性能も技術も日々進歩し続けているバイクの世界。バイクメーカーは改良やモデルチェンジを繰り返し、ライダー達は毎年新しくなったバイクを心待ちにしていると思います。その中で時代が移り変わっても、魅力が色あせない旧車の存在。カワサキが作り出した稀代の名車、Z1とZ2もその1台ではないでしょうか。旧車と呼ばれるバイクが多く存在する中、Z1とZ2は特に希少価値の高いオートバイで、販売開始から40年以上経った現在、中古車市場では250万円を超え、状態の良いものは車体価格に600万円もの値が付く事も!!今回は、そんな旧車の頂点とも言える、カワサキ Z1とZ2をご紹介をしたいと思います。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AF%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%83%BBZ1

 

 

カワサキ Z1の生産背景

 

 

言わずと知れた名車中の名車、カワサキ Z1。

この『Z1(ゼットワン)』というのは実は通称で、正式名称は『900 Super Four』です。

Z1という名前が有名なあまり、知らなかったという人も意外と多いのではないでしょうか。

そしてカワサキの代名詞である『Zシリーズ』は、このZ1から始まりました。

では何故『Z』なのか。

それは当時のカワサキが開発した究極の一台であることを意味しており、アルファベットに『Z』以降が存在しないことが由来しています。

そんなZ1が販売されていた期間は1972年から1976年までと短く、北米市場に向けて生産されたモデルでした。

そのためメーター表記は、キロメートル表記ではなくマイル表記。

これは、シルエットが似ているためか、よく混同されるZ2との違いのひとつです。

そしてZ1が開発された背景は、HondaのCB750Fourの存在を無くしては語れません。

Z1と同様に名車の1台であるCB750Fourは、1969年に発売が開始され、北米市場ではすでに圧倒的な支持を得ていました。

当時カワサキは主に2ストロークのバイクを作っており、マッハなどがその代表格でしたが、4ストロークのバイクではW650が主力で、それ以上の排気量の4ストロークバイクは、カワサキには存在しなかったのです。

しかし当時の北米では、2ストロークよりも4ストロークが好まれる傾向にあり、カワサキは早急に4ストロークモデルの開発へと、戦略の舵を切る必要がありました。

そしてCB750Fourに遅れること3年、Z1は4ストロークの大型排気量バイクとして登場し、人気を博したのです。

もしCB750Fourというバイクが存在しなければ、時代の流れのままにZ1が誕生する事は無かったかもしれません。

 

カワサキ Z2の生産背景

 

#チョイ乗り #750rs #z2 #東京鉄管

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カワサキのもう一つの名車である Z2。

Z2も旧車と呼ばれるバイクの中で希少価値の高い一台ですが、Z1とは異なる色合いを持っています。

また、こちらも通称『Z2(ゼッツー)』の呼び名で愛されていますが、正式名称は『750RS』または『Z750Four』。

そして、Z1の排気量は903ccであるのに対し、Z2は746cc。

いわゆる『ナナハン』と呼ばれる排気量のバイクでした。

Z1は主に北米市場をターゲットにしたバイクでしたが、当時の日本国内では750ccを超えるオートバイの生産はバイク業界の自主規制により制限。

そのため国内に向けて作られたZ2は、日本のライダー達にとって待ち望まれた1台だったのです。

しかし単純にZ1の排気量をボアダウンさせたのではなく、クランクシャフトやシリンダーといったエンジンの根幹から設計が見直されます。

そのためZ1の意志を継ぐ兄弟分でありながら、設計を一新して誕生したZ2は、先代のZ1の出来栄えを凌ぐとも言われました。

そしてZ1の登場から遅れること1年、1973年に発売を開始。

Z2人気の要因の一つとして挙げられるのはそのデザインで、重量感ある大柄なボディにマッチした流れるようなティアドロップ型のタンク及びオレンジとブラウンからなる通称『火の玉カラー』は、Z2のアイデンティティと言えるでしょう。

また、丸形のミラーは『ゼッツーミラー』と呼ばれることが多く、今でもカスタムの定番です。

そんなZ2というバイクが、それ以降のモデルに与えた影響は計り知れません。

Z2の再来と呼ばれたゼファーは、Z2デザインの影響を強く受けており、火の玉カラーリングを施したバイクが多く存在するなどの事実は、現在まで続く人気の高さを示しています。

 

Z1/Z2スペック紹介

 

『Z1』

   900 Super Four

   (1972年式)

『Z2』

   750RS

   (1973年式)

エンジンタイプ 空冷4stDOHC

並列4気筒

空冷4stDOHC

並列4気筒

全長×全幅×全高 (mm) 2200×865×1170 2200×865×1170
シート高 (mm) 780 780
乾燥車体重量 (kg) 230 230
排気量 903 746
最大出力 82ps / 8500rpm 69ps / 9000rpm
最大トルク 7.5kg / 7000rpm 5.9kg / 7500rpm
燃料タンク容量 (L) 18 16
生産期間 1972-1976 1973-78

 

Z1とZ2は中古車市場価格250万円超え?

 

 

今もなお多くのライダーにとって憧れのモデルであることは間違いないのですが、Z1とZ2は共に誰もが簡単に手にできるバイクではなくなってしまいました。

中古車市場では250万円を超えており、状態の良いものは車体価格に600万円もの値が付いている場合も。

そんなZ1とZ2の価格が大きく上がり始めたのは、1990年前後から。

市場価格が上がった背景の一つに、1981年から連載がスタートした人気漫画『あいつとララバイ』があるかもしれません。

あいつとララバイでは主人公がZ2に乗っており、多くのライダーの胸を熱くしたことは確かです。

しかし残念ながら旧車の宿命ではありますが、販売開始からすでに40年以上経っているため、状態のいいZ1とZ2は年々減少しています。

そのためZ1とZ2は、今後も価値が徐々にあがり続けていくのではないでしょうか。

 

Z1の再来?カワサキ Z900RS

 

Copyright (C) 2013 Kawasaki Motors Corporation Japan All rights reserved.

 

『Z2の再来』と呼ばれたゼファーなど、現在まで多くのZシリーズがバイクシーンを彩ってきました。

そしてZ1が誕生して約50年。

『Z1の再来』ともいえる、Z900RSが今年、2018年7月1日に登場。

Z1の雰囲気を引き継ぎながらも現代らしさを融合させたZ900RSは、古き良きバイクと進歩した技術がマッチしたモダンレトロな雰囲気を持ち合わせた1台。

現代らしさというのは、倒立フロントフォーク、ホリゾンタルバックリンクリヤサスペンションの採用といったところで、旧車にはないトラクションコントロールや、液晶パネル、LEDなどといった、最新技術も搭載されています。

 

 

Copyright (C) 2013 Kawasaki Motors Corporation Japan All rights reserved.

 

また、派生車種であるZ900RS CAFEも登場し、その名の通りカフェレーサータイプでレトロな印象を残す一台となっています。

 

まとめ

 

今回は旧車の中でも高い人気を誇る、カワサキ Z1とZ2をご紹介しました。

Z1を始まりとして、カワサキではZの遺伝子が脈々と受け継がれており、最近では2018年にZ1を彷彿とさせる『Z900RS』を発売

歴代の名車を踏襲する形で、さらに良いバイクが出てくるのは嬉しいものです。

そして今後も、Z1やZ2のように旧車としての地位を確立するバイクが出てくるのでしょうか。

そのようなバイクに出会えることを、切に待ち望むばかりです。

 

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