トヨタが発表したコンセプトカー『GRスーパースポーツコンセプト』の市販化が、現実になろうとしています。しかも、トヨタ史上初の億越え市販車になる見込み。WECマシンがそのまま公道を走行できる大胆なプロジェクトが、トヨタ内で進行しているようです。

掲載日:2019.8/15

© TOYOTA MOTOR CORPORATION.

近いうちにトヨタから2〜3億円のハイパーカー発売!

GRスーパースポーツコンセプト / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.

「国産メーカーから2〜3億円のクルマが発売される!」そんな時代がとうとうやってくるかもしれません。

トヨタは2018年1月に開催された東京オートサロンでコンセプトモデル『GRスーパースポーツ コンセプト』を発表し、市販化に向けた開発を進めていることを明言しました。

この時点では、明らかにされていませんでしたが、トヨタが参戦するWEC(FIA世界耐久選手権)は、来年秋に始まる2020-2021年シーズンより今までの『LMP規定』から『ハイパーカー規定(仮称)』へ生まれ変わります。

既にトヨタは2020-2021年シーズンのWEC参戦を表明しており、マシンは現行のTS050をベースにニューモデルを製作しています。

そのWEC車両こそがGRスーパースポーツコンセプトを彷彿とさせるシルエットを纏っており、GRスーパースポーツ(仮称)はWEC車両をそのままロードゴーイングマシンに仕立てたハイパーカーとして、市販するプロジェクトが進行しているのです。

価格はメディアによってさまざまな見方が成されていますが、2億円または3億円が濃厚で、トヨタ史上最高額の公道走行可能な市販車になることは間違いありません。

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GRスーパースポーツの購入者は既に決まっていた

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まず、お伝えしたいのは、GAZOO Racingカンパニーの友山茂樹プレジデントが、100%の確率で市販化すると断言していることです。

WEC車両とGRスーパースポーツの開発は、ドイツ・ケルンに拠点をおくTMG(Toyota Motorsport GmbH)で行っています。

億越えのクルマだけに生産台数はかなり少数に限定されることが予想されますが、すでに優良顧客に向けては案内を行っており、購入希望者が少なからずいるようです。

そもそも、トヨタの優良顧客とはどんな方々なのでしょうか。

おそらくレクサスLF-Aを新車で購入した方や、新モデルが出るたびに購入している大口のお客様であるとみられます。

さらに、GRスーパースポーツを生産する際の初期ロットの国内割り当ては既に埋まっており、集まった購入希望者を抽選により絞った上で、GR販売店関係者から当選した顧客へ伝達済みとの情報が流れています。

ということは、国内でGRスーパースポーツを購入できる方は、既に決定していることです。

WEC・ハイパーカークラスのレギュレーションとは

出典:https://www.fiawec.com/en/news/new-2020-hypercar-regulations-approved/6186

WEC運営側は、2020年9月から始まるWEC ハイパーカークラスについて、従来のLMPカーではなく、スポーツカースタイルを尊重することを明かしています。

要はあからさまにメーカーが作ったプロトタイプレーシングカーではなく、公道を走るスポーツカーを思わせるシルエットでなければならないということです。

参戦車両は、ハイパーカースタイルのレーシングプロトタイプカーを製作する方法と、市販ハイパーカーからレーシングカーにする方法の2種類が認められています。

しかし、市販ハイパーカーからレーシングカーを作り出す場合は、ベースの市販ハイパーカーを2年以内に20台以上製造しなければなりません。

そのため、GRスーパースポーツは最低でも20台生産すると予想されています。

しかし、友山茂樹プレジデントはレースフィールドにあるクルマからロードゴーイングバージョンをつくり出すと話しており、WEC ハイパーカークラスへ参戦するにあたり、イチからレーシングカーを製作しているため、レギュレーションをクリアするためにホモロゲーション車両を生産している訳ではありません。

また、GRスーパースポーツは公道走行を可能にするため、衝突安全性や法規要件をクリアしつつも、なるべく本家に近いものを出すとし、WECマシンにそのまま保安部品を取り付けたモデルが登場しそうです。

レギュレーションに関しては、競技車両の最低重量を1,100kgとし、パワートレインはハイブリッドとノンハイブリッドが認められています。

また、最高出力の上限を750馬力、ハイブリッドにする際は電気モーターの最高出力を最大270馬力、モーターの駆動は前輪のみとの規定も。

また、FIAはBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)を行い、マシンの性能を統一化させる意向を表明しています。

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GRハイパースポーツの性能とは

GRスーパースポーツコンセプト / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.

GRスーパースポーツコンセプト / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.

GRハイパースポーツは、TS050と同様にリアミッドシップに2.4リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載し、モーターとエンジンを合わせて1,000馬力越えを実現するとみられます。

トヨタの次期WEC車両はTS050とほぼ同じパーツで構成すると発表されているので、チューニングや使用する素材を一部変更するとしても、中身はTS050のバージョンアップになりそうです。

トヨタTS050 / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.

しかし、ハイブリッドシステムに関しては、従来とは全く異なるレース用システム『THS-R』の搭載を予定。

TS050のエンジンは熱効率50%を達成していますが、次期モデルでは驚異の60%越えを目指しており、熱効率60%のエンジンはそのままGRスーパースポーツに搭載されるでしょう。

GRハイパースポーツの発売日は

東京オートサロン2019 / © TOKYO AUTO SALON ASSOCIATION

GRスーパースポーツコンセプトが東京オートサロンで発表されたとすれば、市販モデルの発表も東京オートサロンになることが予想されます。

まずは、WEC参戦車両の開発を先行して行い、レース参戦が実現してからGRスーパースポーツの発売となる見込み。

お披露目は2022年1月開催の東京オートサロンで、2022年中にデリバリー開始といったところではないでしょうか。

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まとめ

GRスーパースポーツコンセプト / © TOYOTA MOTOR CORPORATION.

今回ご紹介した内容は夢物語ではなく、トヨタが現在進行形でおこなっている計画です。

友山茂樹プレジデントがGRスーパースポーツに関して明確なコメントを残しているため、あと2〜3年でトヨタから億越えのスーパーカーが登場します!(断言とまではいきませんが)

そんなトヨタの勢いは、2020年を超えても留まることはありません。

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