17シーズン、計305戦の激闘を振り返る…

©︎鈴鹿サーキット
20歳という若さでウィリアムズからF1参戦を果たした彼は、デビュー2戦目となるブラジルGPで史上最年少入賞を達成し大きな期待のなかキャリアをスタートさせました。
初年度から6度の入賞を記録し上々の1年目を過ごしたのですが、チームは1年でバトンを放出しそこからは苦難のシーズンが続いてしまうのでした。
翌年からベネトンに移籍したのですが、シーズンのほとんどを下位で過ごし入賞はわずか1度という結果に終わってしまうのです。
2002年は引き続きベネトンを買収したルノーから参戦し前年より成績は上向いたのですが、当時チーム代表であったフラビオ・ブリアトーレに努力不足を指摘され、チームから放出されてしまったのです。
そして、2003年からはBARから参戦することになり、これが彼のキャリアを大きく変えることとなりました。

佐藤琢磨とチームメイトとなったBAR時代、この頃から日本で彼の注目度は一層高まった。(©︎鈴鹿サーキット)
移籍2年目となる2004年には第2戦マレーシアGPで初表彰台を獲得すると、第4戦サンマリノGPではポールポジションを獲得するなど目覚ましい活躍を見せたのです。
さらには年間で10度の表彰台を獲得し、一気に評価を高めることになりました。
そして2006年からはBARはホンダとして生まれ変わり、日本のF1ファンからの期待を大きく背負うこととなりました。
第2戦マレーシアGPではホンダのF1復帰初となる表彰台をチームにもたらすと、第13戦ハンガリーGPでは14番手からのスタートながら見事な追い上げを見せ、参戦114戦目で念願の初優勝を達成。
これはホンダにとって39年ぶりの優勝であり、F1の表彰式で君が代が演奏させる立役者となったのです。
しかし、2007年以降は戦闘力の低いマシンに苦しめられてしまいます。
2年間でわずか4度の入賞しか果たせず、さらには2008年末にはホンダがF1から撤退を発表。
この時バトンは翌年のシートが決まっておらず、その去就が心配されたのです。
しかし、ホンダがチームを譲る形で創設されたブラウンGPのシートを獲得すると、バトンはF1の頂点へ向け快進撃を始めるのです。

出典:https://www.instagram.com/jensonbutton_22/
ブラウンGPは急きょ作り上げられたチームでしたが、ホンダの置き土産ともいえる戦闘力の高いマシンを有し、第2戦のオーストラリアGPでいきなりの優勝を達成。
すると、バトンはその後7戦で6勝を挙げ、手の付けられない強さを見せたのです。
シーズン終盤はレッドブルのセバスチャン・ベッテルに追い上げを許すも、序盤でのリードを守り切り2009年のF1王者に輝きました。
念願の王者に輝いたバトンはそのチームを1年で去り、2010年にマクラーレンへ移籍。

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結果的にマクラーレンで7年間を過ごし、これが最後のチームとなったのです。
バトンは移籍直後から力強い走りを見せチームの信頼を勝ち取ると、絶対的エースと見られていたルイス・ハミルトンと遜色ない成績を収めました。
移籍2年目ではシーズンを通して見事な活躍を見せ、王座に届かないながらも3勝を挙げランキング2位を獲得。
マクラーレン移籍後のバトンはベテランらしい巧さが光り、ハミルトン離脱後にコンビを組んだセルジオ・ペレスやケビン・マグヌッセンのような若手ドライバーのお手本となる走りを見せました。
しかし、チームは少しづつ低迷を始め、次第にバトンが上位を争うシーン少なくなってしまいます。
キャリア終盤となった2015年からは、パワーユニット供給先として再びホンダとの共闘が始まりますが、2006年のような活躍を見せることが出来ませんでした。
それでも、レースが荒れた展開となるとしばしば上位に顔を出し、彼の持ち味である巧みな走りでレースを盛り上げてきました。
まとめ

©︎Pirelli
したたかで紳士的な性格は彼のドライビングにも表れており、時には奇想天外な戦略でファンを沸かせてきたバトン。
特にホンダとの長きに渡る共闘もあり日本からの人気も高く、第3期では唯一となる2006年の初優勝は今でも多くの人の心に刻まれているのではないでしょうか。
今後の活動に注目が集まっていますが、彼はその候補にスーパーGTを挙げるなど、日本でレースをする考えもあると語っています。(2016年12月時点)
F1王者が日本でレースをするとなると、より一層盛り上がりを見せることになりそうですね!
12月4日(日)にツインリンクもてぎで開催されるホンダサンクスデーにも来場が決定しており、彼の最後となるF1ドライバーとしての姿を見られる機会も残されています。
是非、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
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