Motorz

クルマ・バイクをもっと楽しくするメディア

Motorz

CATEGORYCar, Race, Racerz

プロも御用達、シミュレータの有効な活用法とは?連載企画!レーシングドライバー根本悠生の新たな挑戦!第2回「-事前準備編-」

皆さんこんにちは、レーシングドライバーの根本悠生です。Motorzさんでの連載企画「根本悠生の新たな挑戦!10代最後の夏に、憧れのあの車に乗る!」。第2回の今回は、バレルンガで勝つために僕が行った集中トレーニングについて。実は、イタリアに行く前に、130R YOKOHAMAさんのレーシングシミュレータでみっちり走りこみました。今や当たり前になってきたシミュレータ、ただ走りこむだけじゃなく、考えて走るともっと有効に使えるんです。今回は僕なりの活用方法をご紹介します!

Photo by Photo4

Photo by Photo4

海外レース参戦に欠かせないシミュレータートレーニング

シミュレーター

今回急遽イタリアGTヴァレルンガ戦への参戦のチャンスを頂けたのですが、その話が飛び込んできたのはなんと日本を発つわずか一週間半前。

通常の国内のレースであればほとんどサーキットをFIA-F4やFCJ、スーパ−FJで経験しているためあとは車のイメージを作っていくだけなのですが、今回のような海外レースの場合は車はおろかサーキットのこともタイヤのことも全く分かりません。

そんな時に必要不可欠なのが、レーシングシミュレータでのトレーニング。今回は数多くあるシミュレーターショップの中でも、織戸学選手が運営する「130R YOKOHAMA」にお邪魔させて頂きました。

根本悠生といえば「ZAPUSH」「D.D.R池袋店」といったイメージが強いと思いますが、まずは目的に合った正しいシミュレーターショップの選び方からご紹介します!

 

正しいシミュレーターショップの選び方-僕が130Rにお邪魔した理由-

MAX☆ORIDO RACING

130Rとは、神奈川県は横浜市、第三京浜道路の都築ICからすぐのところにある、MAX☆ORIDOこと織戸学選手が運営するシミュレーターショップ「130R YOKOHAMA」です。

 

「自宅からのアクセスの良さ」

実はめちゃめちゃ大事なのが”アクセスの良さ”。

例えば平日のお仕事終わり、空き時間が3時間あったとして…

ショップまで往復1時間かかるとプレイ時間は2時間も。

しかしショップまで往復2時間かかってしまうと、プレイ時間は1時間しか残りません。

乗れば乗るほど車やサーキットへの理解度は上がっていくため、せっかくショップに行くのであれば沢山乗りたいですよね!

それともう一つ、あまりに集中していると時間を忘れてひたすら走ってしまうこと、ありますよね。

僕も一度だけやらかしたことがあります。それは…終電を逃したこと。

勿論、家からショップまでが近ければ、終電の時間も遅くなりますので思いっきり走ることができます!

 

「目的に合ったコーチが在籍しているか、環境があるかどうか」

僕が今回ZAPUSHでもD.D.R池袋店でもなく”130R YOKOHAMA”でトレーニングをしていた理由は勿論、織戸学選手がいらっしゃったからです。

以前たまたまご挨拶させて頂く機会があり、そんなご縁もあって今回のイタリアGT参戦に向けたトレーニングのご相談をさせて頂いたところ、本当に快く「お、いいよ〜!」とおっしゃってくださいました。

織戸さんは2016年、スーパーGT 300クラスに【#88 Team JLOC マネパランボルギーニGT3】から参戦しています。

しかし遡ること2013年、実は織戸さんは”スーパートロフェオ・ワールドファイナル”に参戦していたのです!皆さんご存知でしたでしょうか?

出典:http://www.blancpain.com/

出典:http://www.blancpain.com/

既にスーパートロフェオの”世界レベルの戦い”を経験されている織戸さん。しかもそのワールドファイナルが行われたのは、僕がレースをしたあのヴァレルンガ!

“Lamborghiniを知り尽くした男”と言っても過言ではない織戸さんがセットアップした車両。

それはつまり、一番”実車に近い”車両でトレーニングができるということになります。

ということで、今回は130R YOKOHAMAにお邪魔させて頂きました。

 

上記のように、シミュレーターショップ毎にそれぞれ”強み”がありますので、自分のトレーニング目的に合わせたショップを選んでいくのも大事だと思います。

ちなみにD.D.R池袋店 店長(代理)の前田さんはスーパ−FJやVITAなどエントリークラスの達人!

ZAPUSHを運営しているZAPSPEEDは皆様もご存知スーパーFJやFIA-F4、JAF-F4の名門チーム。

名門チームが直接運営しているショップだからこそ、実車のデータとの比較が可能となっています。そしてトレーニングに来る多くの現役のドライバーとの比較も可能!

このような”良いコーチを付けること”そして“より良い環境で走ること”が本格的なトレーニングをする上で大事になってきます。

 

「完全予約制」or「予約優先制」

シミュレーターショップにも、「完全予約制」と「予約優先制」があります。

ここ130R YOKOHAMAは完全予約制。そのため、周りを気にすることなくトレーニングだけに集中することができます。

また上の写真のようにコーチ(僕の場合は織戸さん)とマンツーマンでトレーニングができることも魅力の一つです。

ただD.D.R池袋店のような予約優先制のお店であっても、お客さんがたくさんいることでそれだけ多くのアドバイスが頂けたり、お客さんの走りを見て新たな発見があることも多くあります。

こちらも自分のトレーニング目的に合わせて選んでいくことが大切です。

 

実際のトレーニングの際に意識していることは

©vs-racing

©vs-racing

では、僕らレーシングドライバーが実際どこを意識してトレーニングしているのでしょうか?

実車のドライビングスタイルが十人十色なように、シミュレーターの活用法も人それぞれです。

なので下記に挙げるのはあくまで根本悠生なりのトレーニング方法となりますが、ご紹介させて頂きます!

 

「サーキット攻略-ラインの違いによるタイムの変化量を体に染み込ませる-」

https://www.youtube.com

https://www.youtube.com

基本的にドライバーが行っている操作は”ハンドル・アクセル・ブレーキ”の3つですから、正しい”ブレーキングポイント、ターンインポイント、スロットルポイント”を見極めていくのが重要です。

ある程度のタイムが出ると、そこから徐々にタイムを上げていくために

 

⑴どの縁石が使えるのか試していく。

カットするのか、ひっかけていくのか、縁石に乗る時の車速と角度を見極める。

 

⑵コーナー毎に”ボトムスピードを上げる”のか”進入車速を上げる”のか”脱出車速を上げる”のかを決める。

進入車速を上げるのも”突っ込み重視”なのか”ブレーキを素早くリリースして車速を保つ”のかを見極める。

 

基本的にはこの二つをどんどんトライしていきます。

その上で、僕の中でとても大事にしているのが「ラインを変えた時のタイムの変化量を完璧に理解する」ことです。

©vs-racing

©vs-racing

レース中、例えばイタリアGTであれば約50分間、常にシミュレーターと同じようなクリーンラップを取れるわけではありません。

相手とのバトルがあり、トラフィックがあり、練習走行ではGT3車両も混走しています。

そんな中で可能な限り少ないロスでパスしていく、パスさせるために様々なシチュエーションを予想して練習していきます。それができるのもシミュレーターだからこそです。

そうやって色々試行錯誤していくうちに、より車とサーキットに対する理解度が上がっていきます。そうすることでより手足のように扱えるようになるのです!

 

「マシン攻略-特性を理解し攻め方を頭で理解する-」

©vs-racing

©vs-racing

上記の⑴「どの縁石が使えるのか試していく」についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。

車両とサーキットの組み合わせによって、ドライバーが意識する”走らせ方”というのはかなり変わってきます。

今回の僕の例で言うと、FIA-F4はローパワーなのでコーナリング時のボトムスピードをなるべく上げていくスタイルに。

ウラカンはハイパワーなので突っ込みを重視、かつ少しでも早くアクセルを全開にできるように、ボトムスピードを落としてもなるべく早く車の向きを変えていくスタイルになります。

これは実際に乗っているだけでは分かり辛いところでもあると思いますので、自分の乗る車などとあわせて、各ショップのトレーナーさんに実際に聞いてみるのもいいかもしれません!

 

それでは実際のオンボードを見てみましょう!

最後に!先日のヴァレルンガ戦のオンボード映像を根本悠生のYouTubeで公開していますので是非一度ご覧下さい。

ブレーキングをする時の車の姿勢、アングル、車速をコーナーの大きさによって使い分けていますので一つずつ見ていくと面白いかもしれません。

ちなみにこれは僕の予選のアタックラップ。最後にポルシェに引っかからなければ…。

 

これからもどんどんリアルになってくるレーシングシミュレーター。

レーシングシミュレーターショップは年々増加しており、その進化も驚くほど早いものとなっています。

最近話題のVRに対応したシミュレーターも出てきています。

限界までリアルを追求したレーシングシミュレータとは?VR対応シミュレータ「T3R VR edition」をご紹介します。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?”シミュレーターを活用する”と一言で言っても、正しい使い方をしなければ”活用”することはできません。

あくまで僕なりの活用法なので、是非これを参考に自分なりの活用法を作り上げていって頂きたいと思います!

そしてレーシングドライバーの皆さん、レーシングドライバーを目指す皆さん、そしてレーシングドライバーの気分になってみたい皆さんも!!

各地域にあるレーシングシミュレーターショップに足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

それにしても130R YOKOHAMAのシミュレーター、よかった…。

 

130R YOKOHAMA公式HP:http://www.130r-yokohama.com/

ZAPUSH公式HP:http://zapush.com/

D.D.R池袋店公式HP:http://ddr-ikb.com/

 

Writer Introduction
yuki_nemoto

レーシングドライバーの根本悠生です。 2016年はF4 JAPANESE CHAMPIONSHIP CERTIFIED BY FIAにKCMGより"東京トヨペット GUNZE KCMG"として参戦。"身近なレーサー"をモットーにモータースポーツを盛り上げるべく活動しています。http://yukinemoto.com/

車買取.com