12年目を迎えたスーパーGTでは多くの勝者が誕生してきました。激戦が繰り広げられるスーパーGTで勝ち続けることは困難を極めます。今回はそんな困難をものもとせず、多くの勝利を挙げた選手のトップ5をご紹介していきます。※2017年6月時点
CONTENTS
スーパーGT 500クラスの優勝者たち
2005年に全日本GT選手権(JGTC)から進化を遂げた日本最高峰のGTカーレース「スーパーGT」。
この12年間でなんと52人の勝者が誕生しています。
その中でも多くの勝利を挙げている上位5選手にスポットライトを当て、そのレースキャリアをご紹介!
今回の、勝利数は2017年第3戦までの情報となっています。
スーパーGT 500クラス優勝回数TOP5の猛者たち
今回ご紹介するGTの猛者たちは、14勝、13勝、12勝、9勝、という僅差の勝利を挙げている選手たちです。
それではGT500マイスターたちをご紹介致します。
立川祐路(14勝)
1993年 地方カート選手権関東西地域AIIクラスシリーズチャンピオン
1995年 フォーミュラ・トヨタ・西日本シリーズ シリーズチャンピオン
2001年 全日本GT選手権 GT500クラスシリーズチャンピオン
2005年 SUPER GTシリーズ GT500クラス シリーズチャンピオン
2013年 SUPER GTシリーズ GT500クラス シリーズチャンピオン
現在、スーパーGTで最強といっても過言ではない立川祐路選手。
GT500最多勝となる14勝を記録しており、シリーズチャンピオンも3回獲得しています。
その立川選手は家族が車好きだったため、幼少期より車に触れる機会が多くあったそうです。
そして家族とともに訪れたカート場から彼のレーシングキャリアはスタートしました。
地方カートレースでチャンピオンを獲得後、フランスに渡りフォーミュラー・ルノーに参戦し、武者修行を積みます。
帰国後は、フォーミュラ・トヨタやF3、全日本ツーリングカー選手権に参戦し、1997年からは国内最高フォーミュラーレースとなるフォーミュラニッポン(現スーパーフォーミュラ)でも戦っています。
スーパーGTには初年度からセルモチームより参戦。
レクサスのマシンを駆り常にトップ争に絡む走りを見せており、予選でも多くのポールポジションを獲得しています。
2011年からは、フォーミュラ・ニッポンに参戦するセルモ・インギングチームの監督に就任し、チーム監督としても活躍。
レーシングドライバーとしても監督としても、今後の立川選手の動向から目が離せません。
本山哲(13勝)
1986年 全日本カート競技選手権 A1クラス シリーズチャンピオン
1987年 全日本カート競技選手権 A2クラス シリーズチャンピオン
1989年 全日本カート競技選手権 A2クラス シリーズチャンピオン
1998年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2001年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2003年 全日本選手権フォーミュラニッポン 全日本GT選手権 GT500クラス シリーズチャンピオン
2004年 全日本GT選手権 GT500クラス シリーズチャンピオン
2005年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2008年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
スーパーGTでは大ベテランといえる存在となった本山哲選手は、日産の顔ともいえる選手でありスーパーGTで通算13勝を挙げています。
本山選手は両親がカート場を経営していた関係もあり、幼少期よりポケバイやカートなどに慣れ親しんでいました。
カートレースで圧倒的な強さを発揮した本山選手は、F3や全日本ツーリングカー選手権(JTCC)、全日本GT選手権GT300クラスなどで経験を積み、フォーミュラニッポンやGT選手権のGT500へとステップアップしていくのです。
GT選手権では3回、フォーミュラーニッポンでは4回のチャンピオンを獲得した本山選手は、2003年に幼馴染であったMotoGPライダー、加藤大治郎選手の事故死を機に世界を視野に入れたレース活動を行い、その年の日本GPではジョーダンF1チームのマシンを駆りテスト走行をしています。
残念ながら資金面などの問題がありF1参戦には至りませんでしたが、日本を代表する選手のひとりであることは間違いありません。
現在ではGT500のGT-Rを駆り、若手選手をパートナーに迎え育成活動ともいえる体制でスーパーGTに参戦しています。
本山選手のアドバイスを受けた若手選手が、今後世界に羽ばたいていくことに期待が高まります。
松田次生(13勝)
1996年 CIK-FIAアジア・パシフィック カート選手権 ICAクラス 優勝
2007年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2008年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2014年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
2015年 - SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
日産を代表する選手となった松田次生選手は、スーパーGTで13勝を挙げています。
松田選手はカートレースであるアジア・パシフィック選手権で優勝したことで注目され、鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラクラスに入校し、全日本F3へとステップアップ。
その後フォーミュラニッポンとGT選手権に参戦しますが、フォーミュラーニッポンでは史上最年少優勝や、未勝利でのシリーズチャンピオン獲得、史上初めての2連覇など様々な記録を残しています。
スーパーGTでは、2014・2015と2年連続でシリーズチャンピオンに輝いており、フォーミュラーもGTマシンも乗りこなす実力があることを示しています。
無類のGT-R好きとして知られており、個人で3台のGT-Rを所有したり、趣味の鉄道模型では専門誌に取材を受けるなど、プライベートも充実しているようです。
大の乗り物好きである松田選手の今後のレース活動、そして充実したプライベート活動にも注目していきたいと思います。
ロニー・クインタレッリ(12勝)
1999年 ヨーロッパ・カート選手権 125ccクラス シリーズチャンピオン
2004年 全日本F3選手権 シリーズチャンピオン
2011年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
2012年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
2014年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
2015年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
史上最多、スーパーGTで4回のチャンピオンを獲得している、ロニー・クインタレッリ選手はスーパーGTで12勝を挙げています。
イタリア出身の彼ですが、目を閉じて話をすると、まるで日本人と会話しているかと思うほど流暢な日本語を話します。
そのクインタレッリのレースキャリアは、レーシングカートからスタート。
ヨーロッパカート選手権でチャンピオンとなった彼は、ヨーロッパでのレース活動後、来日し日本でレース活動をすることになりました。
そして、日本のF3でチャンピオンを獲得し、フォーミュラニッポンとスーパーGTに参戦を開始。
今や日産を代表する選手となったのです。
王者の風格すら漂うクインタレッリ選手ですが、ファンとともにカートレースをするなど気さくな性格であり、東日本大震災の時には社会貢献活動も行っていたそうです。
彼の日本での活動はイタリアの大統領から授与される「イタリアの星勲章ウッフィチャーレ章」に値するとされ、2016年にその偉大なる賞を受賞しました。
日本人以上に日本人らしいともいえるクインタレッリ選手の今後の活躍に期待が高まります。
ブノワ・トレルイエ(9勝)
2001年 全日本F3選手権 シリーズチャンピオン
2006年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2008年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
2011年 ル・マン24時間レース 総合優勝
2012年 ル・マン24時間レース 総合優勝 FIA 世界耐久選手権 ドライバーズチャンピオン
2014年 ル・マン24時間レース 総合優勝
日本で育った耐久の王者ともいえるブノワ・トレルイエ選手はスーパーGTで9勝を挙げています。
フランス出身の彼はモトクロスやカートレースを経て、フランスでF3に参戦。
その後全日本F3に参戦し、2001年にチャンピオンを獲得しています。
そのまま日本でレース活動を続けた彼は、フォーミュラニッポンとGt選手権に参戦し、どちらもチャンピオンを獲得しています。
その活躍がアウディとヨーストの目に留まり、アウディスポーツ・チーム・ヨーストから世界耐久選手権(WEC)に参戦します。
日本での経験を十二分に発揮した彼は、2度のル・マン24時間レース制覇と2012年度の世界耐久選手権王者に輝くのです。
気さくな性格で日本語も堪能なトレルイエは、アウディの撤退に伴い2017年からアウディR8を駆りブランパンGT選手権に参戦しています。
新天地での彼の活躍に期待したいと思います。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(9勝)
1999年 南米F3選手権 クラスBチャンピオン
2005年 全日本F3選手権 シリーズチャンピオン
2010年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
ブラジル出身でインディカー参戦経験もあるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手は、スーパーGTで9勝を挙げています。
南米・ドイツ・日本のF3でチャンピオンとなった彼は、活動の拠点を日本とし、フォーミュラニッポンとスーパーGTに参戦。
2010年にはスーパーフォーミュラでシリーズチャンピオンを獲得、スーパーGTではチャンピオン経験こそないものの9勝を挙げ歴代5位タイとなっています。
過去に所属していたチームからは高い評価と信頼を得ており、星野一義氏からは「一番ほしいのはオリベイラ」、近藤真彦氏からは「彼にどんなに助けられたか」という、彼の功績を物語るようなコメントが多数残されています。
「縁の下の力持ち」であるオリベイラ選手が復帰したKONDO RACINGが、2017年はどんな活躍を見せてくれるか期待したいところです。
ラルフ・ファーマン(9勝)
1990年 イギリス ジュニアカート シリーズチャンピオン
1992年 イギリス シニアカート シリーズチャンピオン
1996年 イギリスF3選手権シリーズ シリーズチャンピオン マカオGP 優勝
2002年 全日本選手権フォーミュラニッポン シリーズチャンピオン
2007年 SUPER GT GT500クラス シリーズチャンピオン
ジョーダンF1チームからF1参戦経験もあるラルフ・ファーマン選手はスーパーGTで9勝を挙げています。
カートレースでチャンピオンとなり激戦で有名なイギリスF3とマカオF3を制した彼は、F1により近いとされるフォーミュラニッポンに参戦するため来日しました。
そしてスーパーフォーミュラと並行してGT選手権にも参戦し、スーパーフォーミュラでチャンピオンを獲得した翌年、満を持してF1へ挑戦したのです。
F1参戦後、日本のレースにカムバックした彼は、ARTAから参戦したスーパーGTでパートナーを組んだ伊藤大輔選手のあまりの速さに衝撃を受けスランプに陥ってしまったといいます。
しかし、逆境をはね除け自らを奮い立たせ、ARTAのアドバイザーである土屋圭市氏のサポートにも助けられ、2007年には見事にスーパーGTのシリーズチャンピオンを獲得するのです。
F1を経験したがために陥ってしまったスランプをはね除けた男は、参戦したいレースを模索している最中のようです。
そんな彼の今後の同行に注目が集まります。
まとめ
スーパーGT勝者トップ5特集、いかがでしたか?
激戦が繰り広げられるスーパーGTで勝つには、速さだけではなく総合力が求められます。
チームの士気を上げるのもドライバーの役割!今回ランクインした選手たちは、技術だけではなくチームの士気を上げることにも長けているといえるのではないでしょうか。
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