1994年からシリーズ戦として本格的にスタートした全日本GT選手権(以下:JGTC)。現在のスーパーGTよりも”GTカー”色がより強く、様々な特徴を持ったマシンたちが王座を狙って熾烈なバトルを繰り広げていたシリーズです。街中で見かけるスポーツカーに巨大なワイドフェンダーとウィングを装着し、市販エンジンを極限までチューニングして搭載したGTマシンに誰もが熱狂していきました。今回はJGTC歴代チャンピオンを抜粋してご紹介しつつ、その後スーパーGTへと繋がっていく各マシンの変貌に触れていただこうと思います!

 

出典:https://www.calsonickansei.co.jp/

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1994年 Calsonic Skyline (R32型)

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JGTC初期に最強を誇ったのはやっぱりこの車、スカイラインGT-Rです。

グループA時代に最新鋭4WDシステムを武器として活躍したGT-Rですが、JGTCには4WDではなくFRレイアウトを採用。

もちろんエンジンは直列6気筒のRB26を搭載しました。

ドライバーには当時31歳の影山正彦選手が起用され、シリーズポイントでは2位に14点差をつけて圧勝。

しかし意外にも影山選手はライバルである長谷見選手に勝たなければならいないというプレッシャーに押されてしまい、シーズン中は終始ヘトヘトだったそうです。

 

1995年 Calsonic Skyline (R33型)

出典:http://supergt.net

1995年にR33型へ順次スイッチしたスカイライン勢の中でも、やはり速さを見せつけたのは前年チャンピオンである影山正彦選手でした。

改良によって強さを増したスープラ、そして外車勢では新型ポルシェGT2等、ライバルも打倒スカイラインを目標に追撃態勢を整えた年でもあります。

スカイラインGT-Rは全車FR化され(プライベーターで一部例外あり)、Xトラック製シーケンシャルミッションで完全武装。

サスペンションはグループCカー譲りのダブルウィッシュボーンとされました。

シーズン終了時点でポイントランキングのトップ3がGT-Rという圧倒ぶりで、影山選手が駆るカルソニック スカイラインは2年連続シリーズチャンピオンを獲得!

 

1996年 Lark Mclaren 61号車

出典:http://teamspeed.com/forums/mclaren/10812-official-mclaren-f1-thread-112.html

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スカイラインGT-R連覇の牙城を崩すべく、チーム郷が黒船来航の如くJGTCに持ち込んだのがマクラーレンF1 GTRです。

フルカーボンモノコックシャシーにBMW製6.1リッターV型12気筒エンジンを搭載したマクラーレンは正真正銘のピュアレーシングマシンでした。

性能調整としてパワーを400馬力までダウンされ、さらに200kgのウェイトを載せられていたにも関わらずD・ブラバム/J・ニールセン組の61号車が圧倒的速さでシリーズチャンピオンを獲得。

しかし、あまりの速さに過剰な性能調整を課されてしまう事となり、これを不服としたチーム郷は1996年限りでJGTCから撤退してしまったというエピソードが残っています。

なんとこのマシンには皇帝ミハエル・シューマッハの弟であるラルフ・シューマッハ選手も搭乗してたのをご存知でしょうか?

 

1997年 Castrol Tom’s Supra 36号車

出典:http://www.supercars.net/blog/1997-toms-supra/

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1994年から参戦を続けるスープラですが、初めてのシリーズチャンピオンは参戦4年目となる1997年の事。

それまでの2リッター直列4気筒ターボエンジンを4連スロット化し、アクセルレスポンスを大幅に向上。

さらにシーケンシャルミッションの搭載やエアロダイナミクスの改良によって確実に戦闘力を増していました。

この年は計7台のスープラがGT-RやNSXを相手に大奮闘。

シーズンが終わってみればランキング1・2・3位をスープラ勢が独占する圧倒ぶりで、見事シリーズチャンピオンに輝いたのはM・クルム/P・デ・ラ・ロサ組のカストロール トムス スープラです。

カストロールカラーのスープラは日本のモータースポーツファンにとって特別な意味を持つ印象深いマシンとなっています。

 

1998年 Pennzoil Nismo GT-R(R33型)

出典:http://www.motorsportretro.com/2014/01/jgtc-cars/

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R33型スカイラインGT-Rのワークスマシン最終年となる1998年に登場したペンズオイル ニスモ GT-R。

前年型と打って変わってアメリカンな雰囲気漂うゴリゴリのエアロパーツで武装したGT-Rが投入されました。

ボディーの至る所に開口部が設けられ、巨大なウィングの翼端板から更に小さなウィングが生えているスタイルはかなり挑発的です。

エリック・コマス/影山正美 組はシーズン2勝を挙げ、GT-Rにとって2年ぶりとなるシリーズチャンピオンを獲得!

激しくテールを流しながら暴れるマシンをまるで手足のようにドライブするコマス選手がとても印象的なシーズンでした。

 

1999年 Pennzoil Nismo GT-R (R34型)

出典:http://www.nismo.co.jp/event/festa2013/event_1.html

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R34型に進化したスカイラインGT-Rは1999年も安定した速さを見せます。

速さの絶対値はNSXやスープラに譲ってしまう部分もありましたが、とにかく壊れない信頼性と巧みな戦略で常に上位に食い込んでくるクセ者的キャラクターでした。

そしてまたもやチャンピオンはエリック・コマス選手が獲得!

とにかく日産は強い!誰もがそんなイメージを持ったシーズンです。

 

10年続いたJGTC!

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