昭和のカスタムカーを総復習!竹槍マフラーや極端に突き出した出っ歯エアロなどは、違法改造というイメージがありますが、今のカスタムカーに通ずるものもいくつか存在します。そんな、カスタムカーの礎を築き上げてきた昭和カスタムカーには、どんなパーツが取り付けられてきたかのでしょうか。
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今では考えられない!昭和のカスタムカー
2019年は年号が令和に変わり、平成時代は30年ほどで次の世代へと突入しました。
今では昭和の時代を知らないドライバーもどんどん増えており、昭和に製造されたクルマはいつのまにか旧車といわれるようになっています。
当然、クルマのカスタムにも時代の流行りやトレンドがあり、昭和時代に産声を上げた独自のカスタム文化の中では、今では考えられないものや、現在のトレンドのルーツとも呼べるカスタムまで、様々な文化がありました。
そして市販車の高性能化に伴い、もちろんカスタムパーツも進化しています。
流行り廃りの中で、カスタムカーも進化してきたのです。
街道レーサーとは
昭和のクルマのカスタムカーで、代表的なのが『街道レーサー』でした。
1970年代に登場したカスタムのスタイルで、公道を法定速度外で爆走するカミナリ族や暴走族の若者の間で支持されたカスタムカーです。
このカスタムは、速さを競うというよりも「多くの人に見せたい」や「目立ちたい」という主張の方が強いため、ド派手なエアロパーツに爆音マフラーを装着した車両が主流でした。
そのため、街道レーサーのほとんどが違法改造車であり、今は全くと言っていいほど日常では見られなくなった絶滅危惧種といえます。
昭和末期に走り屋カスタムが大ブーム
昭和末期になると、2ドアクーペモデルが多く登場し、峠のドリフト走行や、高速道路を速度規制オーバーで走行する”走り屋ブーム”が到来し、3代目シビック(ワンダーシビック)やZ31型フェアレディZ、AE86などの車種が走り屋たちの間で人気となります。
そして、交通量の少ない峠や臨海埋立地ではドリフトやゼロヨン、高速道路ではローリング族などが急増した結果、交通事故が増加して社会問題に。
この時期を機に改造車に対する交通規制が厳しくなり、カスタムパーツメーカーから発売されるパーツも車検対応のものが求められるようになります。
その結果として、日本のカスタムカーやパーツメーカーのレベルが向上し、世界的にも注目されはじめました。
グラチャンから生まれた街道レーサー
街道レーサーのルーツは、遡ること約40年前に開催されていた”グラチャン”というレースです。
グラチャンとは『富士グランチャンピオンレース』の通称で、1970年代から1980年代にかけて国内モータースポーツのトップカテゴリーでした。
メインはプロトタイプレーシングカーでしたが、サポートレースとしてツーリングカーによる『マイナーツーリング』と、シルエットフォーミュラカーによる『スーパーシルエット』も混走。
マイナーツーリングは市販車ベースのため、現車の形を残していましたが、シルエットフォーミュラは外観のみ市販車の印象を残しつつも、中身はメーカーがゼロから作り上げた全く別のレーシングカー。
このレースに出場したマシンが街道レーサーのお手本になり、レース開催日になると街道レーサーがサーキットの駐車場に押し寄せ、一種のカスタムカーショーのようになっていました。
観客の中には街道レーサーを見ることを目的とした人も多く、街道レーサーは自動車業界において一大ムーブメントとなります。
昭和カスタムカーに搭載されたカスタムパーツとは
竹槍マフラー
竹槍マフラーは、街道レーサーを象徴するカスタムパーツといえるでしょう。
マフラーエンドが斜めにカットされている様が、まるで竹槍のように見えることから、このように呼ばれるようになったと言われています。
社外パーツで販売もされていましたが、多くのユーザーが目立つためにオリジナルでパイプの長さを延長したり、本数を増やすカスタムを施していました。
また、マフラーを車体下ではなく、ボンネットの上方に出す車両も存在し、中には触媒やサイレンサーがないものも多かったようです。
デッパスポイラー
デッパスポイラーは、フロントバンパーが斜めに飛び出ている様が出っ歯を連想させることから、そのように呼ばれるようになりました。
シルエットフォーミュラを真似たカスタムカーは、スポイラー部分が異常なほど前に飛び出し、見るものに強烈なインパクトを与えます。
また、フロントスポイラーだけでなくサイドスカートも極端に張り出したものを取り付け、全幅を極端に長くするオーバーフェンダーも装着。
オイルクーラーをフロントバンパーの前方に取り付けるのも、昭和のカスタムカーでは定番でした。
ロングノーズ化したボンネット
ボンネットを延長してロングノーズ化し、ヘッドランプを覆うようにするのも、街道レーサーでは人気のカスタムです。
ボンネットに巨大なスクープやスポイラーを取り付けたスタイルは、シルエットフォーミュラのワークスレーサーマシンを真似たカスタムでした。
ワークスフェンダー&引っ張りタイヤ
こちらも、街道レーサーにはお馴染みのワークスフェンダー。
タイヤのホイール幅を広げるために張り出したフェンダーを取り付け、タイヤは極度の引っ張りタイヤでフェンダーとタイヤが干渉しないようにしています。
当時は14~15インチのホイールで深リムが定番であり、これにサイズの合わないタイヤを無理やり履かせていたため、タイヤチェンジャーが対応できなかったり、空気を入れようとしてもビートにはまらないなど、タイヤ交換では相当な苦労があったようです。
クリスタルシフトノブ
この投稿をInstagramで見る何となく300mmに戻してみたが、なげっww 曲げエクステ150に300だから450ぐらい(笑) 助手席の人に激突するな(笑) #クリスタルシフトノブ #30cm #長い
しょーさん(@sho.14maje)がシェアした投稿 –
クリスタルシフトノブも、昭和時代に流行したカスタムパーツです。
当時はまだまだマニュアル車が多く、長いシフトノブでギアチェンジするのがカッコいいとされていました。
つり輪
旧車カスタムで良く見かけたのがつり輪。
車内のアシストグリップをつり輪にしたり、後部にもつり輪を装着してるクルマが多くみられました。
まとめ
街道レーサーや走り屋マシンは、良くも悪くも日本のカスタムカー業界に大きな影響を与え、クルマ好きの若者を増やしていきました。
その規模感は、若者のクルマ離れと叫ばれる現代に比べれば、信じれないほどです。
昭和のカスタムカーを見返してみると違法改造車や族車が多くを占めますが、日本のシャコタン文化は海外でも注目され、現在では”スタンス系”と呼ばれる人気のカスタムジャンルが隆盛を極めています。
このように、現代にマッチする範囲で参考にしてクルマをカスタムすれば、案外おもしろいかもしれません。
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