今回紹介する名車は、マツダを経営難から救った初代デミオです。スポーツカーでもなければラグジュアリーカーでもありませんが、デミオがあったからマツダが今でも存在していると言っても過言ではありません。
掲載日:2019/11/08
誕生の背景
低迷していたマツダを救ったコンパクトカー。マツダにとってメシアという言葉がこれほど似合う車はありません。
販売チャンネルの増加による経費の肥大化やパッとしない(ヒット車両が少なかった)カーラインアップ、そしてバブル崩壊による不況といった要因が重なり、1990年代後半のマツダは危機に陥っていました。
また、当時はミニバンブームで、そのブームに乗っかる形で販売されたということも初代デミオを語るうえで欠かせない要素です。
このような背景の中で開発された初代デミオが大ヒットしたことは、言うまでもないでしょう。
今ではMazda 2という名称に変更されましたが、4代目モデルとなった現在もその人気は変わりません。
名車たる理由
初代デミオが”名車”と呼ばれるほどに大ヒットした裏には、一体何があったのでしょうか?
理由としては、2つほど挙げられます。
機械式駐車場に駐車できるように設定された絶妙なボディサイズ
まず1つは、設定されたそのボディサイズです。
初代デミオのボディサイズは全長3,800mm × 全幅1,650mm × 全高1,500mmとなっています(グレードによって若干の違いあり)。
特にその中でも全高が1,500mm(一部グレードだと1,535mm)に収まっていたという点がキモで、機械式駐車場に駐車するために必要な全高が1,550mm以下という条件をクリアしていたのです。
上述した通り当時はミニバンブームでしたが、1,550mmを超えることが原因で機械式駐車場に入れなかったミニバンも数多ありました。
これに対して初代デミオの全高は1,535mm以下におさまっていたので機械式駐車場への駐車も問題なく、ユーザーからの需要が一気に増えたというわけです。
経済的で当時の時代背景にマッチした
2つ目の理由としては、消費者が経済的な車を以前よりも求めるようになったことが考えられます。
初代デミオが発売されたのは1996年。
つまりバブル経済の崩壊から5〜6年ほど経過した頃です。
当時はバブル経済の時期と比べて、消費者の懐事情がキツくなっていた時代。
初代デミオは、車としての実用性に重きが置かれたミニバンコンセプトの小型ワゴンとして設計され、車内もフルフラットにすることが可能で、荷物もたくさん積むことができるなど、いろいろな意味で使い勝手の良い車となっていました。
そういった実用的・経済的な面が消費者のニーズにマッチしたのでしょう。
・主要スペックと中古車価格 ・まとめ
ボディサイズ:全長3,800mm x 全幅1,650~1,670mm x 全高1,500~1,535mm
ホイールベース :2,390mm
車両重量:900~1,020kg
エンジン仕様:1.3L直列4気筒SOHC、1.5L直列4気筒SOHCエンジン
最高出力:61kW(83ps)/6000rpm、74kW(100ps)/6000rpm
最大トルク:107.9N・m(11.0kgm)/4,000rpm、127.5N・m(13.0kgm)/4500rpm
トランスミッション:5MT、4AT、3AT
駆動方式:FF
価格:1.8万円~59万円
まとめ
大ヒットとなり、低迷していた当時のマツダに光をもたらした初代デミオは、当時の消費者のニーズや懐事情にぴったりな車でした。
現行のMazda2はどちらかというとお洒落要素の強いコンパクトカーとなりましたが、求めやすい価格帯は初代デミオの面影なのかもしれません。
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