独特なデザインとメカニズムを持ち、大ヒットはしないものの根強いファンを持つフランス車。実は商用車の世界においてもその構図は変わらず、個性的な商用車が数多く存在します。今回は、そんなフランス商用車の世界をご紹介します。
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日本でも大人気!定番ルノー・カングー
1997年にフランスでデビューしたルノー カングーは、日本市場には2001年から導入されました。
商用車でありながらも、フランス車らしい個性的なデザインで大ヒット!
ルノー車の日本国内販売で最も売れている車種はカングーだって知ってましたか?
商用車にありがちな簡易的な内装ではないことから、乗用車として使っている方も多いのが特徴で、国産ミニバンでは味気ないけど、とはいえ荷物や人も乗せたいといった需要にバッチリとハマった1台と言えるでしょう。
とにかく収納能力が凄い!
運転席の上のウインドバイザーの更に上部に収納スペースがある他、荷室の上部にも飛行機のような蓋つき収納が用意されています。
まさに、スペースを無駄にしない商用車ならではの特徴と言えるのではないでしょうか。
また、リアゲートが左右2分割式の観音開となっている点も、日本車ではあまり見られないポイントです。
ドアサイズを左右で変えることで、後方スペースの広さによって開ける扉を選ぶことが出来るので、狭い日本でも便利に使うことが出来ます。
新車価格で300万円以下、中古車なら100万円以下も増えてきており、ライバルとなるミニバンと比べても高くはありません。
ただし、初代、現行共に、A/Tモデルは故障の話が少なくはないので、M/Tモデルのほうがより安心出来るかもしれません。
荷台が折れる積載車!?シトロエン・ジャンパー・アルゲマ
シトロエンの商用バン、ジャンパーをベースとした積載車、ジャンパー アルゲマ。
なんといっても、その特徴は折り曲がることでスロープになる車体でしょう。
一般的な積載車の場合、荷台のみ傾くシステムがほとんどですが、写真の通りこのアルゲマは車体の中央で”く”の字に折り曲がる不思議なスタイルです。
このスタイルにするメリットはわかりませんが、そんなところも面白さの一部として楽しんでしまえるのはフランス車ならでは。
日本にもシトロエンの専門店が所有している車が1台存在しているので、運が良ければ見ることができるかもしれません。
超ビッグサイズ!プジョー・ボクサー
全長6.3m、全高2.8mの超大型商用バン、プジョー ボクサー。
ハイエースのようなキャブオーバースタイルではなく、乗用車的なスタイリングを持つセミボンネット式のフロント周りが独特です。
エンジンが運転席の真下にないことから、運転席周りの装備がしっかりしており、シートやインパネも商用車とは思えない作りになっています。
また、ヨーロッパの規定を満たすために、運転席の真後ろに隔壁が装備され、荷室と客室空間がしっかりと分離されており、この隔壁があることで、急ブレーキや事故の際に、荷室の積み荷が運転席になだれ込まないようになっています。
また、坂道発進の為のブレーキアシストや、バックカメラも標準装備されており、安全面もバッチリです。
海外向けのハイエースが同じようなセミボンネット式になったことが日本でも話題になりましたが、まさにこのボクサーをライバル視しての変更と言えるでしょう。
日本にも数台、並行輸入されているそうですが、生きているうちに一度見ることができるかどうかレベルの珍車です。
シトロエン・Hトラック復活!?タイプ・H
30年以上生産され、その愛らしいデザインと実用性の高さで、長く愛されてきたシトロエン Hトラック。
日本でも移動式販売車のベースとして、広く親しまれてきたことから、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
そんなHトラックのデビューから70周年の節目となる2017年に登場したのが、リバイバルデザインのType Hです。
シトロエン・ジャンパーがベース
実はこのType H、シトロエンから正規販売されている車ではありません。
イタリアのCaselani Automobiliというメーカーによって発売されている、Hバン風のボディキットなのです。
当然、ベース車はシトロエンの商用バンであるジャンパーで、それに合うようにうまく作られています。
ボディキットとはいえそのクオリティは高く、現代版のHバンに乗れるとあって現地では大変人気を博しているそうです。
更に、このType Hをベースにした移動式販売車やキャンピングカーなども用意されており、そのバリエーションを眺めているだけでも楽しめます。
残念ながら日本には存在していないようですが、Hバンは日本でも愛されていただけに、そのうち輸入する人が現れるかもしれません。
まとめ
乗用車と比較すると、より地域に根差した専用車の開発が行われることの多い商用車。
日本ではサイズが大きすぎることや、サポート面の充実度が低いことから、今後も外国製商用車が入ってくることはないでしょう。
しかし、今回ご紹介したフランス車を始めとして、海外にも魅力あふれる商用車はたくさん存在します。
是非、これを機に世界の商用車へと目を向けてみませんか?きっとその魅力に取りつかれます!
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