍しくないですから、着替えを持って帰りは温泉にでも浸かりながら帰る段取りがオススメです。
たとえ台数が少なくても、走る姿の見ごたえは他のモータースポーツに全くヒケを取らないどころか、ハイパワーマシンの圧倒的な姿も間近で見られます。
たとえばラリーやレースで「見られるといっても目の前を通るホンの少しだけ」という点に不満を感じている人なら、ダートラ観戦はうってつけですよ!
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