「君はガソリン1リットルで日本一周できるか?」で有名なHondaエコマイレッジチャレンジを知っていますか?スーパーカブなどのエンジンを使用して、下は中学生、上は社会人まで、全国の人々が低燃費を争います!現在の大会最高記録はガソリン1リッターで3,644.869km!プリウスなんてメじゃない!驚きの低燃費競技をご紹介します。

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参加マシンは独創的なものばかり!

ホンダ エコマイレッジチャレンジとは?

出典:https://twitter.com/htec_e

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1981年から行われている低燃費を競う競技、ホンダエコマイレッジチャレンジ。通称エコラン。

元々は「本田宗一郎杯Hondaエコノパワー燃費競技全国大会」という名称でしたが、2010年を境に名前が変わりました。

計測方法は、チームのマシンでサーキットの一定の距離を、時速25kmという要件を満たす制限時間内に走行。

例えば、鈴鹿サーキット東コースを数周など。

走行後に余ったガソリンの量とあわせて、1リッターあたりの燃費を計算し、最も省燃費、エコだったチームが優勝になります。

チーム「ファイアボール」のマシン(出典:http://www.honda.co.jp/)

チーム「ファイアボール」のマシン(出典:http://www.honda.co.jp/)

現在の大会記録は、チーム「ファイアボール」が記録した3,644.869km/L。日本およそ半周分です。

低燃費、エコカーの代表格のようなプリウスの燃費が、カタログ値およそ40km/Lですので、およそ90倍以上の低燃費を実現しています。

まさにけた違いの性能を持つこのエコランマシンとその競技が面白いんです。

 

クラス紹介

 単座のオリジナルマシンクラス

名城大学のSPICA。このマシン、ボディデザインは3DCADで製作されているそうです。車重も29kgだとか!(出典:http://www.honda.co.jp/)

名城大学のSPICA。このマシン、ボディデザインは3DCADで製作されているそうです。車重も29kgだとか!(出典:http://www.honda.co.jp/)

本大会で最もメインになる、シングルシートかつオリジナルのマシンを使用するクラスです。

マシンはすべて排気量50cc未満。クラスの分け方の基本は年齢(学年)になります。

 

グループⅠ(中学生)

中学校に在学している人たちのためのクラス。

チームマネージャーに教員を置いたうえで、チーム員はすべて同じ学校に在籍している必要があります。

 

グループⅡ(高校生)

高校生のためのクラスです。

基本は中学生クラスと同じで、教員がチームマネージャーかつ、全員が同じ学校である必要があります。

 

グループⅢ(大学・短大・高専・専門学校)

大学・短大・高専・専門学校の生徒のためのクラスです。

チームマネージャーは同じように教員か、20歳を超えた学生である必要があります。

また、全員が同じ学校である必要があります。

 

グループⅣ(一般)

一般参加者のためのクラスです。

自由にチームを組むことができます。

 

二人乗りクラス

この小さな車体に2人が乗って、燃費750kmオーバーを達成した栃木県矢坂高校(出典:http://www.honda.co.jp/)

この小さな車体に2人が乗って、燃費750km/Lオーバーを達成した栃木県矢坂高校(出典:http://www.honda.co.jp/)

2座席あるマシンで、2人が乗車が義務付けられているクラスです。

チーム員に関しては、一般と同様、自由に組むことが出来ます。

排気量は50cc未満です。

 

ニューチャレンジクラス(50cc以上150cc以下)

燃費1900km/Lオーバーを達成した矢坂高校機械技術研究部OB(出典:http://www.honda.co.jp/)

燃費1900km/Lオーバーを達成した矢坂高校機械技術研究部OB(出典:http://www.honda.co.jp/)

50cc以上、150cc以下のホンダ製4ストロークエンジンを使用したオリジナルマシンのためのクラス。

チーム員は一般と同様です。

 

市販車クラス

徹底した空力対策。自分が小さくなって風の抵抗を低減します。(出典:http://www.honda.co.jp/)

徹底した空力対策。自分が小さくなって風の抵抗を低減します。(出典:http://www.honda.co.jp/)

ホンダ製4ストローク50ccエンジンを搭載した市販バイクで参加可能なクラス。

主にスーパーカブが目立つようです。

 

このように、クラスはすべてで7つ。年齢による分け方と、マシンによる分け方があります。

なんと下は中学生から参加可能!実は中学生の方が身体が小さいので、体重が軽く、燃費を稼ぐという意味では有利なのかもしれません。

ちなみに、オリジナルマシンは、寸法がレギュレーションで決められており、全高は1.8m以下、ホイールベースは1.0m以上、全長3.5m以下、トレッド0.5m以上、全幅1.7m以下。となっています。

また、タイヤは3輪以上にする必要があります。

 

見どころ

 

多種多様なオリジナルマシン

2010年にデザイン賞を受賞したチーム48のマシン(出典:http://www.honda.co.jp/)

2010年にデザイン賞を受賞したチーム48のマシン(出典:http://www.honda.co.jp/)

究極の燃費を求めるために、各チーム、徹底した低重心化、効率化を図った結果、もはや機能美と言えるようなデザインの特殊なマシンが完成します。

その見た目は、どんなことをしてでも最高速を求めるという、真逆の競技であるボンネビルレコードカーにどこか似ているかも?

500台以上がエントリーしたことがあるこの競技、コース上のエコラン専用マシンを見るだけでも面白いと思いますよ!

アクセルやブレーキなどの操作系統ひとつとっても、手でやるか足でやるか、全く違うとか!

 

燃費を稼ぐためのドライビングテクニック

出典:https://www.youtube.com/

出典:https://www.youtube.com/

究極に低燃費走行するために必要なのは、ガソリンを使用する時間を短くすること。

実際、近年のエコと言われるクルマたちはアイドリングストップ機能がついていますよね。

エコランでも同じようなテクニックがあり、時速40km/h程度まで一気に加速して、エンジンストップ。

そのまま惰性である程度速度が落ちるところまで走行し、再度エンジン始動。

下り坂では規定速度未満にならない限り惰性で移動。

我慢比べとも言えるような涙ぐましい努力によって、1リッターあたり数千kmの低燃費を生み出しています。

もちろん、この他にも様々な作戦があるので、各チームの動きを見ていると、戦略の違いがわかっておもしろいかもしれません!

 

次々生まれる信じられない記録

整備の様子。ホンダのカブ系横置きエンジンが縦にマウントされています(出典:http://www.honda.co.jp/)

整備の様子。ホンダのカブ系横置きエンジンが縦にマウントされています(出典:http://www.honda.co.jp/)

リッター10kmから20km程度の燃費が普通な市販車に対して、このエコランマシンは平気で数百キロ数千キロの燃費をたたき出します。

燃費記録を聞いているだけでも「ありえない!」と、盛り上がることが出来るのもこのイベントの魅力です。

ちなみに、燃費計測は公平を期すために、車両に取り付けるガソリンタンクを運営側が準備。

全車同じガラス製の180ccタンクを装着して走るため、ルール違反や、出走前の待ち時間によるガソリン揮発にも対応が可能です。

 

 

さて、見どころがわかったところで、実際の競技中はどんな光景なのでしょうか?

エコランなのに時速70kmを超える!?鈴鹿の1コーナーはノーブレーキ進入!?

次のページでは、そんな車載映像や、競技の風景についてご紹介します。