レースにまつわる”人”にフォーカスし、その素顔に迫る連載『RacerzLife』。今回はレーシングドライバーの番場 琢選手の素顔に迫る短期連載の中編です!前編では現在までのキャリアを中心に、番場選手とモータースポーツとの出会いなどに触れてきましたが、中編では最近、番場選手が始めたというクルマの運転の楽しさを広める活動について、聞いてきました。

 

©︎Motorz

 

レーサーと経営者、二足のわらじ

 

バンツォ主催の『BBK』の様子 / 画像提供:番場 琢

 

現在でこそ、スーパー耐久シリーズやSUPER GTのドライバーというイメージが強い番場選手ですが、実は2015年に『BAMZO(バンツォ)株式会社』という会社を個人で立ち上げ、経営者としての一面も持っています。

このバンツォとは、一体どういう会社なのでしょうか?

「『BBK(番場とバーベキューカート)』や『NICONICO BAMBAn Cup(ニコバンカップ)』といったレーシングカートのイベントや、一般道からサーキットまでのドライビングレッスンを私主催で開催しているのですが、色々なモータースポーツイベントを企画運営をしている会社になります。

また、ドライビングレッスンも駐車場を使った広場トレーニングのような初心者向けのものから、コースを使った上級者向けのマンツーマンレッスンまで様々なメニューを用意しています。

そして、最近ではサーキットでしか使えないような”速く走るコツ”だけではなく、一般道を安心して走れるコツをお伝えする活動も、私がレース活動で所属している埼玉トヨペットさんと提携してスタート致しました。

こちらは『ケアセミナー』と呼んでいて、埼玉県下のレクサス店のお客様を対象に、改めて安全運転について意識してもらうレッスンとなっています。

実は、”プロのレーサーが行うセミナー”と聞くと、参加者の皆さんはかしこまって来る方が多いのですが、そんなに難しいことをする訳ではなく、どちらかと言えば技術的な面よりも「運転することって楽しいよね!」という本質を伝えられるような内容を心がけていているのが特徴です。

またもう少しフランクなものだと、お台場のメガウェブ主催の『脱ペーパードライバー講習』という安全運転レッスンのインストラクターなんかもやっております。」

 

BBKでは番場さん自ら”網奉行”をしてくれます(笑) / 画像提供:番場 琢

 

「運転を教わる」ことは怖い…?

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「クルマの運転は楽しい。」

クルマ好きにとっては当たり前のことですが、一般の主婦や週末の家族サービスのためだけにハンドルを握るお父さんは、”運転”に対してどのような印象を持っているのでしょうか。また、番場さんの元にはどのような人が運転技術を学びに来るのでしょうか?

 

「基本的に埼玉トヨペットさんのケアセミナーにいらっしゃる方には、奥様だったりリタイアされたお父様だったり、あとは子供が生まれたのでクルマを買ったという旦那様も多いですね。

おおよその人が1番最初に自動車の運転を教わる所って、当然教習所だと思うんですよ。

そして、免許を若い頃に取られるかと思うのですが、一度免許を取ってしまうと誰かに運転を教わる機会ってあまりないですよね。

強いて挙げるならば、結婚してペーパードライバーだった奥さんが、近所に買い物行くためにクルマに乗る必要があって、旦那さんに教わるとか。

でも、教習所では「恐い教官に当たると嫌だなぁ。」という経験をされた方もいると思いますし、旦那さんに運転を教わるにしても「違うよ!」とか怒鳴られたり、意外と”クルマの運転を教わる”=怒られるというイメージが定着してしまって、運転することにネガティブになってしまう人が多いんだなーって気が付いたんです。

クルマ好きの人ってやっぱりクルマとの一体感とか”操る喜び”みたいなのを知ってると思うので、操れるようにさえなればきっと誰でもクルマの運転を楽しめるはずなんです。

だから、伝え方、話し方、表情とか、少し変えるだけで自然と笑顔が増えるんですよ(笑)。」

 

身振り手振りを加えながら軽妙にインタビューに答えてくれました。/ ©︎Motorz

 

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「安全運転」にマニュアルはない

 

経験値豊富なドライバーしか走れないので、一般道よりもSUPER GTの方がある意味では安全と言えるかもしれない / 画像提供:埼玉トヨペット

 

一般道において「これさえしておけば、安全に走れる」ということはなく、常に予測の連続です。

そのため、予測のレパートリーを増やす、という意味でも経験値がモノを言います。

 

「教習所などでやっている普通のペーパードライバー向けのレッスンと、私がやっている講習では少しベクトルが違います。

ペーパードライバーは、やはり運転に対する”経験値”が圧倒的に足りてないのですが、一般的なレッスンに置いて、講師は受講者を運転に慣れさせるために助手席にいます。

教習車の補助ブレーキなどが、まさにそれですよね。

ですが、私がやっているレッスンでは「クルマの運転が楽しくなる」ようにやっています。

だから、運転が怖いとか、クルマの運転に対する悪い意識を変えて、自発的にクルマにどんどん乗ってもらえるようになってくれたら嬉しいなー、と思います。

そしてもちろん、急ブレーキを踏んでもらったり、クルマの限界を少しでも知ってもらうことで、徐々にクルマの事を理解してもらって、自信をもって操れるようになってもらえればと思っています。」

 

まとめ

 

マークXと番場選手 / ©︎Motorz

 

既に3年で20回ほど開催し、300人近い受講生を輩出しているという埼玉トヨペットでのケアセミナー。

中にはリピーターの方もいるそうで「家族にも受けさせたい!」と言ってお孫さんを連れて来たという例も!!

それもそのはず、番場選手の語り口はとてもウィットに富んでおり、インタビュー取材中もとても朗らかで楽しい時間となりました。

そんな番場選手が教えてくれるレッスンなら「自分も受けてみたいな」と思うほどでした。

最後となる後編では、そんなケアセミナーを行なっている埼玉トヨペット代表取締役の平沼貴之さんにもお話を伺いつつ、番場選手が考えている今後の活動について聞いてきたので、次回も楽しみにしていてくださいね。

 

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