「公道を走るF1」と言われたWRCのグループBクラス。その速さもさることながら、オリジナリティ溢れたマシンも魅力的でした。今回はラリーファンを魅了したグループB車両をご紹介したいと思います。

出典:https://rallygroupbshrine.org/general-information/

 

グループB車両とは?

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1982年からWRC(世界ラリー選手権)のトップカテゴリーとなったグループBクラスは、12カ月連続で200台の製造を行った車両に対してホモロゲーション(承認)が下りるクラスでした。

しかし、わずか20台を製造するだけでホモロゲ―ションが取得できるエボリューションモデルも参戦することが可能となった事により、メーカー系ワークスチームが技術力を争う場となったのです。

レギュレーションで定められているのは、この2つのみのため、結果的に外見は市販車の形をしていればどんな改造でもありという恐ろしいマシンが出来上がったのです。

その一部を動画にてご覧下さい。

いったい何をどうしたら、このようなマシンが出来上がるのでしょう。

そんな、市販車両がグループB車両になるまでをご紹介したいと思います。

 

市販車とグループB車両の違いをご紹介

まずは外見の違いをご覧下さい。

市販車両

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

 

グループB

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/

見た目は市販車の面影を残していますが、前後の大きく張り出したフェンダーや大型スポイラーなどの装着により、迫力のあるものとなっています。

また、屋根やガラス、モノコック以外は別物となっているマシンも多くあったようです。

次に大幅に行われた改造例をご紹介します。

出典:https://rallygroupbshrine.org/general-information/

・エンジン搭載位置の変更・駆動方式の変更・パイプフレームの使用・カーボンケブラー製のボディ・過給気の変更や追加

これらの変更により、1トンを切るボディに500馬力オーバーのエンジンを搭載することも可能となりました。

これでグループB車両が出来上がるのですが、そのポテンシャルはいったいどのようなものなのでしょうか?

 

他のトップカテゴリー車両との比較

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グループB車両を同期のトップカテゴリーであるF1や、プロトタイプレーシングカーであるグループCと比較してみましょう。

グループB車両0-100km/h加速 1.7秒~2.5秒

グループC車両0-100km/h加速 1.7秒

1986年 F1モナコGP 予選6位相当のタイム

真っ直ぐも曲がりにも強いことが、分かって頂けるのではないでしょうか。

グループBマシンが「公道を走るF1」と呼ばれるのに相応しい比較結果と言えると思います。

それでは、個性溢れる「公道を走るF1」たちをご紹介します。

 

世界のグループB車両

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世界中の各メーカーが持つ技術を惜しみなく注いだ結果、凶暴な車の極みとも言える車両が数多く生まれました。

海外の各メーカーが本気で作り上げたグループB車両をご覧下さい。

 

アウディ・クワトロS1

出典:http://www.barbuza.com/

フロントに直列5気筒2.1リッターエンジンを搭載した4WDのクワトロS1は最大550馬力を発揮します。

セミ・オートマチックやミスファイアリングシステムの搭載により大活躍を見せ、1982・84年のマニファクチャラータイトルを獲得しました。

グループBを代表する1台と言っても過言ではありません。

 

プジョー205 ターボ16

出典:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/

当時最速の方程式となっていたミッドシップ×4WDのレイアウトと、直列4気筒1.8リッターエンジンターボで武装した205は、グループB最強のマシンとなり、1985・86年のマニファクチャラーとドライバーズタイトルを総なめにしました。

205は、後に大活躍するドライバーを育てた車両とも言えるのです。

 

まだまだ続くグループBラリーカー!

次のページでは、スーパーチャージャーとターボ両方をつけたあのモンスターが…!

国産車も多数登場します!