愛車のパワーアップをしようと考えたときに選択肢の一つにECUのチューニングがあります。なぜECUを変えるとパワーが上がるのか、どんなメリットがあるのか、フルコンサブコンとは何なのかをご紹介します。
©️Motorz
ECUとは何か
出典：http://www.trust-power.com
エンジンを心臓に例るとすれば、ECUは頭脳に当たります。
人間が車に対して行う入力や、温度や速度などの環境に対しエンジンやステアリング、駆動の制御を行っているのがECUです。
少し昔の車は近年の車に比べて機械的な要素が多く、ECUチューニングは主にエンジンの制御への効果を期待して行うものが大多数でした。
簡単に説明すると純正コンピューターでは安全マージンをとって安全面を優先して制御するのに対し、社外ECUではその安全マージンを削り、パワーやトルクを最適化して出力や効率向上を期待して交換することが主となっています。
ECUの種類について・メリットデメリット
フルコン
出典：http://www.avomotec.com/
純正ECUを取り外し、置き換えて使うタイプや割り込みさせるタイプのコンピューターです。
個々の車両をショップに持ち込み、現車合わせでセッティングしてもらうことが大半。
ものによっては、車種別に基本データが設定されており書き込むだけで動作するモデルや、専用のツールを使わずに自分のコンピューターに接続しセッティングしなおしたりできるモデルなどがあります。
本体は汎用品で、車種別のハーネスに合わせたコネクターにて車両に接続し制御するスタイルで、セッティングの幅が非常に広く、NAの車両にターボを取り付けた車両や全く別なエンジンに換装された車両でも制御が可能。
大馬力のプロチューニングを行ったり、bit数の多いコンピューターによる綿密な制御など、自分の好みにセッティングしやすいメリットがあります。
しかし裏を返せば自由度が高い反面、非常に高度な知識がセッティングに必要であり、一個人で行う場合は危険が伴う場合も。
また、プロにセッティングを頼むとその分技術料がかかるので、その点も注意が必要です。
サブコン
出典：http://www.trust-power.com
純正ECUはそのままで、ハーネスに割り込ませて使用するコンピューターです。
その為、ECU本体ではなく「サブ」コンピューターという位置付けとなっています。
ハーネスに割り込ませて、センサーの値を補正することでECU本体が期待する動きに近づくように動作するので、純正ECUの制御を大幅に超えることなく比較的安全に最適化するものが大多数。
こちらも本体は汎用品で、各車種別の割り込みコネクターを用いるなどの方法で接続する仕組みとなっています。
純正ECUはそのまま使用することができるので、車両のイモビライザーなどの機能を取り外さずに装着することが可能。
逆に純正状態から大幅に乖離した制御はできませんが、近年では非常にセッティングに幅があるサブコンも存在しているので、これからの進化にも注目が集まります。
純正書き換え
出典：http://www.zerofighter555.com/
純正書き換えECUは、純正ECUに対して中のプログラムを書き換えセッティングし直しているものです。
近年では必要な部分のみを通常のコンピューターを使い書き換えたり、OBD2という汎用の診断コネクターを用いECUを取り外すことなく中身を書き換えたりすることが可能。
大体の場合は、ショップにECUを郵送などで預け、車種別に決まっているセッティングのデータが書き込まれたものを受け取り交換する場合が多いのですが、ショップによっては純正書き換えの現車合わせセッティングを行っている場合もあります。
フルコン・サブコン紹介
フルコン
F-CON V Pro
出典：https://www.hks-power.co.jp
HKSのフラッグシップECUで、俗に金プロと呼ばれています。
燃料制御は8系統までのインジェクター制御、点火制御も6系統まで独立した設定ができ、点火カットによるレブリミッターも可能。
A/F計を接続することにより目標A/F値へのフィードバック制御も可能で、オプション出力機能を用いたリアルタイムでのデータ書き換えなどができます。
151,200円（税込）
POWER FC
出典：http://www.apexi.co.jp
アペックスの完全置き換えコンピューターで、車種別の基本データの設定があることと、FCコマンダーという車内でモニターやセッティングができるコントローラーのようなものが存在しているのが特徴です。
FCコマンダーにて、各センサー類の数値のリアルタイム表示や10秒毎の折れ線グラフの表示が可能です。
本体＋FCコマンダーセット 108,000円（税抜）
MoTeC m800
出典：http://www.avomotec.com
MoTeC ECUのトップモデルです。
最大12気筒までのエンジンに対応でき、4～6気筒に使用する場合は余りの出力端子をスイッチなどに使用可能。
ロータリーエンジンも4ローターまで制御可能で、自動車のみならず様々なエンジンを制御できます。
本体のみ 480,000円 （税抜）
サブコン
e-manage
出典：http://www.trust-power.com
トラスト、Greddyの代名詞的サブコンピューターです。
ソフトウェアをサイトからダウンロードでき、単体ではエアフロ補正コンピューター。
ソフトを使うことでセッティング可能になり、オプションパーツによりサブコンとして使用可能に。
アルティメイトを購入するとさらに綿密なセッティングが可能です。
本体のみ 35,000円（税抜）
F-CON is
出典：https://www.hks-power.co.jp
HKSのF-CON シリーズのサブコン版です。
純正ECUにカプラーONで接続可能で、燃料や点火時期の補正を行います。
F-CON isが取り付けられた状態でも純正ECUのエンジンチェック機能を使用可能。
ビデオ出力機能があり、モニターと接続することで各種データを表示できます。
車種変更の場合はHKSパワーライター店への持ち込みが必要です。
本体のみ 75,600円（税込）
まとめ
出典：https://www.hks-power.co.jp
いかがでしたか。
フルコンやサブコンにも様々な種類があり、このようなコンピューターもチューニング業界の盛衰によって出たり消えたり様々です。
最近は、海外製のコンピューターも目にするようになりました。
みなさんも用途や好みに合わせて、コンピューターを選んでみてはいかがでしょうか。
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