レースにまつわる”人”にフォーカスし、その素顔に迫る連載『RacerzLife』。今回はレーシングドライバーの番場 琢選手の素顔に迫る短期連載記事の後編です!中編では最近、番場選手が始めたという、クルマの運転の楽しさを広める活動について聞いていきました。後編では、その話の中で出てきた埼玉トヨペットさんの『ケアセミナー』活動から、今後の番場選手の活動について探っていきたいと思います!
クルマを”売る”だけで終わらせない
番場選手が所属している埼玉トヨペットの代表取締役でもあり、スーパー耐久シリーズではドライバーも務める平沼貴之さんに『ケアセミナー』について伺ってみました。
平沼:「埼玉トヨペットでは販売店として「クルマを売る」「クルマを整備する」という事業を行なっていて、それに伴うキーワードとして「安心」とか「安全」をモットーにしているわけですが、クルマの使い方とかクルマの楽しみ方みたいな部分までお客様に提案出来れば、より良い価値を提供できるんじゃないかなと考えていました。
会社としてクルマを販売して、当然その先のメンテナンスまでケアもしているのですが、もっと先の部分ですね。
そこまでやれたらもっと良いよねという。
それで、お客様にクルマの楽しみ方をもっとアピールしようということで、モータースポーツ室を発足させて、スーパー耐久やSUPER GTなどに参戦をしてみて、自分自身もレーシングドライバーとしてモータースポーツにチャレンジする事で、お客様と我々との溝を埋めたかったんです。
その活動を通して番場選手とも知り合うことが出来ました。
そして彼がやっている安全運転講習をもっと組織的にパッケージング出来たらいいなーと思って、お客様のアフターサービスのさらにその先の部分の”ケア”の一環ということで『ケアセミナー』という名前にしているんです。
お客様の中には「奥様でも乗れるクルマを」という理由でコンパクトカーを選ばれる方も多いのですが、その奥様が運転に意欲的になってくれれば、セカンドカー選びの際にもう少しクルマの選択肢が増えるかもしれないですしね。
プログラムの完成度も良いし、実際実売にも繋がっているので、今後とも続けていきたいと思っています。
内容も色々なものを取り入れて、どんどん進化させていく予定ですので、モータースポーツ活動だけでなく、こちらにも注目して頂けると幸いです。」
埼玉トヨペットで、チャンピオンを獲りたい
今年で5年目になる埼玉トヨペットと番場選手の関係ですが、番場選手にとって同チームはこれまでのチームとは違う、特別な存在となっているようです。
「現在36歳という年齢もあるので、あと何年ドライバーをやれるかな?というのが正直な所です。
去り際について少しは考えますが、やっぱり求められるうちは頑張りたいなという気持ちが強いので、必要とされなくなった時が引退のタイミングなのかな、と思っています。
ただ、これまでのキャリアの中で今いるこのチームが、なんというか1番居心地良いんですよね(笑)。
なので、このチームでレーサーとしてのキャリアを上がれたら……という気持ちが強いです。
自分は2011年に1度、GT300クラスでシリーズチャンピオンを獲っているので、引退する前にもう一度チャンピオンを、出来れば埼玉トヨペットで獲りたい。
それが現在の”レーシングドライバー” 番場 琢としての目標です。」
“非常勤講師” 番場 琢!?
今度は少し視点を変えて、個人としての番場さんの今後の展望について聞いてみました。
「昔から喋ることは好きだったのですが、セミナーや講習を行なっていくうちに、人に伝えたり教えたりする事が好きなんだなって気づいたんですよ。
同じテーマでも自分の話し方ひとつで、楽しい気持ちとか、納得や共感を生むことができるんだなって自信も生まれてきたし、そんなことを活かしたことがしたいなーって、漠然と思っています。
今やっている安全運転セミナーをマンツーマンで行う機会を増やしたり、分からないですけど逆に大学とかの非常勤講師として、もっと多くの人に運転する楽しさを伝えたり、講演会とかもやれる機会を作って挑戦していきたいですね。
まぁ、まだ今はレーシングドライバーとして明確な目標があって、そちらの方が意識としては強いのですが、ぼんやりとそんなことも考えたりしてますね(笑)。」
まとめ
まさかの非常勤講師!?なんていうワードも飛び出したり、終始コミカルかつテンポよく進んだインタビューもいよいよ終盤に。
最後に、これまでの前・中・後編でのインタビューについて振り返っていただきました。
「自分にとってモータースポーツとは、レーサーになりたくて始めたわけではない競技なんです。
こういう言い方は良くないかもしれませんが、本当にタイミングと運が良くてたまたまプロとしてレーサーになれた部類の人間だと自分では思っています。
ただ、いつまでもレーサーを続けることも出来ない。
その先を考えた時に始めたことが『安全運転セミナー』でした。
これを始めたことによって、レーサーをやっているだけでは出会えない人との繋がりも生まれたし、どうやら恩返しが出来そうだ、ということも分かってきました。
モータースポーツを始めたことで救われたと思っているので、やっぱり、この業界に恩返ししたいんだと思います。」
深く恩を感じているというモータースポーツに対して、番場選手はこの先一体どのような”恩返し”を考えているのでしょうか?
今後の活動も目が離せません。
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