日本人は人より目立つことを嫌いますが、それは車選びの傾向にもあらわれています。とはいえ、外見は同じでも中身は高性能な車を求める人が多いことも事実で、「羊の皮を被った狼」は、車が売れないと言われる現代でも人気です。その最たる一台がアウディ RS 3 セダン。カローラクラスの車体に400psを発生するエンジンが搭載されています。
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アウディRS 3 セダンはCセグメントの羊の皮を被った狼
アウディ RS 3 セダンは、アウディ A3 セダンをベースにレース直系のテクノロジーでチューニングされた1台です。
アウディ A3にはA3、S3が2019年11月でもカタログモデルとして残っており、走行性能で言えばA3<S3となります。
また、アウディ RS 3はアウディ S3よりもさらに高い走行性能が与えられており、サーキット走行もこなせるほどの高性能ぶりです。
アウディは上品で都会的、そして洗練されたエクステリアデザインが特徴で、これはスポーツモデルのSシリーズやRSシリーズも例外ではありません。
いたずらに派手さを求めず、外観でAシリーズと異なる点は専用エンブレムや大径タイヤ、大型ホイール程度です。
車に興味のない方が、このような小さな差異を見抜くことはまずないので、専用パーツが醸し出すノーマル車とは異質な雰囲気にも気づかないかもしれません。
しかし車好きならノーマル車とは違う異質な雰囲気を感じ取り、「お主、やるなぁ」と感じるところ。
これが「羊の皮を被った狼」の、違いがわかる人にはわかる魅力なのです。
アウディ RS 3 セダンとA3 セダンの違い
アウディ RS 3 セダンはA3 セダンがベースです。
代表的な変更点はエンジンで、A3 セダンは1.4リッター直4ターボ(最高出力90kW/120ps@5,000-6,000rpm、最大トルク200Nm/20.4kgm@1,400-4,000rpm)と2.0リッター直4ターボ(最高出力140kW /190ps@4,180-6,000rpm、最大トルク320Nm /32.6kgm@1,500-4,180rpm)を搭載。
RS 3 セダンは2.5リッター直5ターボ(最高出力294kW/400ps@5,850-7,000rpm、最大トルク480Nm/48.9kgm@1,700-5,850rpm)を搭載しています。
1.4リッターと比べると、3倍強の最高出力と2倍強の最大トルクを誇るモンスターエンジンを、ゴルフやカローラクラスのボディに搭載しているので、遅いはずがありません。
強大なエンジンパワーを路面に伝達するタイヤも、ノーマル車よりワイド化されています。
また、タイヤはA3 セダン 1.4リッター車では205/55R16、2.0リッター車では225/45R17サイズを装着しますが、RS 3では235/35R19をチョイス。
1.4リッター車より30mmワイドなサイズのタイヤを履きこなすために、ノーマルの1,795mmから1,800mmへと5mm車体をワイド化し、それが前後トレッドのワイド化(フロント:1,555mm→1,560mm、リア:1,525mm→1,530mm)に活かされています。
RS 3 セダンはスーパーカーさながらの高性能車でありながら、プレミアムブランドらしい高品質車でもあり、ハイパフォーマンスを内包していても、外観で変化しているのは、車幅で5mmのワイド化とワイドタイヤや専用エンブレム程度。
まさに違いがわかる車好きのための、「羊の皮を被った狼」なのです。
ガレージハウス「INCELL」のアウディ RS 3 セダンは500PSにパワーアップ
ノーマルでもモンスター状態のアウディ RS 3 セダンですが、これは本性ではありません。
首都圏で賃貸ガレージハウス「INCELL」を展開する株式会社インフィストデザインの須田社長は、車好きでサーキットも走行するほど。
サーキット走行用に選んだ車がアウディ RS 3 セダンなのですが、もちろんチューニングも施されています。
しかも車検対応パーツでチューニングしているので、公道走行も可能。
気になるチューニング内容、特にエンジン回りなのですが、インタークーラーの大型化(ついでに控えめになるようブラックタイプをチョイス)、エアクリーナー変更(ただし純正と取り換えるタイプで見た目は変更なし)、ROM変更(そもそも見えません)、排気系チューニングなどで500psを達成!
エンジン本体には手を加えず、周辺のチューンだけでノーマル比100psアップを実現しているなど、アウディ RS 3 セダンの潜在性能は、まだまだ奥が深そうです。
まとめ
カローラクラスのコンパクトなボディに、400psを発揮する2.5リッターターボを搭載し、見た目はA3 セダンと比較しなければわからないほどの小さな違いしかない、非常に奥ゆかしい高性能車、アウディ RS 3 セダン。
価格は785万円で、内容を考えるとかなりのバーゲンプライスです。
羊の皮を被った狼な車をお考えの方におすすめしたい1台ですが、2019年9月で日本での新車販売は終了。
現在は、中古車で探すしかありません。
新車のデリバリー期間が2年ほどと短期だったので、納得できるコンディションの中古車を見つけたら、とりあえず手付金を支払うことをおすすめします。
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