スバル ジャスティといえば2018年現在ではダイハツ トールのOEMを受けたトールワゴンですが、初代モデルはスバル独自生産車としては史上唯一、直列3気筒エンジンを搭載した小型ハッチバック車でした。4WDやECVT、4輪ストラットサスペンションなどスバルらしいメカニズム満載のリッターカーは、海外では

今でも

トンデモないモディファイを受けつつ走り続けています。

 

初代スバル ジャスティ(前期型)  / COPYRIGHT© TOYOTA MOTOR CORPORATION.All Rights Reserved.

 

覚えていますか?水平対向エンジンを積まないスバルのリッターカー!

 

初代スバル ジャスティ4WD(前期型)  /  出典:https://www.favcars.com/subaru-justy-3-door-4wd-1984-88-wallpapers-338411-800×600.htm

 

スバルと言えばまずは水平対向エンジン。

直列エンジンはあれども試行錯誤時代に暗中模索の末実験的に作ったスバル1500や軽自動車、あるいはスバル450など軽自動車の輸出用モデルくらいと思えばさにあらず。

直列2気筒エンジンの『EK』系では665cc(EK42)まで、後継の直列4気筒『EN』系でも758cc(EN08)までが排気量アップの限界だったようで、輸出用世界戦略車にこの排気量ではさすがに非力に過ぎると考えたのか、直列3気筒の『EF』系を開発していました。

そして、このエンジンを搭載するリッターカー、つまり世界戦略車として1984年2月に発売されたのが初代ジャスティで、基本的には軽自動車の2代目レックスがFF化された通称『FFレックス』をベ-スとした、見た目は堅実で平凡な車です。

しかし中身は『まさにスバルらしい』メカニズム満載の非凡な車で、排気量アップや大幅にデザインの変わるビッグマイナーチェンジを受けつつ、1994年12月まで10年以上販売されました。

とはいえ日本での印象は今ひとつ薄く、モデル廃止から10年もすれば『あの人は今』レベルで忘れ去られていましたが、ジャスティの他『スバル トレンディ』などの名前で輸出されていた海外では今でも元気に走っている姿が見られます。

 

4WDにECVT、4輪ストラットと中身はスバルらしさ全開!

初代スバル ジャスティ(後期型) / 出典:http://www.en.japanclassic.ru/booklets/191-subaru-justy-1993-ka.html

 

外観こそ地味な初代ジャスティですが、中身となればまた話は別で、エンジンこそ当初1.0リッター(EF10)、後に1.2リッター(EF12)の直列3気筒SOHCエンジンで、ドミンゴに積まれたものと基本的には同じ平凡なエンジンであり、燃料供給方式も基本は電子制御キャブレター、後にEMPi(電子制御インジェクション)仕様がEF12へ追加されたくらい。

しかし1984年当時、他社のリッターカーではまだどこも採用していなかった4WDをいち早く搭載し、パートタイム4WDでしたがシフトノブのボタンひとつでFFと4WDを切替可能で、路面状況が良くない場合でも安定感あるドライブを売りにしていたのがスバルらしいところです。

サスペンションも他社のリアサスペンションが大抵リジッドかせいぜいセミトレーリングアームといった低コスト構造のところを、初代ジャスティは4輪ストラット。

しかも初代ジャスティ発表と同時にオランダのVDT社と共同開発した『世界初の電子制御電磁クラッチ式無断変速機』TB40型ECVTも公開し、1987年には量産車として初搭載してみせます。

もっとも、この電磁クラッチが作動にかなり大きなショックを伴う代物で、停止時にはガチャっと切れ、発進時はドカンとつながるためあまり快適とは言えません。

しかもクラッチこそ電子制御でしたが無段変速そのものは単純な機械制御、低速時には停止直前まで普通のギアで言う『ロー』にならないので再加速が鈍く、荷物を積みすぎたり激しい加減速への耐久性が低いなどの欠点もありました。

それでも走り出しさえすれば変速ショックは無くて極めてスムーズでオートマとしては非常に効率が高く低燃費だった事から、以後もスバルでは用途に応じて通常のトルコン式ATも設定しつつ、ECVTの採用も拡大していきます。

 

リッターカーと侮るなかれ!史上最強の?ミッドシップ・ジャスティ

ベーシックなリッターカーなので派手さとは無縁と思われがちなジャスティですが、海外ではかなり派手なチューニングが行われています。

初代スバル ジャスティ後期型ベースだが、「ジャ、ジャスティってこういう車だっけ…?」と言いたくなる。強い。 / Photo by Ben

 

上の動画および画像のジャスティは400馬力の2.5リッター水平対向ターボエンジンをミッドシップに搭載し、後輪を駆動するというグループBラリーマシンさながらのモディファイが施された『堅実なリッターカー』というジャスティの印象を覆す存在です。

ニュージーランドでヒルクライムやラリースプリント(ラリー競技のSSステージのみ走る競技らしく、日本でのダートトライアル競技に近い)に出場しているそうですが、日本でもまだ競技車両としてJAF登録が生きているので、その気になれば参戦は可能。

 

初代スバル ジャスティはさまざまなモディファイを受け、今でも海外モータースポーツでの人気は相当な模様。 / 出典:http://www.cardomain.com/ride/2120230/1994-subaru-justy/

 

しかし、日本では1980年代にまだダイハツ ミラTR-XXやスズキ アルトワークスの軽4WDターボ車が登場する以前、マーチやシャレードなどリッターカーで戦われていた全日本ラリーAクラスで活躍していたくらい。

4WDを活かせるグラベル(未舗装)イベントでは優勝するなどかなり健闘した記録が残っていますが、ターボ化などのさらなる過激チューニングをしていた海外ほど派手な活躍では無かったようです。

 

主なスペックと中古車相場

初代ジャスティは『世界初の電子制御電磁クラッチ式無断変速機』ECVT初搭載車だった。 / 出典:http://www.en.japanclassic.ru/booklets/179-subaru-justy-1987-ecvt-ka.html

スバル KA5 ジャスティECVT 1987年式

全長×全幅×全高(mm):3,535×1,535×1,390

ホイールベース(mm):2,285

車両重量(kg):660

エンジン仕様・型式:EF10 水冷直列3気筒SOHC6バルブ

総排気量(cc):997

最高出力:81kw(63ps)/6,000rpm

最大トルク:194N・m(8.5gm)/3,600rpm

トランスミッション:CVT

駆動方式:FF

中古車相場:皆無

 

まとめ

 

初代スバル ジャスティ(後期型)  / 出典:https://sk.wikipedia.org/wiki/S%C3%BAbor:Subaru_Justy_-_Flickr_-_Axel_Schwenke_(2).jpg

 

筆者は昔、全日本ジムカーナ選手権N1クラス(当時は1,000cc以下のマシン)に550ccのダイハツ リーザTR-ZZで参戦していましたが、その当時は550ccターボの軽自動車やシャレードなどリッターカーの他、初代ジャスティも有力候補でした。

しかし、マシン選びをしていた2002年当時には中古車市場ですら初代ジャスティはかなりマイナーな存在で、ましてや1988年までの前期型にしか存在しない1リッター車など、ほとんどありません。

ライバルより少々マイナーとはいえ、一時は街で普通に見られる車だったのにどこへ行ったかと思いきや中古車も含め多くは輸出されたようで、海外サイトでは今でも街乗りからモータースポーツまで元気に走り回る初代ジャスティの姿が紹介されています。

というように日本では「スバルでも昔はコンパクトハッチバックのリッターカーを独自生産していたんだよ?」と思い出の1ページになりつつありますが、海外ではまだまだ現役車の1台なのです。

 

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