本田技研工業が過去に発表してきた「S」を冠する名車の数々。S360やS500といった旧車から始まり、S2000など様々な車種が存在します。今回はそんな歴代のS達を紹介していきます。

 

Photo by Kou

 

 

S360

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBS360

 

S360は、元々二輪事業を行っていたホンダが四輪車事業へ進出する為に着手した車でした。

しかし、その当時の法律などが壁となり市販化される事はありませんでしたが、レプリカモデルとして今でも受け継がれているモデルです。

1962年に第11回 全国ホンダ会総会の試乗会兼お披露目会が、建設中の鈴鹿サーキットで行われました。

そこでは、本田宗一郎自らがステアリングを握り、鈴鹿サーキットを走行させて一般公開しています。

その後S360は、東京国際見本市場で開催された第9回全日本自動車ショーでもお披露目されており、パイプフレーム&FRPボディというレーシングカー顔負けのスペックが公開されました。

残念ながら前述した通り市販化される事はありませんでしたが、本田技研工業が誇る伝説の車として今でも大切に保管されています。

 

1962年式 ホンダ・S360のスペック

全長×全幅×全高(mm):2990×1295×1146
ホイールベース(mm):2000
車両重量(kg):510
エンジン仕様:直列4気筒DOHC
総排気量(cc):356
最高出力:33ps/9000rpm
最大トルク:2.7kgm/7000rpm
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古相場価格:ー

 

S500

 

出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:1963_Honda_S500_01.jpg

 

S500はS360とともに開発された車でした。

しかし、販売される事は無かったS360とは違い、S500は1963年に発売開始されており、1964年まで生産・販売されています。

価格は現代のように高額ではなく、車両本体価格が459,000円に設定されていました。

また、本田技研工業は元々二輪の世界で成功した企業だった為、S500には二輪の技術が多数流用されています。

 

1963年式 ホンダ・S500のスペック

全長×全幅×全高(mm):3300×1430×1200
ホイールベース(mm):2000
車両重量(kg):675
エンジン型式:AS-280E
エンジン仕様:直列4気筒DOHC
総排気量(cc):531
最高出力:44ps/8000rpm
最大トルク:4.6kgm/4500rpm
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古相場価格:ー

 

S600

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBS600

 

S600は通称エスロクと呼ばれた名車で、1964年に発売、1965年まで生産・販売されていました。

コンセプトとしてはFRのオープンスポーツというパッケージになっており、現在でもクラシックカーとして人気を得ています。

こちらもS500同様で、二輪自動車や自動車レース(フォーミュラーカー)で得られた技術を元に流用されており、独自の車造りを展開しています。

基本構造はS500を基にして作られており、駆動方式はFRを採用していました。

また、S600のサスペンションはダブルウィッシュボーンを採用しており、長く続く本田のダブルウィッシュボーン技術の始まりとも言えるモデルです。

 

1964年式 ホンダ・S600のスペック

全長×全幅×全高(mm):3300×1400×1200
ホイールベース(mm):2000
車両重量(kg):675
エンジン型式:AS-285E
エンジン仕様:直列4気筒DOHC
総排気量(cc):695
最高出力:57ps/8500rpm
最大トルク:5.2kgm/5500rpm
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古相場価格:1,999,000~3,700,000円

 

S800

 

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBS800

 

S800は1966年に発売され、HONDAのSシリーズ第3弾として1970年まで生産されました。

こちらもS500・S600と同様で、京浜精機製作所で製造されたCVキャブレターと等長エキゾーストマニーホールドを採用しています。

搭載されているエンジン本体も、それまでの2車種と基本構造は同じものを採用していますが、縦置き水冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載しており、排気量と圧縮比が引き上げられています。

S600との外見上の大きな違いはボンネットのバルジ(ふくらみ)。

これは後にインジェクションを採用する予定があったために設けたと言われていますが、S800をデザインした岩倉信弥氏は、コストの都合で外板デザインはいじれなかったが、本田宗一郎氏の「ボンネットに何かデザインが必要だね」という一言で採用されることになったとコラムで語っています。

 

 

1966年式 ホンダ・S800のスペック

全長×全幅×全高(mm):3335×1400×1215
ホイールベース(mm):2000
車両重量(kg):755
エンジン型式:AS-800E
エンジン仕様:直列4気筒DOHC
総排気量(cc):695
最高出力:70ps/8000rpm
最大トルク:6.7kgm/6000rpm
トランスミッション:4MT
駆動方式:FR
中古相場価格:4,250,000円

 

S2000

 

Photo by Kou

 

S2000は、ホンダ技研工業創立50周年記念車として発表されました。

1998年にお披露目され、1999年より29年振りに販売された本格的なFRスポーツです。

このモデルは前期をAP1と呼び、排気量が2000cc。

S2000は発売当初、とても癖のある車でした。

スポーツカーはある意味「どんどんスポーツドライビングして下さいね!」という車ですが、この車は違いました。

間違った操作をする者に対しては厳しく、本来あるべき操作をする者に対しては最高のパフォーマンスを!という車だったのです。

初期モデルであるAP1は特にその特徴が強く、玄人向けの車だとさえ言われています。

そのAP1を改良したのがAP2で、AP1に比べるとマイルドな挙動が出るようにリセッティングされました。

AP1をサーキットで乗りこなせる方が身近にいるとすればその方は腕に自信がある方ではないでしょうか?

後期では、排気量が2200ccにアップされ、名前もAP2としています。

特にAP2は今だに市場価格が高く、中古車としての人気も高騰。

前後ダブルウィッシュボーンでありFR、これに加えて縦置きVTECエンジンというパッケージが大人気の要因になっています。

また、SUPER耐久ST4クラスでは今でも活躍しており、モータースポーツの世界でも人気の1台です。

 

2007年式 ホンダ・S2000(ABA-AP2)のスペック

全長×全幅×全高(mm):4135×1750×1285
ホイールベース(mm):2400
車両重量(kg):1260
エンジン型式:F22C
エンジン仕様:直列4気筒DOHC
総排気量(cc):2200
最高出力:242ps/7800rpm
最大トルク:22.5kgm/6500rpm
トランスミッション:6MT
駆動方式:FR
中古相場価格:2,480,000~6,980,000円

 

S660

 

出典:http://www.honda.co.jp/

 

S660は1996年に生産終了している同社の軽自動車、ビートの復刻版です。

S660は開発陣営が若年層で構成されているという点が1番の特徴でした。

最高責任者が発売当初26歳と非常に若く、自動車業界で話題になりました。

平均年齢も30歳と、若いスタッフによって開発が行われていたのが分かります。

元々S660はビートの復刻版として開発されていた事もあり若い想像力豊かな、柔らかい頭が必要でした。

そのような背景で若い開発陣で作られたのです。

そしてS660は今時のホンダのデザインを取り入れながらも、ビートを強襲した車に仕上がっています。

エクステリアはビートに比べて空間面積が広くなり、今時の若者に受け入られるような工夫が満載。

また、S660はS2000以来のSが車名に付く本格スポーツカーであり、現行車種である為に非常に人気が高くなっています。

駆動方式がミッドシップである事もあり、運転を楽しむ事が可能で、スポーツドライビングに適した1台に仕上がっているのです。

 

2015年式 ホンダ・S660(DBA-JW5)のスペック

全長×全幅×全高(mm):3395×1475×1180
ホイールベース(mm):2285
車両重量(kg):830
エンジン型式:S07A
エンジン仕様:直列3気筒DOHC12バルブターボ
総排気量(cc):658
最高出力:64ps/6000rpm
最大トルク:10.6kgm/2600rpm
トランスミッション:6MT/CVT
駆動方式:MR
中古相場価格:1,550,000~3,050,000円

 

まとめ

 

いかがでしたか?

S360~S800までのモデルは、ホンダの四輪事業の基礎を作ったと言える時代です。

その後、それまでに培った技術でS2000を開発。

その結果、市販車としてもスポーツカーとしても成功を収めました。

そして、ビートの後継車であるS660の発売。

これからもホンダのSから目を離せません。

 

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