セルフアライニングステアという言葉を知っていますか?知らなくても運転に支障はありませんが、知っておくと目から鱗!活用すればステアリングワークが上手くなります。そんな、セルフアライニングステアというモーメントの定義とその仕組み、そしてドリフトに見るセルフアライニングステアの3点をチェックしてみましょう。
進行方向へタイヤを戻そうとするモーメント
スリップアングルのついているタイヤを進行方向へ戻そうとするモーメント、それがセルフアライニングステアで、セルフアライニングトルクと呼ばれることもあります。
現象の具体例を説明すると、交差点でステアリングを左に切って左折した後、アクセルを踏んだ際にステアリングが自然に右に回転して元の位置に戻ることなど。
この現象を理解していると、ステアリング操作がこれまで以上に上手くなります。
転がり抵抗によってセルフアライニングステアが発生する
セルフアライニングステアは、どうして発生するのでしょうか。
それはタイヤに働いている転がり抵抗と横力の着力点の2つが関係しています。
ここでいう転がり抵抗とは、タイヤの中心を通りなおかつその鉛直面後方で進行方向とは逆方向に働いている力のこと。
そしてこの転がり抵抗のキッカケとも言えるのが着力点と呼ばれるもので、着力点はタイヤ中心面の進行方向に対して直角に働いている横力の着力点でもあります。
転がり抵抗が、スリップアングルのついたタイヤを直線方向へ戻そうとする力として働くため、セルフアライニングステアのようなモーメントを発生させるのです。
とはいえ、ただ転がり抵抗が発生するだけでなく、着力点が「タイヤの中心を通りなおかつその鉛直面後方」にあることが重要となります。
なお、スリップアングルが増大すると、一定の数値まではスリップアングルの増大に比例して転がり抵抗が増加します。
転がり抵抗が増加したということは、セルフアライニングステアによるステアリングの戻りもその分だけ勢いが増すということです。
ドリフトに見るセルフアライニングステア
意識していれば日常生活の運転でも目にすることとなるセルフアライニングステアですが、ドリフト競技ではセルフアライニングステアをよく見かけます。
コーナーでドリフトする時やS字のような振り返しの場面では、動画でご覧いただくとわかるようにステアリングがかなり回転していることがわかります。
それだけ転舵が行われている(スリップアングルが付いている)と言うことの現れでもありますが、ここで注目したいのは、その際のドライバーのステアリング操作です。
動画のように、セルフアライニングステアが発生している際でも、ドライバーは意図的で綺麗なステアリング操作をしており、無駄が全くありません。
これはどういうことかと言うと、ドリフト時のスリップアングルやそれによるステアリングの動きを全て把握・理解していて、積極的にステアリング操作をしているということなのです。
まとめ
セルフアライニングステアによってステアリングがどのような動きをするのか理解することができれば、街中でのステアリング操作がより楽しいものとなります。
とりあえず、停車状態でステアリングをいっぱいまで切って、ゆっくりアクセルを入れるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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