貴重なレーシングカーを走らせ、保存する事を趣旨とした鈴鹿Sound of Engine。
グループCやF3000、クラシックカー、最新スーパーカーまで幅広いジャンルの、総額数十億円にものぼる貴重な車が鈴鹿サーキットで、一挙に疾走する1大イベントです!

鈴鹿Sound Of Engineとは?

Photo by Takuya Ikeda

2015年から鈴鹿サーキットで開催されている鈴鹿Sound Of Engine。

このイベントは、歴史的価値のある車を、ただ倉庫で保存するのではなく、サーキットで走らせることで後世に遺していくという趣旨のもと行われています。

毎年、国内だけでなく海外からも貴重なレーシングカーを呼び寄せ、モータースポーツ好きから絶大な支持を集めているこのイベント。

2019年は11月16日、17日の2日間で開催されます。

今回は、直前に控えた鈴鹿Sound Of Engineの注目車両をピックアップして紹介していきます。

先週公開したF1篇もお見逃し無く!(https://motorz.jp/race/95393/ )

マツダ767B

photo by Takuya Ikeda

787Bがルマン24時間レースで優勝する2年前に、同レースで7位入賞を果たした767Bというマシンをご存知でしょうか?

緑とオレンジの鮮やかなカラーリングが印象的で、今でも人気の高いレナウンカラー、実はこの767Bが最初なんです。

また、中身は787Bとは大きく違い、モノコックはカーボンではなくアルミ、ブレーキディスクも鉄製であることからも、過渡期のマシンということが良くわかります。

この車は以前、英国ウェスト・サセックスにて開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード 2015」で大クラッシュ!

フロントカウル周辺を大きく破損したのですが、そこから2年をかけて修復し、見事復活を遂げたのです。

復活後、展示やMEGAWEBでのデモランはあるものの、国内サーキットで公開走行するのは初めてのこと。

当日は787BのJSPC仕様も参加予定ですので、2台のランデブー走行を楽しめるでしょう。

フォードGT MK2

Photo by Takuya Ikeda

一般的には『GT40』の名で知られている名車が今年も走行します。

車高が40インチしか無いことに驚いたスポーツ記者によって、GT40の愛称をつけられたこの車。

’60年代当時、ルマンで敵なしだったフェラーリを買収しようとしたものの、拒絶されたフォードが、だったらフェラーリを倒すしかないと作ったのがフォードGT MK1です。

1964年のルマンに満を持して投入するも、経験のなさが影響し、全車リタイアの憂き目にあいます。

さらに体制を強化した翌年1965年も、またもや全車リタイア。

そこで生まれたのが、今回登場するGT MK2です。

エンジンを4.2リッターから7.0リッターに拡大し、レースには8台ものGTを投入した1966年。

ついに念願のフェラーリを倒してのル・マン優勝を果たしました。

その後1969年まで改良を続けながら使用され続け、4連覇を達成しました。

ちなみにこのエピソードを映画化した作品「フォードvsフェラーリ」が来年1月に公開予定!こちらも要チェックですよ。

ポルシェ935フラットノーズ

出典https://www.suzukacircuit.jp/soundofengine/

ポルシェ伝説のレーシングカー、ポルシェ935/78モビーディック。

それを現代に蘇らせたのが、このポルシェ935フラットノーズです。

昨年、米国で行われたイベントにて突如発表されたこの車は、ポルシェ創立70周年を記念して作られました。

ベースとなるのは911GT2RSですが、サーキット専用マシンとしての役割を果たすために大きく手が入れられています。

外装は当然935をイメージしたデザインになっていますが、それに加えてミラーにはルマン参戦中のGTカーの物をそのまま使用、テールライトにはLMP1用のLEDを採用しています。

また、鮮やかな赤色のホイールキャップが目立つ足回りは、サーキットで耐えうるように、サスペンションもブレーキもしっかり強化されています。

内装は、パドルシフトやカーボン製Dシェイプステアリングなど、現代レーシングカーの必須条件を満たしつつ、シフトノブにウッドを用いるなどしっかりと往年のマシンの要素をミックス。

世界限定77台、約1億円で発売されたこの車は当然即完売。

そんなポルシェ935フラットノーズ、当然今回のイベントが初来日かつ初走行。

これを逃すと次にいつ見られるかわからない!?大変貴重なチャンスを逃す手はないですよ!

プリンス・スカイラインGT

出典https://www.suzukacircuit.jp/soundofengine/

1964年、第二回日本GPに出場し、2位を獲得したプリンス・スカイラインGTが3年ぶりに走行します。

スカイライン好きなら有名な「スカG伝説」、まさにその伝説を誕生させたのがこの車なのです。

前年の第一回GPに無改造の車両で参戦したところ、他社が大幅に改造した車両を多数投入してきたことで全く刃が立たず惨敗。

この結果に社長が激怒、翌年の日本GPには必勝体制で臨むよう指示します。

ベース市販車の設計と並行してレース専用車両を作成、テストでは日本車初となる鈴鹿サーキット3分切りを達成し、優勝の最有力候補に名乗りを上げました。

しかし、レース直前になって急遽ポルシェ904の参戦が発表されます。

スポーツカーメーカーであり、レース車両製作の経験も豊富なポルシェが市販した904は日本勢とはレベルの違う走りを見せつけ、簡単に3分を切るタイムを記録しポールポジションを獲得します。

しかし、レースでは直前のクラッシュの影響があってかポルシェ904のペースが上がらず、周回遅れに引っかかったタイミングで2位のスカイラインが904をオーバーテイク!

1周だけとはいえ、ポルシェを従えてトップを走行したことで、観客は大興奮!

ここから、現代まで続くスカイライン伝説が始まったと言われています。

今回、ライバルであったポルシェ904も走行予定ですので、当時の様子を再現してくれるかも!?

まとめ

Photo by Takuya Ikeda

今回取り上げた車の他にも、貴重なレーシングカーやクラシックカーが100台近く参加します。

更には、レジェンドドライバーによるデモレースや、最新スーパーカーの展示など一日中楽しめるイベントが盛り沢山!

今週末は是非鈴鹿へ足を運んでみてはいかが?

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