で、ぶっちゃけ…どうなの?

Photo by Tomohiro Yoshita
メーカーテストを1日取材してみて感じたことは、各スペックで明確な違いが出ていることは証明されたので、あとはそれが実際のレースでどう機能するか。
こればっかりは、実際に始まってみないと分からないというのが、現状の答えになってしまう。また興味深かったのは、どこのチームもソフトタイヤでのロングランテストを行っていなかったということ。

Photo by Tomohiro Yoshita
第3戦富士でポールポジションを獲得したストフェル・バンドーンは「ロングランテストはしなかった。その前に僕たちは解決しなければいけない課題がたくさんあるからね」とのこと。
まず超レベルが高いスーパーフォーミュラで優位にレースを進めていくためには、車体側のポテンシャルをどこまで引き出せるのかが重要要素の一つとして各チームとも捉えている模様。
特にスーパーフォーミュラはシーズン中にテストをする機会がほとんどないため、今回の走行をセットアップの確認に充てていたチームも少なくなかったようだ。
その分、決勝でのソフトタイヤの保ち具合については、どこも未知数。「タイヤが垂れることはないだろう」というのが大半の見解だが、実際にフタを開けてみてどうなるのか?ここも見逃せないポイントになりそうだ。
唯一のリクエストは…「ファンに分かりやすく」を重要視してほしい

小暮卓史の走行シーン、上がミディアム、下がソフト装着時/Photo by Tomohiro Yoshita
基本的に、今回の取り組みについては、筆者自身は大賛成なのだが、強いて言うなら、一つだけリクエストがある。
それが「外観からの視認性」だ。
前述の通り、見分けがつくようにという形で、ソフトタイヤに赤い印をつけてはあるのだが、正直コースサイドで取材してみての感想は「意識してタイヤを見ないと判別できないレベル」だった。
実際、同じように複数コンパウンドを使用しているF1は、すぐ見ただけで色の違いが判別できるほどのロゴの色まで変えるほどの工夫を凝らしてある。

富士スピードウェイのヘアピンから。ここまで遠いと見分けるのが難しくなってしまう/Photo by Tomohiro Yoshita
しかし、今回のヨコハマタイヤに関しては、色分けという点が大胆になりきっていない分、パッと見では区別がつかない。
太陽の光やスタンドの位置によってはさらに見分けるのが難しくなるとも感じた。
もてぎは比較的コースとスタンドの距離が遠い場所もあるため、それも考慮しての見分け方を、この1ヶ月で模索していただけるとベストなのかなと感じた。
実際、これに関してもテスト段階の様子で、もてぎのレースウィークに向けて、見直していく模様。
時間が限られているため、どこまで実現するかは未知数だが、是非「ファンにも分かりやすく」という点で、ギリギリまで努力していただけると幸いだ。
まとめ

Photo by Tomohiro Yoshita
いろいろ話してきたが、今回の2スペック導入は、今後のスーパーフォーミュラがさらに面白くなっていくための第一歩。
なので、これで全てを判断するのではなく、このレースで得られるデータや結果をもとに、来年以降の試金石にして、中・長期的に戦略的にもっと幅が出るタイヤが誕生していってくれると、さらに見応えあるレースになっていくことを期待したい。