かつて『足のいいやつ』と呼ばれたカリーナの系譜を受け継ぐトヨタ店専売の5ナンバー小型セダン『アリオン』。2007年に発売された2代目が2018年現在(※)でも販売されており、今後予定されるトヨタ販売店全車種取り扱い&車種整理という時代の流れによって、このまま消えゆくのでは無いかと予想される1台でもあります。
※2020/10時点でまだ販売しています。
掲載日:2018/11/23
カリーナを受け継ぎ2代目、プレミオのスポーティ版
トヨタの5ナンバーサイズ小型セダン、アリオンは2007年に2代目が発売されて11年、2018年現在も販売されています。
前身の『カリーナ』時代には長らくコロナとカローラの中間的存在であり、ややスポーティな性格を与えられていましたが末期型ではコロナとほぼ統合。
アリオンと名を変えてからはエンジンラインナップやメカニズムも共通となり、完全兄弟車となりました。
それでもプレステージ性が高いプレミアムセダン的な扱いでトヨペット店から販売されたプレミオ(同じくコロナプレミオから改名)に対し、ダイナミックかつスポーティな扱いでトヨタ店から販売されるアリオンという違いは2代目でも変わりません。
ただし時代はアリオンのような保守的5ナンバーセダンにスポーティ性を求めなくなり、販売台数も大抵はプレミオの半分以下。
2017年11月の46位(815台)を最後に登録車販売台数トップ50にも登場しない事からもわかる通り、既にその役割は終わりかけています。
そのため2020年代前半から2025年にかけて全車種を全販売チャンネルで販売し、大幅に減らされるトヨタの車種ラインナップの中で最悪廃止、仮に残るとしてもプレミオとの統合が避けられないのが、アリオンの現状なのかもしれません。
2度目のマイナーチェンジ前は明らかに個性を放っていた2代目アリオン
現在販売されている2代目アリオンは、2016年6月に行われた2度目のマイナーチェンジで大規模なフェイスリフトを受けた結果、フロントグリルやテールランプ、トランクリッド、リアバンパー以外のデザイン相違点がほとんど無くなりました。
そしてトランクリッドのナンバー左右までテールランプを拡大、その間をメッキモールで結んだプレミオに対し、アリオンはそれらが無い代わりにリアバンパー下部左右へ(スポーティモデルでよく採用される)赤い反射板を仕込んでいます。
かつて2007年6月の2代目発売時および、2010年4月の第1回マイナーチェンジでもプレミオと異なり水平基調のフロントマスクはかなり大きな違いがあり、『プレミオのスポーティ版』としてデザインだけでも存在感を保っていた2代目アリオン。
今やメカニズム面でもフロントマスクのデザインでも大きな違いはありませんが、テールで魅せる軽快感は、『かつて足のいいやつと呼ばれたカリーナの末裔、アリオン最後の意地』なのかもしれません。
主なスペックと中古車相場
トヨタ ZRT261 アリオン A20 2018年式
全長×全幅×全高(mm):4,590×1,695×1,475
ホイールベース(mm):2,700
車両重量(kg):1,270
エンジン仕様・型式:3ZR-FAE 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量(cc):1,986
最高出力:112kw(152ps)/6,100rpm
最大トルク:193N・m(19.7gm)/3,800rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
中古車相場:38万~228万円
まとめ
登場間近と思われるカローラアクシオ後継車が、どうやらカローラスポーツ同様に3ナンバー車になるらしいと言われている現在、トヨタ最後の5ナンバーセダンになるかもしれないアリオンに将来があるのか、兄弟車プレミオ同様かなり微妙です。
コンフォートが廃止されたことと、ジャパンタクシーの車体価格が高すぎて数を揃えられないタクシー会社向けに需要が生まれる可能性はあるものの、仮にタクシー向けをメインに存続するとしても、トヨタが進める車種整理の中で生き残れるのはどちらか1台。
販売台数で考えれば残るとしてもプレミオの可能性が高く、最悪カローラアクシオ後継車がデビューすると同時に2台とも廃止される可能性すら濃厚です。
どう転ぶにせよアリオンは2代目で終了し、初代カリーナ以来の歴史に終止符が打たれるのはほぼ確実で、トヨタからまた1台スポーティなセダンが消える事となり、販売現場で見納めとなる日が近づいています。
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