街行く人も、秋から冬の装いへと変わりつつある今日この頃。クルマを愛する皆様はステアリングを握る時、バイクにまたがる時、どんなアイテムに袖を通していますか?レーシングスーツ、もしくはライディングスーツ一択という本職の方、最大限の敬意を表しつつ、こちらのネタは6速全開でのスルーをお願い致します…。クルマとファッション・トレンドというものは中々結び付きずらいものですが、100年を超える自動車の歴史の中で、街行く人が普段身につけているアイテムのルーツが実はモーターカルチャーというものは少なくありません。そんなアイテムの中で、女子にも「うわぁ…」じゃなくて「洒落てる!」と思ってもらえそうなアイテムをいくつかご紹介いたします。
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Barbour International Jacket
言わずとしれた男、スティーブ・マックイーンが1964年のISDTでアメリカ代表のユニフォームとして身にまとったことで空前のブームとなり、現在も尚モーターサイクルジャケットの王道・定番としてスタイルを選ばず多くの人に愛されています。
所謂オイルドクロス・コットンを採用しており、多少の雨を弾くのは勿論のこと非常にタフで、30年、親子2代で着倒すツワモノも。
大きなポケットはグローブも入るし、胸ポケットはジップの上にフラップが付く安心仕様。
フロントZIPの前立ても、スナップボタン付きの二重になっていて隙間風対策も抜かりありません。
本格的なモーターサイクルジャケットとしての機能を持ちつつ、洋服好きにとっても憧れのジャケット。
どんなトレンドにもスタイルもハマるまさに名品です。
オーセンティックでいて且つモーターカルチャーへの愛も表現出来る、完璧な逸品と言えるでしょう。
ちなみに…ここ数年は女性の中でも甘辛の”辛”でコーディネートに取り入れる方がちらほら。
SHINICHIRO ARAKAWA DRIVING JACKET
ブランドの誕生は1993年のパリ。
過去にはHONDAとのコラボレーションでコレクションを展開し話題をさらった、デザイナーズブランド・SHINICHIRO ARAKAWAのドライビングジャケットです。
モーターカルチャーへの愛が深く、こちらのジャケットは六本木にあるカーグッズのセレクトショップ「Le Garage」による別注アイテムです。
立体裁断を取り入れることで、運転中の腕まわりの動きやすさを追求しつつ細身のシルエットを実現したこだわり溢れる逸品になっています。
控えめながらどことなくレーシーな空気漂うツートーンカラーが、古き良きレースシーンを彷彿とさせます。
機能の面に妥協なく、カッコよくてタフなドライビングジャケットが中々見当たらない…と思っていろ貴方にオススメです。
これならタウンユースでもアウトドアでも、様々な場面でコーディネートに取り入れられそうですね。
Gloverall Duffle Coat
イギリス発祥のウールウェアブランド、グローバーオールのダッフルコートです。
ダッフルコートは元々はミリタリーウェアが発祥ですが、グローブをはめた手で脱ぎ着出来る利便性が支持され1950年代のF1パドックでは多くのドライバーやクルーが身につけていました。
化学繊維がほとんど無かった当時、ウール素材はいわばベンチコートみたいなスポーティなイメージのアイテムだったんです。
この写真では、1958年F1ワールドチャンピオンの若きマイク・ホーソーン(左)の隣、同じくF1ドライバーであるトニー・ブルックスがグローバーオールのコートを羽織っています。
ちなみに写真右の小柄なゴリッとした男性は、かの英雄スターリング・モスです。
今でも本国イギリスでは、クラシックカー愛好家にとって愛車と非常に相性の良いウェアアイテムとして支持され続けているようです。
メーカーを挙げてこんな動画を作ってしまうんですからこりゃ確信犯ですね…。
ご覧の通り、少し前には”1951Collection”と銘打ってモーターカルチャーを全面に出したコレクションを展開していました。
Grand Prix Originals
スティーブ・マックイーン主演”栄光のルマン(原題 Le Mans)”にインスパイアされ、ドイツ出身のデザイナーが立ち上げたアパレルブランドです。
かの映画の影響を語る通り、Gulf Racing やワークス・ポルシェに捧げる熱いオマージュの数々にしびれます。
永遠のテーマである「変わらず好きなモノ」と「トレンド」という相反する要素に向き合うからこそ、デザイン性と本格的なディテールの両方を兼ね備えた服を作れる稀有なブランドといえるでしょう。
Black Magic Racing Jkt.
特にオススメしたいのがこのブルゾンです。
マックイーンが”Le Mans”の劇中で着ていた白いレーシングジャケットに憧れはしたけど、街で着たらコスプレになってしまうし…でもこの気持ちは捨てきれないし…こんなジレンマに対する、2016年現在のベストアンサーは、間違いなくこのジャケットでしょう。
一言だけいいます。滅茶苦茶欲しいです。
まとめ
さあ、いかがでしたでしょうか。
「車高とリムの深さにはミリ単位で拘るけど、洋服なんてジャージで十分さ!」
そんな紳士を私は愛してやまないのですが、しかし。
お気づきでしょうか…ひとたびステアリングを握るとき、バイクにまたがるとき、あなたの姿もまた愛車の一部になるのです。
ぜひともその素敵な愛車とバッチリ合う上質なウェアに、袖を通してみませんか?