2015年からレクサス チーム サードのドライバーを務めているヘイキ・コバライネン選手。元F1ドライバーの肩書きも持つ、フィンランド出身の彼を皆さんはご存知でしょうか？スーパーGTでもチャンピオン経験を持っているので「知ってるよ」という方も多いとは思いますが、実はあまり知られていないすごい才能とお茶目な一面を持った愛すべきドライバーなのです。

 

出典：https://twitter.com/McLarenF1/

 

ヘイキ・コバライネンの経歴

 

Photo by Tomohiro Yoshita

©️Motorz

 

F1で優勝経験を持ち、世界的にも有名なドライバーであるヘイキ・コバライネン選手は1981年10月19日生まれ。

数多くの優秀なレーシングドライバーを輩出してきたレーサー大国、フィンランド出身です。

そんな彼のキャリアは、多くのF1ドライバーと同様にレーシングカートからスタートします。

そして1991年から2000年までの9年間、レーシングカートでスキルを磨き続け、カートでのキャリア最後の年となった2000年には、ツインリンクもてぎ北ショートコースで行われた『CIK-FIA WORLD CUP SHELL ADVANCE KART RACE』のFSAクラスで4位入賞。（2位はヴィタントニオ・リウッツィ。また、FAクラスでは、ルイス・ハミルトンが優勝、ニコ・ロズベルグが9位だった。）

その後、2001年にフォーミュラレースへ転向し、2005年までにフォーミュラ ルノー、フォーミュラ3、GP2と順調にステップアップしていきます。

特にGP2を戦った2005年シーズンは、最終ラウンドまでチャンピオン争いを繰り広げ、僅差でニコ・ロズベルグ選手に逆転を許し、2位でシーズンを終えます。

また、GP2に参戦するかたわら、ルノーF1チームのテストにも参加。

翌年2006年シーズンはルノーのテストドライバーとして走り込み、2007年に念願のF1デビューを果たしました。

その後、F1ではマクラーレンやロータス（途中から名称が変わりケータハム）といったチームのドライバーを務め、2012年までの6年間をF1サーカスの仲間として過ごしました。

なかでも2008年のハンガリーGPでF1初優勝を飾ったコバライネン選手は、F1で100人目となる優勝者ということでも広く知られています。

 

コバライネンとSUPER GTの出会い

Photo by Tomohiro Yoshita

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そんなコバライネン選手がスーパーGTへやって来たのは、2015年のこと。

平手晃平選手のチームメイトとしてレクサス・チーム・サードに迎えられると、国内カテゴリーにF1優勝者が参戦するということで大きな注目を集めます。

しかし、スーパーGTでの1年目は多くの人たちの期待に応えられるような結果を残すことは出来ずデビュー戦となった開幕戦 岡山では5位入賞と上々のスタートを切りましたが、その後はそれ以上の好成績を残せず、総合14位でシーズンを終えました。

この結果を受けてコバライネン選手はチームと過ごす時間を増やし、日本で多くの作業に取り組みます。

そして、参戦2年目となった今季はその成果が目に見えて発揮され、第2戦 富士で2位に入り初表彰台を獲得すると、続く第3戦 SUGOでも2戦連続となる表彰台フィニッシュを達成。

その後も安定してポイントを積み重ね、終盤に向けて怒涛の追い上げを見せました。

その後、熊本地震で中止となった第3戦の振替として行われたツインリンクもてぎでは、またしても2位に入ると翌日行われた最終戦ではスーパーGTで初優勝！！

ランキングでも見事首位に立ち、参戦2年目で王座を獲得してみせたのです。

また、翌2017年、2018年シーズンも引き続き、サードからスーパーGTへ参戦。

特に2018年シーズンはチームメイトが長年タッグを組んでいた平手晃平選手から小林可夢偉選手へと代わり、F1経験者コンビとなったことでも話題になりました。

そして、既に2019年シーズンもサードからの参戦を表明しているコバライネン選手。

DTMとのコラボレーションも決定しており、大変革が起きるシーズンをどう戦うのか、目が離せません。

 

実はラリーも大好き！

 

©️Motorz

 

これはフィンランド人F1ドライバーあるあるの1つですが、例に漏れずラリーが大好きなコバライネン選手。

同郷のキミ・ライコネン選手は一時期F1を離れ、WRCへ転向するほどのラリー好きで知られていますが、コバライネン選手もF1を離れた翌年の2015年に、地元フィンランド選手権の開幕戦にフォード・フィエスタR5でエントリーし、ラリーデビュー。

いきなり3位表彰台を獲得します。

また、2016年にはスーパーGTに参戦するかたわら、全日本ラリーにも挑戦。

ラリー洞爺・ラリー北海道・ハイランドマスターズ・新城ラリーの4戦にトヨタ86のラリー仕様車『CS-R3』でエントリーし、特に新城ラリーではクラス2位、総合でも4位に入る好成績を残しています。

ちなみに、余談ですが、F1デビュー前の2004年には、フォーミュラレースやラリーなどの各選手権のチャンピオンらをシーズンオフに集め、その年の1番速かったドライバーを決める『レース・オブ・チャンピオンズ』にも参加。

コバライネンはトーナメント初戦でデビッド・クルサード、第2回戦でジャン・アレジ、準決勝でミハエル・シューマッハ、決勝では同年の世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンのセバスチャン・ローブ、と名だたるドライバーをことごとく撃破してチャンピオンを獲得。

「シューマッハを破った男」として一躍脚光を浴び、フォーミュラ/ハコ車不問の才能の片鱗を示しました。

 

“オフ”がめっちゃ楽しそう！

 

フライト前に、チャンピオンボトルを景気良く傾けたから、機内はぐっすり寝れるぜ！行き先は冬のワンダーランドさ！（超意訳）

極東の地、日本を舞台に開催されているスーパーGTへやってきて、かれこれ5年目になるコバライネン選手ですが、自身のTwitterなどに投稿するオフシーズンの様子がとても楽しそうだと、ファンの間で話題となっています。

最後に、そんなコバライネン選手の貴重なオフショットをいくつかご紹介しましょう。

みんな！！！あけおめ！！！！（超意訳）

北欧フィンランドでは、氷上レースも盛んに行われています。

コバライネン選手はバイクも巧みに操れるご様子で、見事なウィリーを披露してくれました。

去年の氷上レースのラップタイムがウチの納屋に書いてあるけど、MotoGPボーイズたちはオレより速すぎるぜ……（超意訳）

MotoGPライダーたちとも交流のあるコバライネン選手。

自宅の納屋にはMotoGPを戦うオーストラリア出身のジャック・ミラー選手や、Moto3ライダーで同郷のニクラス・アジョ選手のラップタイムも刻まれているようです。

寒い日にあったまるにはコレに限る!!（超意訳）

見事な”フィンランド流体温調整術”を披露してくれたコバライネン選手。

結構な太さの薪をバコバコと割ってますが、やったことがある方には分かると思いますが、薪割りって結構難しいんですよね。

フィンランドに多く自生するシラカバは比較的柔らかく、割りやすい方なのですが、その分火持ちも悪く、たくさん割っておかないとすぐに無くなってしまいます。

そのため、冬のスオミ（フィンランド人のこと）はとにかく薪割り！そしてサウナ！ウォッカ！がステレオタイプ的なライフスタイルなのだとか（笑）。

 

まとめ

©TOYOTA

 

スーパーGTを戦う外国人ドライバー列伝ということで、レクサス・チーム・サードで戦うヘイキ・コバライネン選手をご紹介しました。

経歴もさることながら、フォーミュラだけではなく、ラリーやハコ車レースでも天賦の才を発揮する彼は、まさしく”フライング・フィン”。

そして、ただ速いだけではなく、SNSなどではお茶目な一面も見せてくれているのです！

スーパーGTにはこのような愛すべき外国人ドライバーがまだまだたくさんいますので、引き続きご紹介していこうと思います！

 

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