登場以降、記録的な大ヒットを続けるN-BOX。発売から8年が経過し、中古車市場での流通量はかなり増加しました。しかし人気がゆえに相場はなかなか値落ちせず、中古良質車を狙うのであれば新車購入とほぼ同等の金額。中古選びが難しいN-BOXですが、ここでは中古車相場や購入時の注意点など、お気に入りのN-BOXを安く中古車購入するポイントを教えちゃいます。

N-BOX+ / ©Honda Motor Co., Ltd.

人気が絶えない軽の帝王!中古のホンダ・N-BOXはタマ数が豊富

日本一売れている軽自動車はハイトールワゴンのホンダ・N-BOX / © Honda Motor Co., Ltd.

ホンダ N-BOXは、2019年の販売台数で253,500台を記録し、新車販売台数第一位を獲得しました。

さらに軽自動車新車販売台数においては5年連続、乗用車を含めた新車販売台数においては3年連続で首位を獲得し、軽自動車クラスの帝王と言える存在です。

2011年12月の発売から約8年が経過し、フルモデルチェンジが一度行われていますが、初代モデルと2代目モデルでデザインが大きく変わらないため、初代モデルでも古さをあまり感じさせません。

中古車市場においても初代モデルと現行モデルのタマ数は豊富で、数十万円から200万円越えのものまで、さまざまです。

とはいえ、人気車種なだけあり、初代モデルでも”修復歴なし“、”低走行距離”、”ほぼキズなし”の条件が揃えば、軽く100万円越え。

格安で購入するにはそれなりにリスクを考えなければならず、良いものは即売されてしまいます。

ホンダ・N-BOXとは

初代N-BOX / ©Honda Motor Co., Ltd.

N-BOXは、ホンダが製造・販売しているハイトールワゴンの軽自動車です。

ハイトールワゴンの軽自動車では、すでにダイハツ タントやスズキ スペーシアが販売されていましたが、ハイトールワゴンの弱点として、車体が高いことからカーブを曲がったり、横風に当たった時に車体が振られて安定しないことや、運動性能がトールワゴンより劣るところがありました。

これらの弱点を改善するためにホンダはN-BOXは、センタータンクレイアウトのフレームを採用し、重心を低くして走行安定性を向上させています。

室内は乗用車のトールワゴンを思わせるほど広く、低いフロアにすることで人の乗り降りや荷物の積み下ろしを容易にし、使い勝手の良さを実現。

低燃費でパワフルな新設計エンジンを採用したことで、運動性能や燃費性能でも通常の軽トールワゴンには劣らず、それでいて広い室内とミニバン並の装備を充実させ、発売直後から記録的な大ヒットを続けています。

N-BOX+、N-BOXスラッシュなど派生モデルも充実

N-BOX+ / ©Honda Motor Co., Ltd.

N-BOXスラッシュ / ©Honda Motor Co., Ltd.

N-BOXには、派生モデルのN-BOX+、N-BOXスラッシュが存在します。

N-BOX+は、外観上N-BOXとあまり変わりませんが、N-BOXに比べて多彩なシートアレンジができ、積載機能もアップしています。

荷室後部の床面がスロープ状に傾斜し、キャリーカートを使った荷物の積み下ろし、自転車、ミニバイクの積み下ろしが容易で、車いす仕様車キットを購入すれば、福祉車両に買い換えることなく車椅子を乗せることも可能です。

N-BOXスラッシュは、N-BOX/N-BOX+よりルーフが100mm低くなり、2ドアクーペを思わせるデザイン、ルーフモールやフューエルリッドなどに金属製のガーニッシュを取り付けたスタイリッシュな仕様となっています。

オプションには、N-BOXスラッシュだけに8つのスピーカーとバックロードホーン型サブウーファーが搭載された『サウンドマッピングシステム』が設定されています。

N-BOXとN-BOX+には、それぞれエアロパーツの装着や内装のデザインを変更させたN-BOXカスタムとN-BOX+カスタムが販売されていましたが、N-BOX+とN-BOX+カスタムは2017年8月で販売終了となりました。

N-BOX/N-BOX+の年次変更

初代モデル

初代N-BOX / ©Honda Motor Co., Ltd.

N-BOXの初代モデルは発売から2代目が登場するまでに、一部改良とマイナーチェンジがそれぞれ2回ずつ行われ、『前期』、『中期』、『後期』にわけることができます。

前期
(販売時期:N-BOXは2011年12月26日~2013年12月24日、
N-BOX+は2012年7月5日~2013年12月24日)
2011年12月16日 N-BOX発売
2012年7月5日 N-BOX+発売
2012年12月24日 一部改良
中期
(販売時期:2013年12月25日~2015年2月4日)
2013月12月25日 マイナーチェンジ
後期
(販売時期:2015年2月5日~2017年8月31日)
2015年2月5日 マイナーチェンジ
2015年11月20日 一部改良
2代目F3/4型 2017年9月1日 フルモデルチェンジ

N-BOX/N-BOX+は2012年12月24日の一部改良によりNA車の燃費値を改善し、エマージェンシーストップシグナルを標準装備。

2013年12月25日に一度目のマイナーチェンジがおこなわれ、エンジン改良によりNA車とターボ車ともに燃費が向上されました。

安全面の強化ではシティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグシステム、前席用i-サイドエアバッグシステムをひとまとめにした『あんしんパッケージ』がオプション設定されています。

2015年2月5日に2度目のマイナーチェンジが行われ、フロントマスクのデザインを意匠変更。

そしてN-BOXカスタム/N-BOX+カスタムのターボに合成コンビシートを採用し、さらにLEDのポジションランプとフォグランプを標準装備しています。

装備では、チップアップ&ダイブダウン機構付スライドリアシート、コンビニフック付シートバックテーブル、IRカット/スーパーUVカットガラス、ロールサンシェードなどがグレード・タイプ別で設定されました。

また、同年11月20日に一部仕様が変更され、VSA、エマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシスト機能、フルオートエアコンディショナーなどを標準装備して、Gを除くすべてのグレードに『360°スーパーUV・IRカットパッケージ』、『ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器』が標準装備となりました。

二代目モデル

2代目N-BOX / ©Honda Motor Co., Ltd.

2代目モデルは2017年9月1日に発売され、同時にN-BOX+は販売終了となります。

フルモデルチェンジでは、フレームが高剛性化かつ軽量化され、エンジン性能向上のためにNAエンジンでi-VTEC、ターボで電動ウェストゲートを軽自動車で初採用。

N-BOXカスタムでは特別感を演出するために、軽自動車で初めてシーケンシャルウィンカーが採用されたことでも話題となりました。

また、ホンダの安全運転支援システム『Honda SENSING』が全グレードで標準装備されています。

2代目N-BOXの内装 / ©Honda Motor Co., Ltd.

 

2代目N-BOXの内装 / ©Honda Motor Co., Ltd.

室内空間を初代モデルより拡大し、助手席のスライド量を570mm延長させた『スーパースライドシート』を設定。

助手席のフロントシートラッププリテンショナーも標準装備されており、グレードによってはフルオートエアコンディショナーにプラズマクラスター技術を装備。

さらに、アレルクリーンプラスシートを採用しています。

2019年10月3日に一部改良が発表され、Honda SENSINGの衝突軽減ブレーキ(CMBS)では横断自転車に対応と夜間走行時の歩行者検知制度を高め、リアカメラの画素数が30万画素から100万画素に向上しました。

N-BOX/N-BOX+の中古車相場価格

出典:写真AC

N-BOX/N-BOX+の中古車相場は14.9~274.8万円と幅広く、平均価格は110万円です。

N-BOXを新車で購入すると、オプションを含めて200万円以上することもあり、軽自動車で最も人気のある車種ということもあって、2代目(現行型)の良質車は150万円以上するのが当たり前。

初代モデルでも100万円をこえる中古車が多数販売されており、50万円以下で探すなら走行距離10万キロオーバーまたは低走行車だと修復歴の有るものが目立ちます。

50万円以下の予算で探すなら、だいたいが多走行車になるため、ある程度のリスクは覚悟すべき。

50~80万円の間で5万キロ以下の初代モデルが購入できますが、Honda SENSINGがついてないため、安全面が不安の方は『あんしんパッケージ』がついているものをおすすめします。

2代目はまだまだ相場が高く、中古車市場のなかでも走行距離が数km未満の未使用車が多く出回っています。

今後大幅な値下げが期待できる時期は、2017年9月に登場したモデルが納車された時期から初回継続車検時期となるであろう2021年初旬あたりでしょう。

N-BOX中古車相場価格

初代モデル JF1/2系
(2011~2016年)
2代目モデル JF3/4系
(2017年~)
N-BOX 14.9~160.4万円 68.5~199.9万円
N-BOXカスタム 27.9~181.3万円 105.9~274.8万円

N-BOX+中古車相場価格

JF1/2系
(2012~2017年)
N-BOX+ 33.8~213万円
N-BOXカスタム 33.9~269.8万円

(参考:グーネット|2020年2月3日時点)

N-BOX中古車購入時の注意点

出典:写真AC

N-BOXはファミリー層からシニア層まで幅広い年代から人気を集めているため、普段の移動や買い物など常時使用していた多走行車が目立ちます。

まだまだ新しい車種ですが、使いに使い込んだ中古車両が流通しているため、年式が新しいものでも多走行車は、点検記録簿や過去の修理内容など、最低限のチェック項目を確認し、エンジンを始動させてアイドリングが安定しているか、試乗での不具合はないかなど、十分確認する必要があります。

また、N-BOXが生産された時期はホンダ車でリコールが多発していたため、N-BOXでも多くのリコールが発表されており、リコール修理がなされているかを確認しておきましょう。

狙い目のモデルやグレードは

初代モデルは後期型から装備が大幅に充実 / ©Honda Motor Co., Ltd.

初代モデルの燃費を前/中/後期で比較すると、前期が24.2km/L、中期が25.2km/L、後期が25.6km/Lとなるため、初代モデルを購入するなら後期型となる2015/2016/2017年型を購入すべき。

後期型になれば、装備がかなり充実しているため初代モデルのなかでも高くはなりますが、それでも相場はN-BOXカスタムにこだわらず、N-BOXだけで探せば50~100万円の間で走行距離5万キロ以下の中古車両は多く出回っています。

初代モデルのグレード展開は、N-BOX/N-BOXカスタム共に『G』、『G・Lパッケージ』、『G・ターボパッケージ』の3つがあり、後期型であればドアミラーウインカーエマージェンシーストップシグナル、フルオートエアコンディショナーが全グレードで標準搭載されているため、十分ベースグレードのGで満足できると思います。

まとめ

2代目N-BOX / ©Honda Motor Co., Ltd.

軽ハイトールワゴンの現行モデルを安く購入したいという方は、N-BOXはおすすめしたいモデルです。

タントやウェイク、スペーシアといった軽ハイトールと比較して購入を考えることもできますが、N-BOXは絶対的人気車種!

他車種で比較して商談してもN-BOXだけは値下げが難しいため、購入の際はN-BOXに絞って良質中古車を探してみることがオススメです。

Motorzではメールマガジンを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!