国産車初の市販量産ミッドシップスポーツとして開発された、トヨタ MR2。初代AW、2代目SWともに高い人気を誇っており、過去にはモータースポーツでの輝かしい戦歴や、幻のスーパーラリーマシンなどもありました。
掲載日:2017/01/04
ミッドシップ・ランナバウト、鮮烈なデビュー!
初代MR2が発売されたのは1984年6月。
「ミッドシップ・ランナバウト2シーターマシン」の頭文字を取って「MR2」と名付けられました。
歴代で初めてFF(前輪駆動)を採用したE80系カローラのパワートレーンをフロントから車室後方のリアミッドシップ配置に移し、足回りなども流用。
エンジンはAE86カローラレビン / スプリンタートレノで初採用後、カローラセダンGTとカローラFX GTに先んじて初の「横置き4A-G」となる4A-GELUを搭載しており、カローラFX同様に3A-LU(1.5リッターSOHC)を搭載した廉価版もありました。
後には4A-GELUにスーパーチャージャーを追加した、4A-GZE搭載型も登場しています。
型式名は4A-GELU/4A-GZE搭載車がAW11、3A-LU搭載車がAW10。
AW10にはAE86に対する「ハチゴー」ことAE85のようなカルト的人気は無く、存在そのものを知らない人も多いかも?
FFありきのお手軽ミッドシップながら、好デザイン
当時はフィアット X1/9など、「FF車のパワートレーンをリアミッドシップに移設」して成立した、安価でお手軽なミッドシップスポーツが登場し始めた時期です。
それ以前はファミリーカーでもフロントエンジン・後輪駆動のFRまたはリアエンジン・後輪駆動のRR配置が多かった事から、リアミッドシップ配置は特別なスポーツカー用のレイアウトだと思われてきました。
しかし、ファミリーカーが横置きエンジンとミッションを横一列に配置したジアコーザ式FFレイアウトを採用し始めるた事で、状況が変わります。
ファミリーカーのリアシートを廃し、ジアコーザー式FFパワートレーンをそこに移設してしまえば、簡単にミッドシップスポーツが実現できるようになったのです。
(初代NSXやオートザム AZ-1、ビートも基本的には同じ手法で開発されています)
エンジンの無くなったボンネットは低くなりますし、ヘッドライトの最低地上高を確保するためリトラクブルライトを採用すれば、それがまたスポーツカールックという事で、X1/9同様MR2も国内外でそのデザインが好評を得ました。
今もファンが多い初代MR2。
次のページでは、モータースポーツの分野で活躍したAW11と、2代目であるSW20をご紹介します。