2017年よりFIA公認のドリフト競技として行われたIDC(Intercontinental Drifting Cup)。東京・お台場での2日間に渡る激戦を終え、IDC初代優勝者が決定しました。やはりあのドライバーが強かった?!
CONTENTS
Leg2見どころ
9/30のLeg1を終え、10/1のLeg2との総合成績でIDC初代ウィナーが決まります。2日間通して、Solo Run(単走)、Battle Tournament(追走トーナメント)の両方で好成績を納めなければならず、気が抜けない戦いが続きます。
Leg1を終え、強さを魅せたのがロシア人ドライバーのアルカーシャこと#20アルカディ=サレグラセブ選手(日産R34スカイライン)と、#19ジョージ=チヴシャン選手(日産S15シルビア)。
台風の目と比喩されたこのロシア勢や、成長著しい香港やタイをはじめとしたアジア勢など、各国の強豪ひしめくIDCで日本人ドライバーがどれだけ活躍するのでしょうか。
Solo Run(単走)
コース設定はLeg1、Leg2共に同じコースレイアウトで走行。2日間を通して、順位によってポイントが付与され、合計ポイントの高いドライバーが単走総合優勝に輝きます。
Leg1で唯一100点越えをマークした#10齋藤太吾選手は、思うように得点が伸びず単走5位という結果に。他のドライバーもコースに慣れてきたこともあり高得点が続出する中、99.34をマークした#12横井昌志選手が単走1位という結果に。
2位には注目のロシア人ドライバー#20サレグラセブ選手が99.21を記録。3位には日本のD1GPでもお馴染み、ポンちゃんことタイ人ドライバー#23デチャポン=トイングチャレン選手(日産Z33フェアレディZ)が98.96の高ポイントで続きました。
Battle Tournament(追走トーナメント)
IDC初代優勝者の栄誉が掛かる追走トーナメント。日本勢は単走で安定した走りを披露し、4人とも追走トーナメントに進出。順当にベスト16を勝ち抜き駒を進めます。
ベスト8
ベスト8注目は、Leg1で決勝を戦った#10齋藤選手vs#13川畑選手という好カード。1本目、齋藤選手後追いでしたがポイントが伸びず。2本目、川畑選手後追いでスタートした直後、先行の齋藤選手の車に駆動系トラブルが発生し、あっけなく決着がついてしまいました。
#12横井選手はLeg1のベスト16と同じ対戦相手、アメリカ人ドライバー#24マイケル=エッサ選手を破りベスト4へ。#11藤野選手は速さを見せるも、ロシア人ドライバー#20アルカディ=サレグラセブ選手がそれを上回る追走を魅せ敗退。ベスト4最後の枠をかけた戦いは、リトアニア人ドライバー#16アウリマス=バッキーズ選手が追走前練習走行でクラッシュをしてしまい、ロシア人ドライバー#19ジョージ=チヴシャン選手が不戦勝で駒を進めます。
ベスト4
ベスト4のカードはLeg1と同じ日本勢とロシア勢による争いですが、日本人同士とロシア人同士が戦い、この時点で決勝戦は日本人ドライバーvsロシア人ドライバーが決まりました。
ベスト4最初となった#12横井選手vs#13川畑選手は、1本目後追いの川畑選手が2ランク差をつけ優位に立ちます。2本目後追いの横井選手は持ち前のスピードを活かすも、川畑選手がそれを引き離す走りを魅せ、2日連続で川畑選手が決勝進出。
Leg1の3位決定戦と同じカードとなったロシア人同士のサレグラセブ選手vsチヴシャン選手の戦いは、1本目先行のサレグラセブ選手がインカットによる-1ランクのペナルティを受けるも、2本目の後追いで11.5ランクというハイスコアを叩き出しイーブンでワンモアチャンスに。迎えた再戦は、2本目先行のチウジャン選手が壁に接触する-1ランクのペナルティを取られてしまい、サレグラセブ選手が決勝に駒を進めました。
3位決定戦
3位決定戦、#12横井選手vs#19チヴシャン選手の戦いも熾烈を極め、1本目先行の横井選手が痛恨のアンダーステアによる戻りでランクを落とすも後追いで巻き返しイーブン、ワンモアチャンスへ。
再戦1本目は後追いチヴシャン選手が食らい付き1ランク優位に立ち、その後2本目の横井選手後追いでチヴシャン選手に合わせきれず接触ペナルティで決着。チヴシャン選手が勝ってLeg2を3位で終えました。
決勝戦
Leg2追走決勝戦は#13川畑選手(日産R35GT-R)vs#20サレグラセブ選手(日産R34スカイライン)という日露決戦。1本目、先行の川畑選手が引き離しに掛かるもサレグラセブ選手が食い下がり、サレグラセブ選手が0.5ランクと僅かながら優位に立ちます。
雌雄を決する2本目は、3セクターのヘアピンで微妙に失速気味だった先行のサレグラセブ選手のR34を川畑選手がオーバーテイクをしてしまい、-2ランクの追い越しペナルティの裁定が下され決着。ロシア人ドライバーのサレグラセブ選手が劇的な優勝を飾りました。
IDC初代優勝者=ドリフト世界一は誰の手に??
単走総合優勝
Leg2単走優勝(35ポイント)は#12横井昌志選手で、Leg1単走は5位(22ポイント)でしたが、それに対し#10齋藤太吾選手もLeg1単走優勝、Leg2は5位と両者が57ポイントのトップで並ぶ結果に。
同率の場合、Leg1とLeg2両方での単走平均ポイントが高い方が優先されるため、横井選手の平均98.97に対し齋藤選手が平均99.625で上回り、単走世界一の座は#10齋藤太吾選手が獲得しました。
IDC総合優勝
IDC総合優勝は、Leg1とLeg2での単走と追走の両方で、獲得ポイントが高かったドライバーがIDC初代優勝者の座に輝きます。
2日間を通して、もっとも好成績を納めたのは、#13川畑真人選手(TOYO TIRES GLION TRUST RASING)でIDC初代優勝者として、歴史にその名を刻みました。2位には今大会を通じて最も注目を浴びたロシア人ドライバー#20アルカディ=サレグラセブ選手(PRIMRING TEAM with TOYO TIRES)、3位に単走世界一となった#10齋藤太吾選手(WANLI FAT FIVE RACING)と続き、Intercontinental Drifting Cupの第1回大会を締めくくりました。
まとめ
9/30、10/1と2日間に渡り初めて開催されたIDC(Intercontinental Drifting Cup)いかがでしたか?
筆者率直な感想としては、日本人ドライバーが参戦している海外のドリフトシリーズ(ロシアD1や中国D1)のドライバー達が、日本のトップドライバー達と切磋琢磨していることから強い印象を持ちました。
クルマ作りから走りの質、安定感など日本のD1GPとはまた一味違いますが、来年はさらにレベルアップした各国のドライバー達の走りが見られることが楽しみでなりません。
F1やWRCなどのFIA最高位のカテゴリーと肩を並べる公認競技IDC、毎年日本開催を予定しているので来年が待ち遠しいですね。
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