凍った路面でも高いグリップ力を発揮し、一度交換すればチェーンを脱着する煩わしさもないスタッドレスタイヤ。しかし、スタッドレスタイヤの寿命は、夏用タイヤの様に溝の残量だけでは見極められません。見極めを誤ると、凍結路で十分な性能を発揮してくれない事もあるので注意が必要です。そこで、スタッドレスタイヤの耐用年数や寿命の見極め方をご紹介します。

夏タイヤとスタッドレスの根本的な違い

出典:写真AC

夏用タイヤとスタッドレスタイヤの大きな違いは、ゴムの柔らかさと溝の深さです。

スタッドレスタイヤに使用されているゴムは、夏用タイヤと比較して、とても柔らかく、柔らかいゴムを使用することで、氷にしっかりとタイヤを密着させる仕組みとなっています。

そしてもう一つの特徴は、ブロック毎の溝がとても深くなっている点で、夏用タイヤと比べると、その差は一目瞭然です。

雪柱せん断力がスタッドレスタイヤの肝

スタッドレスタイヤは、この深い溝によって柔らかい雪をしっかりと捕まえ、踏み固めることによって固く締まった雪の柱を形成。その雪柱(セッチュウ)を蹴り出すことにより、グリップ力を得ています。

この力を「雪柱せん断力」と呼び、スタッドレスタイヤには欠かせない能力の一つとなっているのです。

ゴムの柔らかさと雪柱せん断力。この2つの特徴が、夏用タイヤとスタッドレスタイヤの寿命を見極める、大きなポイントとなっています。

夏タイヤとスタッドレスの耐用年数の違い

出典:写真AC

スタッドレスタイヤの冬用タイヤとしての耐用年数は、一般的に3年程度と言われており、最長5年と言われる夏用タイヤと比べると、かなり短く感じます。

スタッドレスタイヤの耐用年数が短い理由は、ゴムの柔らかさによって冬用タイヤとしての性能を発揮するからです。

スタッドレスタイヤが雪上や氷上でグリップ性能を発揮できるのは、氷にトレッド面をしっかり密着させ、氷上にある数ミクロンという薄い水の膜を吸盤の様に捕まえる為。つまり、吸盤のようにしっかりと張り付く為には、柔らかさが欠かせません。

しかし、柔らかさが失われるとトレッド面がしっかりと密着できなくなり、溝が残っていても冬タイヤとしての性能を発揮できなくなるのです。

スタッドレスタイヤはゴムの柔らかさがキモ

ゴムは、経年劣化によって硬くなっていくという性質があります。

夏用タイヤも同様にゴムは硬くはなりますが、柔らかい事が性能を発揮する条件であるスタッドレスタイヤは、硬くなる許容範囲が夏用タイヤに比べて狭く、耐用年数が短くなっているのです。

ちなみに、ゴムが硬化したスタッドレスタイヤは、凍結路で十分な性能を発揮できず大変危険です。交換のタイミングは溝の深さだけで判断せず、実際に触って新品時に近い柔らかさがあるか、また、タイヤ側面に記載されている製造年月を見て、製造から3年が経過していないかを、しっかりと確認する必要があります。

プラットフォームとスリップサインの違い

スタッドレスタイヤのスリップサインとプラットフォーム(出展:写真AC)

スタッドレスタイヤの冬用タイヤとしての性能を確認する目安として、もう一つ大切なのがプラットホームです。

タイヤの使用限界を示すスリップサインの存在は、知っている人も多いかと思いますが、プラットフォームはスタッドレスタイヤにある、もう一つのサイン。スタッドレスタイヤは雪をかき分けて氷に密着し、さらに柔らかい雪を締固める(雪柱せん断力)必要があるため、夏用タイヤに比べて溝がとても深くなっています。

溝の深さの50%の位置にあるプラットフォームは、冬用タイヤとして性能を十分に発揮できる使用限界を示しており、プラットフォームが露出したスタッドレスタイヤは、冬用タイヤとして使用することができません。

スタッドレスタイヤに4箇所あるプラットフォームを確認し、もし露出しているようなら、新品のスタッドレスタイヤを購入しましょう。

なお、プラットフォームが露出していても、スリップサインが出るまでは夏用タイヤとして使用することは可能です。


まとめ

出典:写真AC

スタッドレスタイヤは、仮に溝が十分に残っていても、耐用年数を超えるなどしてゴムが硬くなっていると、冬用タイヤとしての性能を十分に発揮できない点が、溝が残っていれば、ある程度性能を発揮してくれる夏用タイヤとの大きな違いです。

積雪や凍結時に、愛車の足元を支えてくれる大切なスタッドレスタイヤは、残り溝だけで判断せず、ゴムの柔らかさを確認しつつ、定期的な交換を心がけましょう。

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