VFR400Rというバイクをご存知でしょうか?1980年代に登場し、ホンダ技術の結晶であるV型4気筒エンジンを搭載したマシンです。短い生産期間の間に2度のフルモデルチェンジが施され、レーシングマシンさながらのスペックと車体デザインから、当時走り屋からも多くの人気を集めました。その後VFR400Rの後継V4マシンとして熟成したRVF400 (NC35) が登場。今回はホンダのV4マシンを語る上で欠かせない、VFR400Rをご紹介したいと思います。

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBVFR

 

 

VFR400Rの生産背景

 

 

1984年から開催されていた全日本ロードレース選手権のTT-F3クラスでは、ホンダのRVF400がその技術力の高さから2連覇。

1986年、そのレーシングマシンの技術を公道仕様にフィードバックしたバイクが、VFR400Rでした。

エンジンは先代モデルのVF400Fをベースに、クランク角が変更され、剛性の高いアルミツインチューブフレームを採用。

バルブ駆動方式はホンダ独自の技術であるカムギアトレーンが使用されるなど、ホンダの技術が結集していました。

また、1980年代といえばレーサーレプリカの全盛期でもあります。

各メーカーが速さに注力したバイクを発表する中、市販車で59馬力ものパワーを発揮するVFR400Rの性能の高さは、多くのライダーを驚かせました。

その後ホンダが得意とするV4エンジンの技術は、RVF400 (NC35) やVFRシリーズなど多くの名車を生み出していきます。

 

VFR400R

VFR400R  NC21

 

出典:http://www.honda.co.jp/news/1986/2860718.html

 

VFR400Rと聞くと、スイングアームは片持ちのプロアームで、ヘッドライトは丸い2灯を思い出す方が多いかもしれません。

しかしVFR400Rとして初めて世間に知れたのが、このNC21という型式。

こちらはプロアーム等が採用される前のモデルで、スポーツレプリカではありますが、ポジションなども最近でいうスポーツツアラーに近い部類かもしれません。

白バイのバイクとしても使用されている、現代のVFRに通ずるものが感じられる1台でした。

また、型式NC21からホンダ独自のカムギアトレーンが採用されています。

カムギアトレーンとは、ホンダが得意とする技術の一つで、エンジンの動力を伝えるカムは通常チェーンタイプが使われますが、ホンダはギアタイプを採用。

4サイクルエンジンの吸気と排気を行うカムをギアにすることで、高回転時に見られたチェーンの伸縮等による影響を受けずに、精度の高い燃焼バルブのコントロールが可能になります。

近年カムギアトレーンを採用したバイクは生産されていませんが、その性能の高さと他には見られない、カムギア独特のレーシーなサウンドを好むライダーも多いのではないでしょうか。

 

VFR400R  NC24

 

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VFR400Rの発表からわずか1年、早くもフルモデルチェンジが行われ、VFR400R二代目となるNC24型が発表されました。

NC24ではエンジンの吸気と排気効率の見直しが成され、400ccの排気量クラスでは当時最高トルクを発揮しました。

他にも大きな変更点として、スイングアームに片持ちのプロアームを採用。

当時プロアームは画期的な技術で、世界耐久選手権で2連覇したレーシングマシンであるRVF750に使われていました。

片持ちのスイングアームはなんといっても、そのカッコよさに多くのライダーが魅了されていると思います。

見た目もさることながら、メリットがあるからこそプロアームが採用されているのです。

採用される理由は、タイヤホイールの交換にかかる時間の短縮や中央にリアブレーキを置くことによる配置バランス、チェーン整備の簡易化などです。

しかし、コーナリング旋回時の左右バランスを考慮すると、片持ちによる重量配置の違いが出てきてしまうので、近年では剛性値のより高い、両持ちスイングアームを採用しているレーシングマシンの方が多数となっています。

 

VFR400R  NC30

 

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NC24へのフルモデルチェンジが成された翌年、VFR400Rは更にバージョンアップ。

VFR400Rの最終形態ともいえる、NC30型が登場しました。

先代のNC24とは異なり、より前傾姿勢でのポジション。

そして片持ちのスイングアームや、セパレートタイプのシートはNC24から踏襲し、よりスポーティーに。

また、NC30にはバックトルクリミッターや、市販車としては初となる小径点火プラグが採用されました。

さらにクランクシャフト角を360度に変更したことにより、高回転時のフィーリングを強く残したまま、低回転域からのトルクも強力に。

RVFの技術の恩恵を受けて市販車化されたNC30は、まさに公道を駆け抜けるレーシングマシンと言っても過言ではないです。

 

VFR400Rのスペック紹介

 

VFR400R NC21

   (1986年式)

VFR400R NC24

   (1987年式)

VFR400R NC30

   (1992年式)

エンジンタイプ 水冷4stDOHC

V型4気筒

水冷4stDOHC

V型4気筒

水冷4stDOHC

V型4気筒

全長×全幅×全高 (mm) 2010×705×1125 2010×690×1125 1985×705×1075
シート高 (mm) 765 770 755
乾燥車体重量 (kg) 163 164 167
排気量 399 399 399
最大出力 59ps / 12500rpm 59ps / 12500rpm 59ps / 12500rpm
最大トルク 3.7kg / 11000rpm 4.0kg / 10000rpm 4.0kg / 10000rpm
燃料タンク容量 (L) 16 16 15
生産期間 1986 1987 1988-1994

 

VFR400Rの中古車市場

 

 

VFR400Rの発売開始から30年以上が経ちました。

型式ごとに中古車市場を見ると、NC21とNC24は生産期間がそれぞれ1年間と短く、タマ数がかなり少ない状態が続いているようです。

相場はともに35万円前後。

VFR400Rの最終型式であるNC30は、先代の型に比べれば車体数はあるようですが、それでもタマ数が多い車種とは言えません。

相場は40万円前後。状態の良い車体は60万円程度の値が付いています。

定番のトリコロール、そしてロスマンズのカラーリングが施された車体は人気が高いようです。

 

まとめ

 

今回はレーサーレプリカ全盛期にホンダが作り出したV4マシン、VFR400Rをご紹介しました。

全日本ロードレース選手権や世界耐久選手権など、名だたるレースで結果を残してきたホンダの技術の恩恵を受けたVFR400Rは、規制前とはいえ、市販車とは思えない性能の高さ。

わずか3年間しか生産されませんでしたが、毎年モデルチェンジが行われていたVFR400Rはクルマで例えるとランサーエボリューションのようなバイクかもしれませんね。

そんなVFR400Rは、レーシングマシンであるRVFから血統を受け継ぎ、さらに後継車RVF400 (NC35) へ繋がっていきます。

レーサーレプリカマシンとして、産声を高らかに上げたVFR400。

近年では車体数が少なくなっていますが、歴史あるホンダV4エンジンを継いだバイクとして、ぜひ乗ってみたいものです。

 

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