原付のフルサイズレプリカバイクで大人気だったホンダNS-1。普通2輪運転免許を取得する前に、ミッションバイク操作や250cc・400ccレプリカバイクに乗るための練習として、初めて購入したバイクがNS-1だった!という方も少なくありません。そんなNS-1を覚えていますか?

 

ホンダ NS-1 後期

© Honda Motor Co., Ltd.

 

ホンダNS-1とは

 

ホンダ NS-1 後期

© Honda Motor Co., Ltd.

 

NS-1は、ホンダが1991年2月15日から製造・販売していた排気量49ccの原付バイクです。

車体は17インチのホイールを装着したフルサイズモデルで、通常タンクになる部分がヘルメットや荷物を入れるメットインスペースになっており、レプリカバイクでありながらスクーターのようなユーティリティーを実現しています。

12インチタイヤのホンダNSR50と同型のエンジンを搭載しているため、エンジンカスタムパーツはNSR50のものを流用可能。

NS-1専用のメーター類やチャンバーなどカスタムパーツも豊富に販売され、カスタムベースのバイクとしても人気でした。

 

ホンダNS-1の魅力

NS-1は原付バイクとは思えない大きさで、パッと見れば250ccレプリカバイクを思わせるスタイルでした。

そしてタンク部分がフルフェイスヘルメットや小荷物の収納に便利なメットインスペースとなっていることも、多くのユーザーから支持を受け、街乗りに最適な原付レプリカバイクという魅力的なポジションを確立しました。

また、レーサーレプリカとしての作りはしっかり設計されており、フレームはダイヤモンド式を採用。

前後ブレーキはディスク式、サスペンションはフロントにテレスコピック、リアにモノサスを搭載するという原付とは思えない豪華装備で、NS-1は街中だけでなく、サーキットや峠でも十分にスポーツ走行が可能なポテンシャルを持っていました。

 

ホンダNS-1とヤマハTZR50/TZR50Rはどっちが人気?

NS-1のライバル車と言えば、ヤマハTZR50R(前期モデルはTZR50)ではないでしょうか。

この2台はどちらが優れたバイクで人気が高いのか、原付レプリカバイクユーザーの間で度々議論となっていました。

その中で一番多かったのは「NS-1は街乗り、TZR50Rはサーキットや峠」という意見です。

2台の詳細な販売台数について把握できていませんが、現在出回っている中古車のタマ数でみるとNS-1のほうが多く、人気の軍配はNS-1にあったのではないかと推察されます。

 

ホンダNS-1のモータースポーツでの活躍

 

モリワキ MH80

出典:http://www.moriwaki.co.jp/global/racing/md250.html

 

NS-1の弱点といえば、原付レプリカバイクの中で比較的車重が重いこと。

TZR50Rより8キロも重く、50㏄でこの車重差はかなり性能の差にもつながります。

一部のユーザーからは、NS-1はレプリカバイクでありながら峠やサーキットには向いていないとも言われていました。

しかし、NSR50のカスタムパーツが流用できたり、原付の中で人気の高いバイクだったことでチャンバーやカウルなどが多く販売されており、2ストMT車のクラスや改造無制限のOPENクラスのレースで、NS-1を使用するライダーは多くいました。

ホンダ系コンストラクターのモリワキエンジニアリングは、NS-1にホンダのモトクロッサーCR80MXのエンジンを搭載したレーサーマシン「MH80R」を販売し、MH80Rのワンメイクレースが国内のみでなく海外でも行われました。

それにより、MH80Rのレースからキャリアをスタートさせたプロライダーも多く、NS-1ベースのレーシングマシンは若くて才能のあるライダーを育てていったのです。

 

ホンダNS-1前期モデル/後期モデルの違いやスペック・価格

 

NS-1は前期モデルと後期モデルがあり、ヘッドランプの形状で見分ける事が可能です。

前期モデルと後期モデルでスペックはほぼ同一ですが、ヘッドランプ以外の違いはあまり知られていません。

前期モデルと後期モデルの詳細な違いは、どのようなところだったのでしょうか。

 

ホンダNS-1前期モデルの特徴

 

ホンダ NS-1 前期

© Honda Motor Co., Ltd.

 

前期モデルは250ccレーサーレプリカNSR250Rと同じヘッドランプ形状で、カラーリングも人気だったロスマンズカラーを用意するなど、NSR250Rの外観を強く意識したデザインでした。

おそらく普通自動2輪車免許を取得していないものの、レーサーレプリカバイクに憧れた普通自動車免許や原付免許保持者が好むバイクを目指したのだと思います。

前期モデルと後期モデルは共に、エンジンはNSR50と同じですが、前期モデルのエンジン型式はAC08E-1500001~です。

 

ホンダNS-1後期モデルの特徴

 

ホンダ NS-1 後期

© Honda Motor Co., Ltd.

 

NS-1は1995年2月23日にモデルチェンジされ後期モデルとなりました。

一番わかりやすい変更点として、ヘッドランプが丸目2灯となり400ccクラスの人気モデル、RVF400のようなルックスに。

同時期にNSR50もモデルチェンジされ、エンジンはDC-CDI点火方式や新設計パルサーを採用し、力強い火花特性と正確な点火時期を実現。

インテークチャンバーやリードバルブを新設計にすることで、エンジンの低回転域から高回転域までスムーズに回るセッティングが成されました。

後期モデルのエンジン型式は、AC08E-1600001~です。

 

スペック・価格

1990~1999年 ホンダNS-1 スペック
車体形式 A-AC12
全長×全幅×全高(m) 1.905×0.670×1.080
軸距(m) 1.295
シート高(m) 0.752
乾燥重量(kg) 92
エンジン型式 AC08E
エンジン種類 水冷2ストローク単気筒
排気量(cc) 49
内径×行程(mm) 39.0×41.4
圧縮比 7.2
最高出力(kW[PS]/rpm) 5.2[7.2]/10,000
最大トルク(N・m[kgm]/rpm) 6.4[0.65]/7,500
始動方式 キック式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
燃料タンク容量(L) 8
タイヤサイズ 90/80-17 46P
100/80-17 52P
燃料消費率(km/L)
30km/h定地走行テスト値
55.3

 

ホンダNS-1 メーカー希望小売価格
前期モデル(1991年モデル) 279,000円
後期モデル(1995年モデル) 299,000円

 

現在ホンダNS-1の中古車価格は

NS-1は人気モデルだったため、現在の中古車市場でもタマ数はそこそこ。

ネットでNS-1の中古車を検索すれば、バイク中古車サイトで100台ぐらいは見つけられます。

しかし、今となっては希少な2ストロークエンジンを搭載しているため、価格が高騰中で、状態の良いものでは新車価格以上の車体もいくつか存在。

しかも、時速100km以上表示できるメーターに交換した車体が多く、実走行距離が不明な中古車が多数です。

おすすめは、メーター交換していなく走行距離が明らかになっているもので、アッパーカウルとアンダーカウルを無くしネイキッド仕様のものなら安く購入出来る事も。

また、アフターパーツも多く販売されているため、レストアをしたり自分好みのカスタムをしていくのも楽しいと思います。

 

まとめ

 

走り始めはコイツ~ ・ ・ ・ #走り初め #NS1 #原付 #2st #楽しい #バイク

naka-shunさん(@nakashunnnnnnnnnn_1103)がシェアした投稿 –

NS-1は街乗り志向の原付レプリカバイクですが、250ccや400ccに乗る前のクラッチ・ミッション操作や膝すりの練習には最適なバイクでもあります。

普通自動二輪車免許を取得する前にNS-1で腕を磨いた!という思い出を持っているライダーも多いはず。

現在250ccレプリカバイクが再ブレイクしているため、練習用として再度NS-1に注目してみてはいかがでしょうか。

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