中古車を購入するとき、修復歴があると躊躇してしまいます。中古車販売店の言う『修復歴有り』とは、いったいどれほどの修復なのでしょうか。実は、修復歴の定義には、さまざまな取り決めがあり、修復歴があっても実は大きな問題ではない場合もあります。

出典:写真AC

修復歴ありのクルマって実際どうなの?

出典:写真AC

中古車を探していると、高年式で走行距離も少ないのに安くて良いと思ったクルマを見つけても、修復歴が有ることがわかれば「なんだ~」と候補からはずれてしまう、なんてことも、しばしばあると思います。

修復歴のある中古車は、購入を躊躇してしまいがちですが、修復歴があるクルマは本当に、良くないのでしょうか?

修復歴の定義とは

出典:写真AC

修復歴は、車輌の骨格にあたる部分、つまりフレームやシャシーなどに影響を及ぼすレベルでの修復や部品交換をした経緯の事で、クルマを擦ってバンパーを変更した程度では修復歴にはあたりません。

例えば、事故により車体が大きく凹んでしまい、フレーム部分まで損傷した事による板金修理をした場合。

走っていたらいつの間にかハンドルを取られる症状が出て、調べてみるといつの間にかフレームが歪んでいたので修理したという場合も『修復歴有り』に該当します。

修復歴有りに該当する車体骨格の箇所は、『フロントクロスメンバー』、『フロントインサイドパネル』、『フレーム』、『ダッシュパネル』、『ルームフロアパネル』、『ピラー』、『ルーフパネル』、『トランクフロアパネル』です。

以前はラジエーターコアサポートも含まれていましたが、平成28年4月1日から除外されました。

修復歴有りのクルマを購入してはダメなのか?

出典:写真AC

修復歴有りの中古車がすべて粗悪品と言われれば、決してそんなことはありません。

最近は修理するための機材も高性能になっており、修復技術も上がっているため、修復歴の有る中古車でも走行に問題がないものが多数流通しているので、実は修復歴ありの中古車も狙い目。

しかし、それを売る際には査定価格が低くなるため、リセールバリューが修復歴なしのクルマより低くなってしまいます。

また、フレームやシャシーの修復は修理する人の腕による部分もあるため、修理を担当した整備士によっては粗悪な修理を施されていまう事も。

修復歴のある中古車を購入する際は、遠目に見てみてなんとなく車体が歪んでいないか、試乗した時に異音がしたりハンドルがとられる、直線で真っすぐ走らない、コーナー時に安定感があるかなどを注意深く確認し、なにか違和感や不具合を感じれば、購入は避けるべきです。

さらに修復の度合いによって買取価格に差が出る事もあり、修復箇所によって以下のA~Cまでランク付けされます。

出典:http://www.jaai.or.jp/

 

ランク 乗用車系
A クロスメンバー
フロントフロア
インサイドパネル
ピラー
ルーフパネル単体交換
トランクフロア
リアフロア
リアサイドメンバー(修理)
B フロントサイドメンバー
ピラー交換
ルーフ(ピラーから)
リアサイドメンバー交換
C フレーム
フロア
フロアサイドメンバー
ダッシュパネル

修理範囲はCへ行くにつれ事故のときの衝撃がひどく、AからCにかけて修理されている場合は、元に戻すのが不可能とされているほど。

よって、購入後に故障等のトラブルが高い確率で起こりやすいので、購入は避けるべきです。

修復歴があれば下取りや買取でどれほど差がある

出典:写真AC

修復歴なしとありのクルマで中古車販売価格を比べてみると、平均で20万円、最大で50万円程度の差が出てきます。

つまり、修復歴無しと有りで買取価格にも差が生じるのですが、それは販売価格よりもさらに大きな差となる可能性があるのです。

買取時に修復歴を黙っていれば瑕疵担保責任を問われることも

出典:写真AC

修復歴があっても黙っていればバレないのではと思ってしまいますが、そういったことが発覚すれば瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が問われます。

買取店はその場で、車両すべての検査をすることは不可能なため、売り手側から伝えられる情報を信じ、査定額を検討します。

そこで売り手から得られた情報を担保にして買取をするため、修復歴があっても黙っていれば買取店が損をすることになり、後になって修復歴があることが発覚すれば売り手側の責任が問われるということになります。

その場合、買取りが成立した後であっても返金、損害賠償、解約料金の請求が成されることも!

これはモラルの問題になりますが、「バレなければ大丈夫」という考えは、絶対にやめましょう。

まとめ

出典:写真AC

修復歴が有るクルマを中古で購入する際は、注意深くクルマを確認し、事故の経歴やどれほどの修復がされたかを確認する事が重要です。

また、修復歴の有るクルマを売却する場合は、修復歴があることと、どの程度の修復だったのかを買取店の担当者に伝え、買取店と売り手の信頼関係を保つことが重要になります。

この信頼関係があってこそ、修復歴有りのクルマでも気持ちよく取引ができ、担当者も希望買取金額に歩みってくれるかもしれません。

修復歴有りの車両には、購入と買取りに難しい点がいくつかありますが、今回紹介した要点に注意すれば、修復歴有りのクルマでも、問題なく取引きすることが可能です。

Motorzではメールマガジンを配信しています。

編集部の裏話が聞けたり、最新の自動車パーツ情報が入手できるかも!?

配信を希望する方は、Motorz記事「メールマガジン「MotorzNews」はじめました。」をお読みください!