生産終了してもなお、ファンに大人気のスポーツカー「スープラ」。最終モデルであるJZA80に至っては全日本GT選手権(JGTC)で数々の歴史に残るバトルを繰り広げ、市販車と同様で今でもレースファンを魅了しています。セリカXXからスープラ最終モデルであるJZA80までを今回はモータースポーツの話も交えながら振り返って行きます。
初代A40型/50型
初代スープラにあたるセリカXXは、海外版モデルとして販売されました。
1977年に行われた東京モーターショーで参考出典としてお披露目され、その流れで翌1978年に正式発表され発売されました。
セリカXXは当初、セリカの上級グレードとして用意された車種で、A40型セリカXXではフロントノーズを延長加工する事によってM型直列6気筒エンジンを搭載しています。
エンジン以外の変更箇所としては、この初代セリカXXでは随所にラグジュアリー感を出す為に工夫がされています。
また、4灯式角型ヘッドランプを採用する事によって高級感を出し、カラードウレタンバンパー・ガラス調リアガーニッシュ・Bピラーフィニッシャーなどをそれと合わせて装備しています。
時代が1970年代という事もあり、この頃の主流はマニュアルトランスミッションでした。
しかし、このセリカXXとクラウンで同時にトヨタ車初となる4速オートマチックトランスミッションが設定されたのです。
1980年にはマイナーチェンジが行われましたが、マイナーチェンジ後は7ヵ月しか販売されずに生産を終了しています。
2代目A60型
2代目セリカXXは1981年に発売されました。
北米スープラとしては2代目のモデルとなり、初代モデルに比べてスタイリングが大きく変化しています。
初代セリカXXに見られたラグジュアリー感とは一変し、この2代目セリカXXではその後のスープラで見られるようなスポーティなスタイルへと変更されました。
スポーツカーとして売り出すにあたり、トヨタ自動車は走行性能を向上させるべくロータスに協力を依頼します。
足回りの構造はフロントがマクファーソンストラット、リアがセミトレーリングアームを採用。
搭載されているエンジンはNAエンジンとターボエンジンの設定があり、直列6気筒の2.0リッターエンジンと2.8リッターエンジンが用意されていました。
また、ターボエンジンは2.0エンジンのみで、2.8リッターはNAエンジンのみの設定です。
そして、モデルチェンジに伴いセリカXXは廃止、3代目以降は「スープラ」と改名されています。
3代目A70型(スープラとしては初代)
スープラとしては初代となるA70型は1986年に発売されました。
北米と同じく「スープラ」とする事で、先代までのセリカと差別化を図ったのです。
ボディデザインはかつての名車である「TOYOTA 2000GT」をモチーフにしており、スポーツカーらしいスタイリングに一新。
今ではなかなか街中で見かける事も少なくなりましたが、間違いなく昭和の名車の1台と言えるモデルです。
足回りは先代モデルから一新して前後ダブルウィッシュボーンを採用。
これによってサスペンション剛性が飛躍的に上がり、モデル後期の高出力エンジンに耐えれるようになっています。
というのも、モデル後期にはスープラ最終モデル搭載エンジンのベースになっている1JZ-GEが搭載されているからです。
A70型スープラに搭載されているエンジンは、初期の1G系エンジンと7M系エンジン、そして1JZとなっています。
また、初期かつ下位グレードのエンジンはNA・OHCエンジンという事もあって、105PS程度しかありませんが、モデル後期の1JZに至っては280PSを発生しています。
そして、このモデルからモータースポーツにも参戦!
今では伝説的なレースとなっているグループAに、トヨタ自動車はこのスープラで参戦していました。
このグループAに参戦(ホモロゲーション取得の為)する為のモデルとして、7M-GTE型エンジンにレース専用開発のターボAタービンを搭載。
3.0リッターターボエンジンを搭載した「ターボA」が500台限定で販売され、その販売実績によってグループA参戦を決めています。
実際のレースの成績ですが、残念ながらデビューレースでデビューウィンを飾るも、その後の成績は日産スカイラインGT-Rをはじめとする競合メーカーの登場により振るわず、1990年に撤退しています。
4代目A80型最終モデル(スープラとしては2代目)
1993年に発売されたスープラ最終モデルA80型は、今でもファンに非常に人気の高い車です。
特にモータースポーツでの人気が高かったのは、SUPER GTの前身であるJGTC(全日本GT選手権)での活躍によるものではないでしょうか。
市販車の構造としては、先代モデルに引き続き前後ダブルウィッシュボーン方式を採用しています。
搭載されているエンジンは、先代モデル後期に積まれていた1JZをベースに排気量アップした2JZ型エンジン。
NAエンジンは225PS、ターボエンジンでは280PSを発生し、周回レースだけではなくドラッグレースや最高速のベースマシンとして使われる点が先代モデルと比べての特徴となっています。
また、このスープラは世界中で人気があり、今でもレースだけでなくチューニングベースとしても人気となっていて、映画「ワイルドスピード」にも度々登場しており、日本のアフターパーツも世界中で販売されているのです。
そして、モータースポーツでは主にSUPER GTで活躍しており、GT500クラスにおいて競合メーカーと数々と名勝負を繰り広げました。
auスープラ・エッソウルトラフロースープラをなどの歴史に残るマシンが存在し、スープラ同士のバトルも盛り上がった為、GTファンの心の中には今も思い出として残っているのではないでしょうか?
生産終了から数年経ってレクサスSC430へと車両チェンジされた為、撤退はしましたが、10年以上も同一型式のマシンでレースをしていたのは驚きです。
GTマシンのスープラのスタイルの良さから、GTエアロキットとして市販車用エアロパーツも販売され、スープラオーナーに夢のチューニングだったのではないでしょうか?
まとめ
いかがでしたか??
セリカXXは今でも旧車として大きな魅力があります。
初期のセリカXXと比べると、スープラ2世代はスポーツカーとして進化して行ったのが分かります。
特に最終型のA80型は「打倒日産」という目標を掲げて開発・レース参戦を行っていました。
今でも中古車として購入する事は可能ですので、スープラが欲しい!という方は中古車屋さんを探してみてはいかがでしょうか?
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