近年ますます注目されているオールシーズンタイヤですが、本当に雪道を走れるのか?オンロードの走り心地はどうなの?など、購入に二の足を踏んでいる方も少なくないと思います。そこで今回は、本場欧州で抜群の知名度を誇るネクセンタイヤのオールシーズンタイヤ「N’Blue 4Season(エヌブルーフォーシーズン)」を雪山に持ち込み、その実力を徹底レポートします。
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Photo : Takanori ARIMA Text : Shingo MASUDA
柔らかくコンフォートな乗り心地
取材当日の早朝、まずは高速道路のサービスエリアで集合し、一路、関越自動車道を連日雪の予報が出されている山間へ向かいます。
ここでまず感じたのは、当りがとてもソフトだということ。
実は今回のテスト車両であるBMW 320dツーリングは、普段一緒に仕事をしているカメラマン所有の車で、筆者も何度となくハンドルを握った経験があります。
“駆け抜ける歓び”というお馴染みのキャッチフレーズがある通り、BMWのサスペンションは固めでスポーティ。また、もともとややスポーツタ寄りのタイヤを履いていたこともあり、優雅に流すというよりも走りを楽しむという印象でした。
N’Blue 4Seasonで感じた第一印象は、柔らかさと軽快感が心地良いまさにコンフォートタイヤ。
他人様の車に文句をつけるなんて無粋なことは避けていましたが、ワゴンボディにトルクフルなディーゼルエンジンを乗せた320dなら、この位ソフトな乗り味の方が明らかにマッチしています。
高速性能は欧州自動車メーカーのお墨付き
サービスエリアの合流車線から徐々に速度を上げていくと、冬用タイヤならではの音が聞こえてきますが、その音は決して不快なものではなく“純粋な夏タイヤよりもやや聞こえる”といった程度です。
音質はスタッドレスタイヤにありがちな「シャー」という高周波の音ではなく、「サー」というやや低めなもので、音量は普通に会話できるレベルのため不快に感じません。
そして、何より感心したのは直進安定性が高いことです。ゴムが柔らかく、トレッドのブロックが高いスタッドレスタイヤでは、どうしてもフニャフニャした乗り心地になり、真っ直ぐ走っていてもなんだか“お尻の座り”が悪い印象を受けます。
冬用タイヤカテゴリーに含まれるオールシーズンタイヤは、夏タイヤに比べて柔らかいゴムが使用されていることが一般的ですが、あのお尻がムズムズする柔らかさをあまり感じません。
それもそのはず、N’Blue 4Seasonには、ポルシェマカンに純正装着されているタイヤとほぼ同じコンパウンドを使っているというのです。
さらに、トレッド面中央に雪道でグリップを発揮する3Dウィンターサイプと、夏のドライ路面でも安心なサマーサイプショルダー部に配置。BMWらしい直進安定性を損なうことが無いのはもちろん、車線変更時のふらつきも一切ないことに驚かされます。
日本においてそれほど知名度が高くないネクセンタイヤですが、その歴史は80年以上という老舗のタイヤメーカー。BMWやポルシェ、VWといった欧州車メーカーに新車タイヤとして採用され、その実力と信頼まさに折り紙つきです。
ドイツを中心とした欧州では、高速道路を130km/hで巡行できなければならないと言います。
ドイツのマガジンテストでも高評価を得ており、高速道路での走行性能が優れているのは当然と言えば当然なのかもしれません。
冬用タイヤ規制もオールシーズンタイヤなら安心
取材日の前後は、関東の平野部でも積雪が警戒されるほど雪に恵まれ(?)、関越トンネルを出るころには完全に雪景色へと変わっていました。
当然高速道路は「冬用タイヤ規制」がされており、夏タイヤではこれ以上進むことができませんが、N’Blue 4Seasonなら難なく通行することができます。
高速道路のインターを出ると、降雪地域にありがちなスプリンクラーが全開で稼働しており、路面はヘビーウエットの状態です。
そんな路面状況でも、V-Typeグループの優れた排水性能によりまったく不安感がありません。
主要道路から一本入った道には、所々シャーベット状の雪が残っていましたが、こちらも特に不安を覚えるような瞬間は皆無です。
雪道であることを肝に銘じておけば問題無し
続いて、いよいよしっかりと雪が積もった場所にやってきました。とは言っても、全く何もされていないような場所ではなく、ある程度除雪をされ凍った表面に昨晩降った雪が積もった状態です。
一見すると不安になるシチュエーションですが、法定速度以下のスピードでは大きな不安はありません。
ちょっと意地悪に、あえてブレーキを掛けずに急ハンドルを切ってみたところ、最初はススーッと直進していきますが、一呼吸置いたころにはグリップ感が復活しきちんと向きが変わります。
減速時の同じような印象で、もっとも雪に強いとされるチェーンほどではないものの、一般的なスタッドレスと比べてもその差はわずかなものに感じました。
一方、表面に雪がなく、完全に凍ったアイスバーンではやや滑り気味。オールシーズンタイヤがスタッドレスタイヤではなく、“雪道も走れる夏タイヤ”であることを再認識させられます。
ただし、例えスタッドレスタイヤやチェーンを履いていたとしても、完全なドライ路面と同じように走ることはできません。
雪道や凍結路面であることを肝に銘じ、急の付く運転さえしなければ、十分実用の範囲内とであることを確認できました。
“次のタイヤ”の候補におすすめ
オールシーズンタイヤが持つもっとも特筆すべき特徴は、通年履き続けていられることです。季節の変わり目にタイヤ交換をする必要がなく余計な出費や手間が不要なのはもちろん、タイヤを保管しておくスペースもいりません。
また、オールシーズンタイヤの本場、欧州で冬タイヤとして認められた証「スリーピークマウンテンスノーフレークマーク(3PMSF)」が付いており、その性能はお墨付き。
今回のテスト車両であるBMW 320dのオーナーのように、仕事で車を使っている方や年に1度雪が降るか降らないかという地域にお住いの方などにとっては、急な雪で慌てるという心配も不要です。
そろそろタイヤ交換が近いかな?という方は、次の交換候補にN’Blue 4Seasonを入れみても良いのではないでしょうか。